ついに手を出してしまったアナモルフィック・レンズ。EOS RAWビデオがなければ興味を持たなかったであろうこの特殊レンズ。wikiによると技術そのものは第一次世界大戦時にフランス人によって発明されたものらしいのだが、1950年代に映画に応用され、「テレビに客を奪われてしまった映画が観客を劇場に取り戻すためにこのレンズを使った」のだそうだ。テレビは4:3だから、テレビでは実現できない横長のスペクタクルな絵にすれば客が戻ると考えたのは、現代のS3Dなんかと通じると思う。とにかく、アナモルフィックレンズは絵を横長にする(圧縮する)レンズである。

こういうレンズ。。初見はなんだこれは?と思うのだ。
僕のアナモ先生はek2008さん。こちら、アナモ愛好家必見の超絶最強ブログなのでぜひご一読。僕が初めてアナモレンズを見せてもらったのもek2008さんのこいつ。鏡胴ぶったぎりの鬼DIYは参考になるようで素人が手を出すと火傷する強烈なシロモノだが、撮れてる絵は「かっけ~~」。ぜひリンク先の動画をご覧あれ!!やっぱフレアがかっこいいんだ。
で、そんな凄まじいek2008さんを横目に、甘ちゃんの僕は「さすがにDIYはムリなんで見た目簡単そうなやつを、、」と、ebayで物色して取り寄せてみた。

うちの初アナモ。百式のように金色をしていて美しい。
僕が買ったのはSankorって会社のこれ。なんかもう「Canon 5D RAW」とか書いちゃって、めっちゃ僕向きじゃないですか。罠ですよワナ。ほんと。英国マンチェスターからなのだが、Lens made in Japanって書いてあるからどーなんだろーと思ってたらこのSankorってのはどーも日本の会社らしい。と、ek2008さんに教えてもらった。
EOS RAWとアナモルフィックは素晴らしい相性!!のはず!!
さて、なんでいまさらアナモなんかというと、EOS RAWビデオは横解像度の制限があるうえに、カードスピードをめちゃくちゃ要求してくる。そして解像度というか画像サイズに相当の自由度があるので、横解像度を短くして、足りない分を「横に引き伸ばして補ってしまえ!」という考えからである。そうするとカードスピードが遅くてもデカイ映像が撮れる、、、ということ。僕が買ったこいつはx2なので、1:1で撮っても、2:1になるという寸法だ。
もともとのフィルム時代とまったく同じ考え。いやーまさにEOS RAWビデオはフィルム回帰!!!
というわけで皆さんお馴染み伝説の5D Mark IIでやってみた。5D Mark IIも最新ビルドでVariable Bufferingは実装済み。しかも僕が紹介記事を書いたときより進化していて普通に5D2のRECボタンでできるようになっていた!操作性はほぼEOSノーマルと同じ。なんて扱いやすいんだ。素晴らしい!!(5D3に慣れすぎてて間違うけど)
アスペクト比をalmost 1:1に設定し、解像度の横を1280にする。そうすると1280:1250になる。アナモのx2になると2560:1250が完成、、、というわけだ。

almost 1:1って表記がなんかおもろい。
これくらいの解像度だと要求される書き込みスピードは64MB/s。可変バッファが実装されているので実際はもうちょっと低くて済むだろう。たいていのCFカードで余裕のよっちゃんだ。

撮影サイズはほぼ正方形。almost 1:1!!
レンズはカールツアイスの85mmを使う。このアナモレンズは、撮影用ではなく映写機用のものなので、ワイドレンズはけられてしまって使えない。。
ウチのチビをプール遊びにご招待してくれたご近所さんが「なんすかそれ?」と不思議そうに。。今日は暑かった。。。
なんか円形のモンはないかなあ~~~と目の前に格好のまるいものが!!!すごーく横幅が圧縮されてるのわかります?

撮れた動画を見ると見事につぶれてる!!!
ウチの車!!!だったらいいんだけどウチのはボロボロ「ストリーム」。しかもリコールほったらかし。。
んでAfter Effectsで横2倍に引き伸ばしてみた。解像度は、そう2560x1250。。
なんかロゴマークの円形が横長すぎる上にいがんでなくね??ムズイぞアナモ!!
だけどベンツマークがなんかやけに横に伸び過ぎてる気がする。。。うむむむむ。。。これでいいのだろうか??要研究だ。
あとアナモはフォーカスがぜんぜんわかんねーーーーーー!!合ってるのか合ってないのか、そもそも合うのか??合わない距離とかありそう。。
いやー用途はめちゃくちゃ限られるけどおもしろいなーーー 何撮る?何撮ろう??アナモレンズをさらに物色する日々であった。光学メーカーさん、もしご覧になってたらぜひぜひぜひぜひ新製品を出してください!!ワイドレンズでもいけるような、、、、
ちなみにフレアはどんな感じですか?うちのはT*コーティングのせいかほとんど出てくれませんorz
しかし、アナモは本当にrawと相性が良い気がします。
アナモだとやっぱり、1/48@24pとかにこだわりたい自分がいて、かといって高価なndフィルターは買えないわけで...しかし、rawだから安価(2万クラス?)な可変ndでも多少の色被りには対応できるのではと思っていたりします。
おまけにMLだとクロップモードがあるのでクローズアップレンズも不要ですし(あ、3RD EYEさまのは元々いらないやつですね)
あと、フォーカスに関しては、うちの場合は、アダプタの距離メモリを目測で被写体にあわせて、レンズ側を調整した場合に一番きれいに合焦するような気がします。
最近、本業が忙しくてカメラに触れていなかったのですが...あ、がまんできない(爆)
ps. 今時のテレビの大きさを考えると、シネスコサイズがもっと増えても良い気がするんですけど(いや、増えて欲しいです)。
おーrodobotさんもアナモ愛好家ですか!意外にいるんですよね隠れアナモ(笑
そうはいっても僕は「とにかく自分でやってみないと始まらん」という程度の駆け出しアナモなんで全然まだワケ分からん状態です。
> MLだとクロップモードがあるので
こないだ5D Mark IIIでクロップモードを多用して撮影したらやたらピンクフレームが出てしまい原因追求中なんです。たぶんCFカードのせいではないかと睨んでいるんですが、、、
5D2のクロップモードも安定してないですね。でもクロップモードで撮るとほんと真ん中しか使わないのでケラレは心配なさそう。
せめて50mmくらいが使えると用途が広がるんですけどねえ。。。
> アダプタの距離メモリを目測で被写体にあわせて、レンズ側を調整した場合に一番きれいに合焦する
なるほど、、やってみよう。。昨日はかなりテキトーにやってたんで、、、、あと、ツアイスの85mmはフォーカスを動かすとレンズが伸びるんでアダプタに当たっちゃうんですよね。。それも問題。
フレアはまだやってませんが今晩やってみます!!記事に追記しときまっす!!!
漢って感じがしますw
ベンツマークがちょっと歪んでるのは水平が微妙にあってないでいだと思います。
ペンライトなんかをレンズの前にかざすと横にフレアがでますので、グリッドなんかを表示させて水平になるように合わせるとセッティング早いですよ!
あと円が太っているのはアナモが均等に2倍ではなく、真ん中と端だと倍率が違ってたりするせいだと思います(広角レンズみたいに歪んでます)。タイル壁なんかを撮ると歪みの傾向が分かりますので、AEで補正すると軽減できますよ。
Magic LanternのRAW撮影うらやましいですw
ウチの唯一のEOSである40DがRAW撮影に対応したあかつきには、ボクもチャレンジしてみたいです!
どもです!!うほー様々な優良情報ありがとうございます!!
> かっこいい
いや金色ですよなんだこのレンズって感じです(笑 5D RAWって書いてあったのも「なんかいいタイミングのうまい誘い文句だなー」と思ったんですが、何より「金色してる」というのが決め手だったというか(笑 見た目すごくキレイでパッと見ほんとに中古なんだろうかと思いました。何年モノなんだろう?
> 横にフレアがでますので、グリッドなんかを表示させて水平
おーーなるほど!素晴らしい早速やってみます!
> タイル壁なんかを撮ると歪みの傾向が分かり
ほほーーなるほど~~~!!イラレでグリッド作ってそれを横半分に縮小して、それをテレビかなんかに映して撮るというのもいいかもしれない。画面いっぱいにできるかどうか分からないけど、、
ML RAW、おもろいですよ。つーかH.264がどんだけヒドかったのか痛感してます。知らないって怖い。ただやたらデータがくそ重くて大変ですけどね。。カット数が少ない短尺の仕事ならギリギリ実用範囲。。アナモも仕事で使ってみたい!!
映写用アナモはスクリーンに投影するレンズなので近距離の被写体撮るときはクローズアップレンズ付ければよい?のでしょうね、raitankさんのブログやvimeoのコメント見てるとそんな感じですね。
なんか無理やり召還してすみません!!(笑
>16ミリ映写機用?アナモ
そうなんですね!?いや実は届いて見た瞬間、口径が小さくて、ハレ?なんかek2008さんに見せてもらったのはもっとデカかったぞ!?なんか違う!!と思ったんです。。
んでいろいろレンズを合わせてみたら85mmと100mmしか合わなくて、、、
もしかしてAPS-C用のちっちゃいレンズとかを無理やりつけても1:1のサイズならケラレ大丈夫かもとかおもってるのですがまだ試してません。
> アナモだけ外した状態で被写体にフォーカス合わせて
なるへそ。。そうするとアナモが簡単に取り外せると楽ですね。。リグの組み方考えないと、、、
本物のアナモラーへの道は険しい。。。。