ビックリした。見たことないドキュメンタリー映像だった。人と、星と。見た瞬間「ああ我々も宇宙の一員なんだな」と実感した。こんな世界観も、テクノロジーは描き出すことはできるんだと。この可能性に気づいた感性にも脱帽する。美しい映像はやはりそれだけで語り掛けるものだと改めて確認できた。そして、制作した人が言うように「クリック1発でその世界を知ったような気にならないで、ぜひ自分の目で見に行ってほしい」とは、ほんとうにそうなんだと思う。この映像は、その体験へといざなうきっかけに過ぎないのだと。
CANON ME20F-SH
キヤノンの公式サイトより
ME20F-SHというカメラ。出た当時は「最大ISO400万のスーパー感度のカメラ」ということで話題になったが「我々の仕事には関係ないな」と、すぐさま忘却の彼方に。いったい何に使うんだろう?たぶん防犯用途???
ああ、その程度の発想しかできないのが、オレの限界だなと。
そしてこのカメラを使ったすごい映像を見た。見たことがない映像だった。
天の川をリアルタイム映像で
なにはともあれこれをご覧あれ。
子どもたち20人を星空観測へと連れていくツアー。そのドキュメンタリー映像。下に書いてある説明書きによると、新規導入したME20F-SHの実験的な作品らしい。ISO400万までいけるけど、40万で撮影されている。
このような天の川を撮るにはシャッタースピードを相当遅くしたスチールでないと捉えることができず、従来ではタイムラプス映像でないと実現が不可能だった。それはそれで美しいのだが、どうも現実感が薄れ、「ああきれいだね」で終わってしまっていた。
が、この映像。
リアルタイムで表現することで、美しい星と、人間の一体感が生まれる。
このカメラの性能と、こういう性能を持つカメラがあれば何が撮れるかというアイデアと、撮影者が培ってきた経験が産んだ、全く新しい映像だ。
もちろんまだノイズは酷く、例えばフィーチャーフィルムで使えるようなものではない。しかし、天の川を見上げて「何を思うだろう」というシンプルな問いに、答えとなる映像を作りたい、そういう制作者の意図がまっすぐ伝わってくる映像だった。
音楽もいいよねー。。。タイムラプスによくあるエピックな仰々しい音楽じゃなくて、その場所のその空気感を伝える繊細な音楽。タイムラプス映像を再生するたびに鳴るあのエピックな音楽を聴くとげんなりする。。。
身の回りにあるテクノロジーを使って何が表現できるのか、すべて作り手側にかかってるんだなあ、としみじみ思った。
ムーンボウ
※追記(2016.10.3)
またすごい映像だ。月明かりが作る虹。信じられない光景だ。こんなものもビデオカメラで撮影できる世界なのか。。。
驚きました!
たとえが我ながら稚拙ですが、
ワイヤーアクションにも感心しますが、
バスター キートンやジャッキー チェンの映画を見て驚く感じ。
人間たちや望遠鏡にはどんなライトをどのくらい当てているのだろう。
そこはまだまだ技術的に改善する余地がありそうです。
しかしそれにしても思うのは、
すごい、降るような星だ!
そしてFBに思い出を長文に書いちゃいました&こちらのページもリンクしちゃいました!
コメントありがとうございます!!
引率の先生?の懐中電灯の光のスジが素晴らしくきれいで、、、現場のほとんどの光が天の川を邪魔するものでないとすると、ほんと懐中電灯ほどの明かりなのかなと思います。
実質肉眼では真っ暗なんだろうなと。
ワイヤーアクションやCGもすごーーーーいです。ワイルドスピードのメイキング映像とか見てると、「メイキング見てもどうやって撮ってるかわからん!!」レベルです。
でも、こういう「その場所に行かないと絶対に味わえない感動」を可能な限り映し出す、、、、、いやあ、、映像の原点ですよね、こういうの。
こういう低照度カメラの技術力も改善の余地はまだまだありますし、撮影のアイデアや技術も、この映像に負けないような何かを見つけたいと思います。。。。
freiheitさんのそのご経験はうらやましいです。星空を見て生き方を見直す。アメリカ大陸のそら。落ちていきそう。
このビデオみて、あーなるほど、ほとんど宇宙飛行士の感想と同じじゃないか、と思いました。
そんな感覚を味わえるその空間。
そういえば、国際宇宙ステーションは宇宙側はほとんどなにも見えないそうなので、この美しい映像は実は地上の特権なのかもしれませんね。
次はこのカメラを宇宙に持ち出したら何が映るのだろうか、キヤノンは検証してほしい。。
freiheitさんに触発されて思い出すことがあります。僕は映像業界に入る前に、カンボジアで旅行ガイドをしてたことがありました。もう20年ほど前です。で、当時のカンボジアは内戦が終わったばっかりで、地雷だらけで、アンコールワットもあまり観光客がいないような、そんな場所だったんですが、旅行ガイドの仕事がらアンコールワットの頂上から夜が明けるのをなんどもなんども眺める機会がありまして、なんかそのたびに言い表しようのない無常を感じました。
僕の思い出は星空ではないですが、あのとき感じた事、いつまでも大切にしたいです。。。