映像業界関係者以外にはまったくどうでもいいニュースだろうが、ちょっと意外で、でもそれはいいかも、と思うような協業だ。東芝が半導体メモリ技術=カムコーダーのコーダー部分と映像処理技術、池上がカメラ部分の技術を持ち寄るのだろう。当然1920×1080のフルHD、60i収録になるだろうから画質は期待できる。数年後にはひょっとすると民生にまで下りてくるかもしれない。
ニュースリリースがこれ。来週から始まるNAB2007で詳しいプレスリリースがあるらしい。NABは毎年楽しみな行事だが、また一つ楽しみが増えた。
このニュースで感じたのは「もうそろそろホントにテープレスの時代が来るかも」という期待だ。テープレステープレスっていう掛け声を数年前からうんざりする程聞かされたけど、いっこうに普及している兆しは見えない。放送局はいまだにβカムテープで持っていかないといけないし、CMはD2納品が当たり前。収録はテープ以外は考えられない。
現在、ソニーがブルーレイをベースにしたXDCAM、パナソニックがSDメモリーカードをベースにしたP2システムを発表しているが、誰か使ってます??僕は見たことないけど。池上もジミ~にHDDを搭載したカムコーダーを出してるが売れてるのかな?
なぜテープレスが普及しないのか、一番の理由は信頼性だろう。テープですら「収録失敗してたらどうしよう?」という心配があるのに、その他の歴史が浅いメディアでは心配で心配でたまらん。ロケ1日で物凄いカネがかかるのに、それで「収録失敗してました~」じゃ話にならん。
二番目の理由はテープレスで便利になるのが「パソコンに取り込む時間を省ける」ということだけだからだ。そんなのちょっと我慢すればいいこと。ビール飲みながらパソコンに仕事させてればいいだけの話なんだし、どうせ編集する前に収録素材を一度は見直す必要があるのだから、見直しながら取り込めばいい。撮って出しをする報道だと便利なんだろけどね。
三番目の理由は「収録素材を保存できない」ということ。いやHDDをいっぱい買って保存すればいいんだけど、メチャクチャ金かかるしHDDってすぐ壊れるから恐ろしい。テープなら撮ってきたものを編集納品後も消さずに押し入れに入れときゃいいだけだから何の心配もない。
テープレスは民生の方がどんどん先に進んでいる。民生ではDVデッキが普及しなかったから、DVテープで収録したものを見るにはいちいちカメラをテレビにつなげなければならず、大変だった。手軽にどこでも見られるDVDに収録できるものが望まれるのは当然だろう。友達が、DVテープで撮ったものをDVDにダビングして、DVテープを使いまわしているのを見ていて、いつも不便そうだなあと思ってた。最近ではとくにYouTubeなどに動画をUPする人も多いだろうから、パソコンとの親和性が高いほうが使い勝手がいいはず。その場合は画質は無視していいし。
民生とプロ用機材では求められているスペックが違うので違うものが生まれて当然なんだけど、昔は業務用から民生に波及していったのに、最近は民生の方が先へ先へと進むのが興味深い。
いずれにしても来週のNABは楽しみですね。東芝と池上の協業にも期待。
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