今回のUPDATEでは、僕としては大きく5つの進化があった
1)最大の進化「Stereoscopic 3D」ネイティブ対応
業界標準のどんなStereoscopic 3Dにも対応していると書いてある。Sonyだからこそ!みたいなことが高らかに謳われている。 が、僕の仕事で、今のところStereoscopic 3Dで納品をという依頼を受けたことはない。そもそもハイビジョン納品すらまだ半分くらいなのによほど特殊な事情でない限りStereoscopic 3D納品ということはないだろう。 あるとすれば展示会。でも展示会にしても出力の問題もあるし、メガネの問題もあるし、どれほど需要があるのやら。が、需要があるかないかわからない段階でも、できるようになっていることは重要だ。
2)AVCHD、DSLRネイティブ対応の強化
Vegas 9までは、EOSムービーは取り込みはできるけど、編集はほぼムリだったので、僕の場合はCineform CodecへのTranscodeを必ずするようにしていた。Cineformに変換するとかなり快適に編集できるのであまり困らない。とはいえ、慌ててやらなきゃいけない仕事もあるし、ネイティブサポートの強化には非常に期待している。 ただこれは実際に作業してみないとどの程度実用性があるのか分からない。
3)モーションスタビライザーとローリングシャッター補正機能
proDADとの共同開発ということだから、Mercalli(メルカリ)のことだと思われる。CanopusのEdiusにはすでに搭載されている機能であるが、これがネイティブであるのはありがたいといえばありがたい。どれだけ使えるかは未知数だが、僕の場合は今まで通りAEでやってしまうだろうことは想像できる。
4)オーディオ機能の強化
Vegasといえばオーディオ機能である。NLEでMAまで完璧にできてしまうソフトはVegas以外には今のところない。さすがは元DAWソフトなのであるが、今回のUPDATEでは僕的にはVUメーターが追加されたのが大きい。今まではSoundforgeに行ってVUを監視してたのだが、いちいちWAVに出力しなくても済むというのはかなりの負荷軽減になる。
ただ外部にVUメーターはあるのでVUの監視は主にそっちでしているというのもあるし、実はSoundforgeのVUメーターはなぜか-20dbが0VUにならないので、あまり期待は禁物。
他にもReverbなどのエフェクトがイベント単位でアサインできるようになった点もうれしい。作業効率がだいぶ楽になるのとミスが少なくなるだろう。
もう1点オーディオ機能の追加といえば、マルチトラックレコーディングが可能になったこと。VegasがインストールされたノートPCがあれば、映像と同時にライヴ音源のパラ収録も可能になるかもしれないし、複数人のインタビューなんかの音声をマルチトラックで収録できるようになるかもしれない。いずれにしてもテストが必要だが楽しみな機能だ。
5)Video Plug-in SDK
実はイマイチよく分かっていないこの新機能。SDKとはSoftware Developer’s Kitのことらしいのだが、つまりオープンプラットフォームで開発されたPlug-inを使えるということらしい。いまはまだよく分からないが、今後世界中の勇者たちが開発したフリーのプラグインがどんどん増えていくのだろうということだけは予想できるので、Vegas関連のサイトを注視していきたいし、便利なプラグインがあればどんどん紹介していきたい。
以上、使ってみないと分からないことだが、現状の情報をまとめてみた。Sony NEX-VG10にもVegasはバンドルされているし、今後の普及に期待。発売は10月11日。