三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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コンタクト系8

2005-05-22 04:36:04 | モンスター映画
 ■リターナー■ 伏線はよくできてたんだけどなあ、弾丸止めとか。あんだけきちんと作ってんのに、どうしてハリウッドの真似するかなあ無理してー。いや別に、『マトリックス』や『E.T.』のパクリ入ってんのはかまわんのですよ。むしろ科白とか動作とかですな、ハリウッドにしようと足掻く必要ないってー。日本人に馴染まんの、あれ式ジェスチャーの数々(樹木希林もだよっ)。それになんつうか、敵役がああも単なる粗暴なチンピラってんじゃ、下がついてこんでしょういくらなんでも。悪役度過剰な仕草、空回りしてますよ、無駄に身辺をぶっ殺してみたり。もうチョイ丁寧な対決を見たかったわけで。いいとこ一つも……、あ、〈原因はエイリアン側じゃなく人間側だった〉て中途オチはよし(予測できてたにしても)。それと偽装宇宙船は笑えたっけな、あれ素晴らしかった。全般ビジュアルすげーよかったし、メカはハリウッドじゃなくジャパニメーションになってゃした。もちろんラストが二段構えになってたのも心底嬉しかったと白状しましょう。
 ■SFソードキル■ まず言っとかなきゃなんないのは、ストーリーこの上なく滅茶苦茶。日本で発見された氷漬けの戦国侍がなぜかロサンゼルスで蘇生。となれば国際事業に違いないのになぜか秘密裡に事が運ばれているらしい。日本語の堪能な人間を呼んでコミュニケーションとろうという努力は一切なし。監視の研究所員が刀を奪おうとして殺される(そんなことしたら疑われるの見えてるっつのに、ああいう事件がなきゃ藤岡弘の脱走劇もなく始まらないわけで)。蘇生を成し遂げた功績を誇ってよいはずのドクターが腕に自信もないくせになぜか藤岡弘を殺そうとしつこくつけ狙って返り討ち。うーん……。これだけ人物らの動機が支離滅裂でお話が破綻してりゃ大駄作になるハズなんだけど、意外とこれが見せてくれる。といってもアクションも大したことなし、ヒロインとのコンタクトもいまいち煮え切らず(これは戦国の前世における可憐な女房(あの女優だれ?)に比べ白人ヒロインが大味で男っぽく見えたことも関係してるな)、地味に徹した流れなのだが、細かいとこ行き届いてて。ずっと無表情しかめ面で通した藤岡弘がラスト、死の直前に初めてヒロインに笑いかけるとか、前世でのエピソードが現在の出来事にオーバーラップしていく真正デジャビュ構造とか、その前提として武士道にあるまじき卑怯なテで現世殺されていたというオープニングが生きてきたりとか。うむ、なかなかいい出来。結論、巨視的構造は零点、微視的組織は満点近い、アメリカ製サムライ映画って胡散臭さを除いても稀代の奇作と言うべき一本。
 ■ジュブナイル■ えーとこれ、対象年齢何歳? こっちがおとなになりすぎてるのが悪いっちゃ悪いのかとも、しかしいくらなんでもついてけないワなあ、途中から……。戸締まりもしないオンボロ電気屋が天才物理学者なんてのっけから陳腐もいいとこの設定だけど、とくになにゲリオンだっけ、テトラがあの巨大ロボ作って帰ってきたあたりからいよいよダメっすわ。テンポ異様に悪くて、おねーちゃんを自販機から救い出すあたりとか最悪。そもそもエイリアンがパラサイトつうか人間に変身する意味は何だったのかな? 変身対象殺さずにおくのはエイリアンの都合ってよりジュブナイル映画の都合上? 等々大疑問引きずりまくりだし、宇宙船内対決シーンの緊張感ゼロぶりといい、いやそもそも『ターミネーター』とは逆に現在を変えまいとして過去にロボットを送る、って身勝手な設定からしてセコすぎで盛り上がれないじゃん。わかりきったネタが全部案の定って感じにホントわかってからなおダラダラ2020年やり続けてるのもどうかと。パラサイト系にしとこうかとも思ったけどエイリアンと無駄な会話豊富+テトラとの交流=コンタクト系。どっちでもいいけどね、つまんないことに変わりないんで(ファンタジー系っつーのとも微妙に違うしな……)。CG頑張ってただけに残念だよな。あとまあ、小学生とはいえ20年後の自分って面影で一目わかるんじゃないかと思うぞ。