Sleepless Sheep

眠れぬ夜を闊歩する・・とりとめ無き戯れの記憶・・・

Changeable

2005年02月14日 11時35分12秒 | peppermint lagoon


紫陽花の花は悲しいと
沈みかけた笹舟を器用に直しながら
貴方は昨日の私に話しかける

私は何処からともなく流れてきた 紙飛行機が気になっており
不意に不安にかられ 貴方の視線を追う


溜め息混じりの空に 二つ一組の吐息で雲を造り
遠くを見るような目で見つめ合う



夕焼けが赤過ぎると
貴方は笹の造る暗闇に視線を預ける


急にそわそわし始めた南風が
薄明かりを放つ電灯に照らされており
ふと気がつくと 夜に呑まれた貴方の背中があった




川のせせらぎに明日の不安を預け
昨日までのやすらぎを探す





You are not what you were
色褪せた思い出に縋り

I am not what I was
赤や黄色の夢追い駆ける






言い訳

2005年02月13日 01時20分36秒 | peppermint lagoon


海岸へと続く冷えきった街並み
千鳥足で辿り着いた金網越しの楽園


アスファルトの冷たさにふと目を醒ますと
幾重にも重なる夜の吐息が聴こえる

知らぬ間に滲んでゆく星空
君の微笑みも滲む




込み上げる憂い笑い飛ばしてみても
くわえた煙草に火がつかない

思いつめたささやかな愛
優しさという名のひとりよがり

捧げたつもりの精一杯の思い
行き場のない戯れの記憶





歩き疲れて眠りについたら独り
とりとめのない言い訳を繰り返す






Twilight

2005年02月11日 02時32分41秒 | peppermint lagoon


地下鉄の階段を一息に駆け上がると
どんよりとした いつもの空が待っている

人の居ない公園の電灯に明かりがついたなら
訳の分からない不安に包まれているわ



暮れかかる華やいだ街の息遣い
人込みに呑まれた 時めきにすがりつく
見つめあったらほら
切なさもてあまし気味



見覚えのある show window の前で
行き場のない悲しみに囚われたなら
少し高めのヒールを選んで
途切れた言葉の後を追い駆ける



そうよふたりきり  終わりのないかくれんぼ
見つめあったらほら
戸惑いが息づいている


夢の続きを見ていたいなら  あなたのこと 少し忘れる




 

線香花火

2005年02月07日 00時29分20秒 | peppermint lagoon
灯りを消して 部屋の中でともす
季節はずれの線香花火

たよりない灯火の中に
精一杯の微笑をたたえた君がいた

白い息と
温かいミルクティーと
使い古した電気ポット
ただそれだけの部屋だった

ここで君と花火をしなくなるまで
この6畳のワンルームが
こんな殺風景な部屋だと気付くことはなく
思い出したように
紅茶のティーパックに手を伸ばせば
ささくれのある中指の先には
小さく「保温」と明かりがついている


暗闇に護られていた静けさの中で
ひとくちコンロに煽られた
ステンレス製の無機質なやかんが
鼓膜に針を刺すような悲鳴を上げている




やかんのような恋はできても
電気ポットのような愛は知らない


趣味の悪いポットのくせに
いつまでたってもお湯が冷めない




君が封を切った最後の線香花火に
今夜 灯をともす




Blue

2005年02月06日 02時16分18秒 | peppermint lagoon

Contact lens ひとつ外して夢をみたら
昨日の君がぼやけていた
西風に髪をまかせ 波打ち際を歩く君が
不透明な夜に消える

麦藁帽子に閉じ込められた夏はその色を失い
置き忘れられた砂時計に 通り過ぎた季節を尋ねた


Blue marine blue
明日咲く花の香り
Blue marine blue
そっと抱きしめてかえす


Sapphireの夏を忘れたくないと
君は流す涙に呪文をかける
錨を持たぬ船は紅の海に迷い
藍の光を放つ灯台に幾つもの夜を投げた


Blue marine blue
明日咲く花の香り
Blue marine blue
そっと抱きしめてかえす