美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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思い込みは気づきにくい

2017年01月23日 16時28分46秒 | 日記
思い込みは気づきにくい。
他人と自分とは、同じ環境で同じ経験をしても同じ目的であったとしても
見えていること、解釈、感じ方、考え方は違う。
思い込みの枠にとらわれて、自分の見方が正しいかどうか疑うことをやめてしまったら、隠れた事実を見逃す危険性がある。
知らないということを知る。

知っているつもりで済まさない。
まずは、自分の感覚を十分に使い意識して観る。
その後に外部からの情報を素直に受け入れる。
得た情報を整理し、再び自分の感性でよく観て解読する。
それが知る(理解する)ということ。

アーサー・コナン・ドイルは
医学生だった頃、
卓越した観察力で、面識のない外来患者の症状や習慣、趣味や職業までも
立て板に水を流すような話し方で言い当てていた
外科教授のジョセフ・ビル博士の業に魅了されていた。
この博士がモデルとなり「名探偵シャーロック・ホームズ」が誕生した。

「見慣れたことでもいつも新たな発見をしていく意識を持って、よく観る」
といった経験を積めば、
漠然とした理想や専門的な知識の枠に縛られなくなる。
新鮮に感じる気づきは、脳の機能を開放させる。
だから賢者は、散歩や芸術を習慣にしてきた。

脳を休める情緒思考文化である日本の絵巻物、浮世絵、漫画・アニメのルーツといえる『鳥獣人物戯画絵巻』。
平安時代後期から鎌倉時代までの800年間をかけて、無名の僧侶たちによって庶民の日常生活が、擬人化された動物キャラクターで描かれた。

感覚や創造性を磨くことが現代社会で見直されてきている。
「デッサン力」があるということは絵の上手い下手の違いではなく
情報を収集する力や伝達する能力
物事の本質や構造を見極められること
構想している計画や企画を伝えられる能力のこと。

アイデアが先ではない。
まずは、強い思いがあって大切なことに気づき、
掘り当てた情報の新鮮な組み合わせで
不快が快に変わる新しい価値を生み出す。
強い思いが、ビジョンに変わり創造となる。
だから、誰かを思うことからすべては動き出す。

何か才能や技術がないと創作、表現をすることが出来ないと勘違いをしている方がたくさんいる。絵にしても小説にしても遊びにしても大切なのは突き動かす衝動であり、その衝動を誰かに伝えたいという欲求があること。

世界で初めて、降る雨を線で描いて可視化した広重。
世の中に動画というものがない時代に動画的な視点で描いていた絵描きがいた。
宗達、広重、北斎、若冲…
日本の絵師たちは、瞬間を捉えるのではなく時間の流れを捉える映像を描いていた。

オフィーリア
背景に描写される草花には象徴的な意味が込められている。
ヤナギは見捨てられた愛、イラクサは苦悩、ヒナギクは無垢、パンジーは愛の虚しさ、首飾りのスミレは誠実・純潔・夭折(ようせつ:若死に)、ケシの花は死を意味している。

西洋絵画の色ルール
赤=慈愛・殉教・権力
黄=異端者・邪悪さ
白=純潔・無垢
黒=禁欲・死
緑=希望・恋
青=誠実さ・悲しみ
多色、縞=社会の規範を乱す者

日本人を見直す言葉。
坂東玉三郎氏の芸の目的は「お客様に生きていてよかったとおもっていただくこと」


好きなことが才能

2017年01月23日 16時18分31秒 | 日記
好きなことが才能。
続けられることが実力。
癖は魅力。
磨かれた感覚が、幸せを見つける力になる。
誰もがやっていること、できることでも
自分らしい新鮮な組み合わせで
相対性を実感し充実した時間を過ごせる。
自分という人間は自分だけ。

楽しいことが才能。
継続すること、継続してしまうことが重要で、何よりも説得力がある。
目的意識ではなく、そうしたいからしてしまうこと、
自分を突き動かしている「欲求・衝動」を与えられたものだと考えると
寸暇を惜しんでやってしまう好きなこと楽しいことが才能。

思い出す大切な言葉。
「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。」
「型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?」 
立川談志

江戸時代はプチ氷河期だった。
現代のような暖房設備もない中、今では考えられない薄着で過ごしていた。
極寒の中、粋に生きていた。
不快に感じてしまうことが、実は自分を守ってくれている。
そんな不快を風情にして、快に転じる価値転換文化を
日本人は、長い時間と手間をかけてつくってきた。

未来のことを知っている人はいない。
だから
先のことは自分で決めればいい。

日本人は、不快を快に転じることのできる文化を持っている。 西洋の画家たちを驚かせた浮世絵師 広重の雨の表現。 当時、線で雨を視覚化する発想はなかった。今、当たり前のものとしてみている、感じていることは先人が気づかせてくれた。

道端の草木や石ころに心を引かれる人もいる。
好きなことで楽しむと感覚は磨かれていく。
「そんなことで」
その人によって心が揺さぶられるものは違う。
幸せは、頭で考えるものではなく心と体で感じるもの。
五感を意識して使うと気分がいい。

みんな「あれもできないし、これもできない」
実は「これもできるし、あれもできるようになっている」と考えて、
今の自分も相手も褒めてあげた方が、上を向いて前進できる。

モネの想いが込められた3枚の絵『日傘をさす女』
妻と子と過ごす時間、溢れ出る幸せ、その瞬間を描いた4年後に妻はこの世を去る。
その7年後に亡き妻の面影を風景画のように描いた。顔が描かれていない。その後「人物画のルノワール、風景画のモネ」といわれたようにほとんど人物を描いていない。

ポテンシャルの高い人は、不安な点や分からないことは悩む前にすぐ調べて、集めた情報で洞察し予測し行動計画を設計する。後は迷わず問題を解決するための工夫を繰り返す。余計な心配や悩んでいる時間が少なく、目的に前向きな明快な生き方。

筋を通す人
頑固で融通が利かない人ではなく、
思い描いた目的に向かってブレずに行動している人。
真実や現実、問題に直視し
まずは具体的な理想のビジョンを思い描く。
その将来像に至るまでの筋道を立てる。
そして、他者と協働しながら問題を解決していくために
筋を通した生き方をする。

自信がなくてもいい、人ひとりの影響力を信じればいい。
「そこにいることで、周りに自分がつくられていく」のではなく
「自分がそこにいることで、周りがつくられていく」と考えて行動していた方が
どんなことにも価値をみいだせて、断然楽しい。

幸せ
幸せは、なりたくてなるものではない。
幸せは、感じるもの。
同じ状況なのに幸せを感じる人とそうでない人との違いは、
幸せを感じとる感覚が磨かれていないから、幸せだと感じない。
幸せを感じる感覚は、何かに打ち込むことで磨かれる。

普段、目にしている物事を絵に描くつもりで観てみるといろんなことに気づきだす。
絵は、思い込みや見たつもり、知っているつもりでは描けない。
物事は「見る」のではなく「観る」ことが重要で、
書物と様に「読みとく」「理解」する感覚が大切。

手紙もそうだが、描く絵にはその人の気持ちが表れる。
誰かのために絵を描くことは、思いを伝えるために意外なほど効果がある。
本人が気にするほど上手さ(技巧)はそれほど問題ではなく、
言葉で説明するよりも親切に感じる。
自分のために手描きの絵を描いてもらったら
想像以上に嬉しいもの。

胎児は、お腹の中ではえら呼吸をしている。
生命の始まりである海と同じ成分(ミネラル)を含む羊水の中で泳ぐように
生物の進化を経て
生まれた瞬間から肺呼吸になる。
本能は進化の過程の記憶であり
成長の中で新たに学んでいる思考も
覚醒ではなく思い出しを繰り返していると考えると面白い。

美術館の話題の企画展は、名優が出そろった映画を観ているようだ。
いつもの常設展は
しぶめの俳優がきらりと才能をのぞかせているマニアックな映画を観ているようだ。
常設展の空間の方がプライベートビーチのような気軽さがあって落ち着く。
美術館をたまには常設展の内容で選んでみても面白い。

芸術は高尚なことではなく、日常的なこと。
「芸術から教訓は受けない。頭が賢くなるのではなく、心が豊かになる。」
「子どもたちはユーモアを求めている。人は失敗するし、失敗するものだから温かみを感じる。」
ミヒャエル・エンデのファンタジーは、
子供だけでなく
大人の心ほど豊かにする。

魅力

2017年01月23日 11時45分35秒 | 日記
魅力(独自性)
 「自分しかしないこと・自分だからすること・何時間でも続けられること」

 自分しかしなさそうなこと。例えば私の場合、子どもの頃から人が集まることと誰かのサポートをすることが好きでした。奉仕とかボランティア活動をしたいということとは少し違って、自分自身あるいは家族のために行動していることでも結果的に人と人、人と何かの「橋渡し」に繋がっていくことに充実感を感じています。そんな人はたくさんいるでしょうが、デザイン&アートの分野で私の培ってきたことを使って、それも日本で…という具合に私のもっている条件をつけていくとその人数も絞られていくはずです。そんなことが自分のやりたいことへの自信にも繋がったりします。どんなことが自分の自信として思えるのかで、それぞれのモチベーションが決まってくるように思えます。
 自分だからしていること。その時代、周りの環境も大きく関わってくるのでしょう。その時やっていること(習慣)や行動範囲を客観的に見直してみると意識していなかった自分自身の姿が浮き上がってきます。著名人の行動、報道のあり方などテレビに向かって文句をいっている。流行に敏感。無意識に落書きをしている、喋っている。散歩が好き、暇であることが好き、嫌い。知らない人の中にいたい、集めたい…など。「普通」と思っていることが意外と独特でその人の持ち味の現れだったりします。自分の特徴を発見して、その力を発揮していきましょう。
 何時間でもやっていられる。「いつの間にか時が過ぎていた」という感覚を覚えたことはありませんか?自分に適していることに気が付かずに見過ごしているのかもしれません。「仕事と遊びは別」、でしょうか?そんな考え方をいつ、どこで植え付けられたのでしょう。学校では、休み時間が「遊び」の時間?教室で学習することが楽しく「遊ぶ」になっている授業もたくさん存在しているはずです。家族が囲む食卓が「楽しい一時を過ごす場」になっている家庭もたくさんあります。職場の「仕事で遊ぶ」ために出勤する人もいます。唐突ですが、私は雲が好きで、いい雲、つまらない雲と勝手に評価することで楽しんでいます。そんな時、その状況から何かを会得していると考えるので何時間たっても集中力が続きます。結果的にその場で過ごした時間に価値を感じ、その多くが記憶に残っています。記憶に残るということは、意識しようがしまいがその時が充実していたということです。逆に充実した時間を過ごすために何をすればいいのか再認識するためには、自分の記憶をたどってみるのも一つの方法でしょう。