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2007/7/10

2000-01-05 01:27:28 | こんにちの文化
スリー・テイルズ 1998-2002
Three Tales

音楽 スティーブ・ライヒ Steve Reich
映像 ベリル・コロット Beryl Korot

第1部 Hindenburg  1937年5月6日、ドイツの硬式飛行船・ヒンデンブルク号が大西洋横断後、アメリカニュージャージー州レイクハーストで着陸時に突如爆発、炎上した事件をテーマに。実写フィルムとラジオ放送などで構成。1998年作。
第2部 Bikini 1946年から52年にかけてマーシャル諸島のビキニ環礁で行なわれた一連の原爆実験をテーマに。記録フィルムと交信記録を再構成。2001年作。
第3部 Dolly 1996年に生まれた(発表は1997年)クローン羊ドリーと、生命科学・ロボット工学をテーマに。進化生物学者、コンピュータ科学者、ロボット研究者ら多くの科学者へのインタビューで構成。2002年作。

 科学技術に対する何らかのメッセージを伝えていることはわかるが、具体的にはわからないようになっている。政治的宣伝や宗教の説法とは違って、芸術表現とはそういうものである。芸術でしかできない作用を観賞者にもたらすのが目的だからだ。
 ただ、飛行船炎上の無残な映像や、居住地を追われる西太平洋の島民たちや、神の名の連呼、「マシーン」を連呼する(よう編集された)科学者の表情などを見て、科学技術の進歩に批判的なメッセージだろうと感じた人もいるだろう。しかし、科学技術無しではもはや現代社会は立ち行かないことは確かなので、単なる「批判」「警告」のような姿勢を読み取るだけでは十分ではない。反復を基調とするライヒの音楽に合わせて、繰り返し繰り返しじっくり考える、というスタンスが重要だろう。

 なお、一人、「ヒンデンブルク」の科学技術の失敗から、「ビキニ」の成功を経て、「ドリー」の未知(あるいは自己管理の試練)へ繋がっているのではないか、と書いた人がいますが、鋭い鑑賞眼だと思います。たしかに、そのような構成になっていましたね。科学技術も、高度なものになればなるほど、人類の自己管理能力、責任能力を試す力を持つことになるでしょう。

ここも参照↓
http://green.ap.teacup.com/miurat/1184.html

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