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三浦俊彦@goo@anthropicworld

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Unknown (戸川幸夫bot)
2018-01-12 10:58:32
夫殺し常習のこの悪女にも、少しばかりの差はある。サソリの雌は交尾が終わるまではいかにも恥ずかしげに装い、雄のいうなりになっている。サソリの雄は雌に出会うと、ハサミのある両手を広げて、尻尾を高く掲げ、姿勢を低くして迎えようとする。いかにも、ぼくの妻になってくれると嬉しいんだがねえ、と口説いているようにさえ見える。すると、雌の方もじっと相手をのぞき込むようにして、もじもじした様子を見せながら、OKをする。いかにも、娘らしい恥じらいぶりを見せるわけだ。
すると、雄はやさしく彼女の手をハサミではさんで、近くの石の下などに連れて行く。この辺の様子を見ていると、会社の上役がOLをだましだまし、ホテルに連れ込む風情によく似ている。ところが、しばらくしてから、そっと石をめくって見ると、こは如何に、雄の体はバラバラに食い荒らされている。たちまち変わる鬼女の姿――という芝居のありさまそっくりで、思わずぞっとさせられる。
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Unknown (戸川幸夫bot)
2018-01-12 11:08:11
そこへいくと、カマキリはもっと正直なのだろう。雌は決して、ういういしい女性を装ったりなんかはしないで、最初から、浮気して戻って来た亭主を待ち受ける女房のような態度で、じっと、近づく雄を見つめている。例の大鎌を胸のところに引きつけて、上半身を起こした身構えで、俗にカマキリの祈りといわれる姿勢である。
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