3RD EYE STUDiOS
街角の映像制作下請け零細業者のブログ




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映像もデザイン力が関わってくる世界であるからフォントももちろん重要な要素だ。ところがテレビを見ていると、ちょっと待ってくれよというフォント使いがよくある。顕著なのが、英語を日本語フォントで打っていること。英語フォントを使わず日本語フォントで打つと、とてもじゃないけどバランスが悪い。なのに平気で日本語フォントを使ってる。頼むから止めてくれ。

先日、とある仕事で「うちの会社はこのフォントを指定で」と指示された。フォントを指定されるのは2度目の経験だったが、企業イメージを保つためには非常に重要なことだと感心した。ロゴの使用規定はたいてい厳しいんだけど、フォントまで気を配っている企業は滅多にない。消費者に与える印象を大切にするはずの有名企業がフォントに無頓着なのはどうなんだろう、と思う。デザイナーによってバラバラになってしまうことを恐れないのだろうか?僕は特に指定がなくてもパンフレットなんかがあればそれを参考に統一したデザインで作るようにしているが。ちなみに指定してきた企業は2つとも外国企業だった。

フォントがらみで有名な事件を今でも覚えている。auのデザインケータイ「PENCK」で、サイトウマコトとかいうデザイナーが『全部オレがデザインした』みたいに偉そうに語ってたら、テンキーに使用したフォントがパクリだったという事件だ(ITmedia記事)。パクリとは言ってもフリーフォントを使っていたので正確には著作権侵害ではない。ただそれを「自分でフォントも全部デザインした」と豪語していたのでデザイナーとしては恥ずかしい事件だった。なんですぐバレるウソをついたのだろう?

映像業界では数年前にフォントの著作権に関して厳しいお達しが出たことがあって、あらゆるパソコンから一斉にフォントを削除したという出来事があった。著作権フリーもしくはライセンス契約したフォントでないと、多額の賠償請求があるかもしれないと厳重注意され、実際にテロップを打つ編集スタジオでは「このパソコンはテロップ打ちに使っちゃダメ」とか「このパソコンにインストールしてあるフォントは使用OK」とか書いてあった。それだけに「PENCK」が起こした事件は『バカじゃねーの』と軽蔑されていた。

フォントはMACの方がキレイだ、と昔から言われるけど、そーかなー??というのが正直な意見。これはDTPとDTVの違いがあるかもしれない。印刷媒体の場合は紙面も大きく扱う文字数も多いし、文章をざーっと書いた上でのバランスが重要になってくるのかもしれないが、映像は640×480ピクセル72dpiという非常に限られた世界で、しかも数秒という時間軸がある中で文字を見せるから、文字数が圧倒的に少ない。一文字一文字必ずキッチリ調整する。だから「MACの方がキレイ」という感覚は僕にはあまりない。重要なテロップは、一文字づつ自分の手でデザインすることも多いし。

フォントではないけど、ピタゴラスイッチの佐藤雅彦さんが書かれる手書き文字はすごく味があっていい。うらやましい。僕の手書き文字はまったく話にならない。。佐藤さんの文字は、文字デザインが作品全体の基調を決めるいい例だと思う。

とにかく、英語を日本語フォントで打つのはカッコ悪いから、テロップを打つADくんたち、ぜひ気をつけて欲しい。

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