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三浦俊彦@goo@anthropicworld

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ニュルニュル系6

2011-04-10 23:34:00 | モンスター映画
 ■パラサイト・バイティング 食人草■ これ、ほんとは「植物系」とでも分類せにゃならんのだろうが植物系モンスターってえれー数少ないのでねぇ、いつまでたっても溜まりませんからこのへんで「ニュルニュル系」に入れさせてもらうよ。あの蔦ったら立派にニュルニュル運動を果たしてたしね。さて殺人蔦の描写ったらまことによくできてて、ぷるぷる震えながら携帯の呼び出し音真似たりする花また花もまことに不気味すぎるほどでよろしかったのだけど、結局なんだ、リアルタイムで逝った6人のうち蔦に殺されたと言えるのってたった一人だけじゃないですか! 犠牲者となるべき人間どうしで斬り合っちゃうなんてもったいないでしょうが、論外でしょうが。穴んなかには蔦に殺されたらしい死体が放置されてたりはしたけど、もうちょい蔦の直接攻撃の現場を見たかったんですよ、せっかくあれだけ怖い蔦工夫してくれたんだから。でも全般、ああゆうふうに高台に閉じこめられるって発想、まあ新しいよね。逃げられそうで逃げられない。ラストの逃げ方はちょっと原住民が馬鹿すぎね?ってほどのもんだが、ともかく貴重な植物怪獣そのものは十分ホラーだったので私は高評価出したいと思います。寝てるうちに手脚から蔓だの葉っぱだのが生えてきやがったらそりゃ怖いでしょうよ。あれ的シーンを二倍に増やしてくれてたら満点、って佳作でした。
 ■スラッグス■ いいもん観た。ミミズといっしょにナメクジも飼いたくなってきたわ。だけどああいう黒いでっかいナメクジって、このへんにはいないんだよね。ていうかあのナメクジって、いつぞやムツゴロウさんが掴んでかわいいかわいいと踊り食いしてた(つか丸飲みしてた)ナメクジだよね? たしか食用ナメクジ。たしかに艶々しててかわいい。このへんのとは違って表情豊か。しかし主人公の指にぱくって噛みつくシーン、もろマンガチックで笑えたよ。あそこ、なにげに名シーンですよ。バカップルが喰われるシーンもさることながら、アンチョビサラダに内側から食い破られる男、あの描写はうまかったな。描写ってよりもってきかたね。つまり腹痛のあとで自宅の洗面台シーンになるもんだから「こりゃあナメクジゲロすっぞ!」と予期させて、しかしそこは外して、顧客との打ち合わせ現場でも「うぷっ」でとどめてまた洗面台へ。そこでも鼻血だけでスカして、でいよいよ乾杯のときに顔面崩壊。たまらんもってきかたです。しかもナメクジそのものじゃなくて寄生虫ときた。ナメクジだけじゃ「ニュルニュル系」名乗るにゃ短躯すぎるかな、って心配はこれで解消。寄生虫の方ははっきりミミズ系だったものな。しかし市長に取り合ってもらえなかったからってあいつら勝手にああゆうことしていいのけ? 町中大爆発。ナメクジより火事のほうが怖いんでねえの? それと不満はラスボスなしか~、ってこと。けどそれは仕方ないか。ラスボスが出ちゃっちゃ、リアルなエコ・ホラーが台無しになるもんな。ただの群れで我慢我慢。
 ■キンドレッド 戦慄の異形生命体■ ちくしょー、ちくしょー、ちくしょー! 素ッ晴らしいクリーチャーなのにぃ! ニュルニュル触手あり粘液滴りまくり散らしまくりシーンあり、車の後部座席に置かれたスイカの中から触手が伸びて運転席の女の顔に巻き付くあたり、名シーンじゃないですか。瓶の中からぎゃあぎゃあ喚き出てくるホルマリン漬け胎児を蓋で押さえつけて触手ブッちぎりながらようやく蓋締めた女の奮闘場面とかも。感電したクリーチャーが破裂してなんやら人間っぽく変容しながら溶けてってマッドサイエンティスト道連れに消えてくシーンとかも。増殖体どもがグレムリンっぽくひしめく大団円もさ。ああいう名シーンが、怪物の造形の細部が、この酷い画質のおかげで台無しでしょうが! ひっでえ画質ですよこれは。滲んじゃって人や物の輪郭が揺れっぱなしです。逃がした魚は大きいじゃなくてだよ、ほんとあれ名場面ばっかなんだから。いくらなんでもこの画質、ほんとにマスターテープ使ってんのかや? すり切れたレンタル落ちのVHSそのままディスクに焼いただけじゃねーの? 五十年代じゃない、1986年の映画ですってよ。『スラッグス』と同い年じゃん、この画質はない、いくらなんでも。しかしもう、運転席で触手に絡まれてパニくる女、いい画質で観たかったいいシーンだったなぁ。ホラーの模範。話自体はちょっとおかしかったけどね。入院してた兄ちゃん、単独で駆けつけてもしゃあないでしょうが、警察つれてけよとか。女が一人地下に残ったままなのに仲間に黙って爆破装置点火してあとで慌ててんじゃないよとか。でもクリーチャーのビジュアルがよければ話なんかどうでもいいんです。あまりの画質の悪さにこりゃ字幕ぐらい出さにゃ見てられんなと、例外的に字幕出して観たら案の定つまんねー話だったけどね、このテの映画の通例として。そう、B級ホラーって、ヤッパ字幕消してほどよく不明瞭な展開にしとくと、ほんのりシュールになったりナンセンスになったりして価値が上がるんだよね。クリーチャーに集中できる度も上がるしね。ちなみにこの作品、「バイオハザード系」の方がふさわしいかもしれないけど、ニュルニュル系に回させてもらったよ。なんせニュルニュル系って意外と層が薄くてここんとこ数集められてなかったもんでね。
 ■モンスター・マウンテン■ こりゃあすげえや。といってもすげえのはモンスターの造形だけなんだけどさ。でもそいつがよければ俺的にゃ9割以上はクリア。パッケージにあったカバっぽい顔はウソだったけど、カニとタコとゴーレムを合体させたような不定形造形は快挙。B級パニックものの常として、バッケージに描かれたドデカモンスターはどうせ誇張だろうなと思ってたらほんとに山と同じ大きさっぽかったんで狂喜いたしました。いや、大きさは本来得点源じゃないんだけどふもとから見上げる超巨大モンスターってのはおっかないもんだなあ、って気づかされたし。意外とあのアングル、今まで誰もやんなかったんだよね。だもんで造形+大きさがこのモンスターの勝因です。っつっても山から一歩も動かないってのはどうだったかな。地中では盛んに動いてたらしいのに、地上に出現してからは山の頂上に陣取ったまんまなんだもん。足もとをチョコマカしてる主人公らをピンポイントでしつこく狙って外したりしてるのはあのスケールからして違和感ありありだし、もっとこう貫禄を持って暴れてほしかったよなあ。主人公らの頭上をくねるタコ足のあの危うげなCGから判断するにお金ギリギリで山からモンスター離すわけにいかなかったんだろうけどね、でも全体像が見たかったよなあ。ま、あんだけいいモンスター作っといて、ジッツァンと食堂の女のもたもたした脱出劇にやたら時間割いたり、どうも人間ドラマ(って呼べるほどのもんあったんかいな)に配慮しすぎで、ま、何もかも結局経済的問題か。最初、地中から蒸気が噴き出してきた描写にゃ、人物の至近距離すぎてかえって事態が矮小化されて災害の壮大さが伝わらず、「こんなヘタッピ、観るのやーめた」ってなりそうになったんだけど、観続けてよかったよ。ゴゴゴゴゴ、ってフレームごと大地が揺れる描写は古き良き地底怪獣映画のお決まりシーンでなつかしかったんで、それに惹かれて観続けたわけだけどね。あと、ほとんど人類の危機って言っていい事態だっつのに重大な任務帯びた奴がたったひとりでしかも道案内現地調達っていくら何でも行き当たりばったりすぎるでしょとか、あのミサイルは無駄にカッコよかったけど実質あれっぱかし一発で倒せるモンスターなら米軍の戦闘機2、3機も出動すりゃあっさり解決だったんじゃねーの?とかいろいろイチャモンいいたい要素はあるにあるけど、モンスター出現時にすべて帳消し。財政難の悲しさを漂わせつつこの映画、モンスターものとしちゃ堂々たるものでした。でもあとちょっと金ありゃモンスターが山を離れて町を襲ってくれたんだろ~なと思うと、返す返すも残念っすわ。
 ■パニック・スカイ■ あ、この映画も原寸大に近かったね、よかったよかった。なんせパッケージの絵が飛行機と自由の女神に中空から触手巻き付けるドデカモンスターだったんで、「ああ、いつもの誇大広告か、ニョロニョロが機内をクネリ回る程度なんだろうな」って思ってたらほんとにパッケージ絵と同程度の巨大モンスターでやんの。いや、自由の女神はウソだったし、飛行機もジェット旅客機と思いきやせいぜい6人乗りのレンタルプロペラ機に5人の若造が乗ってるだけだったんだけどさ。ともかく触手初登場時のその大きさで「うわ」と期待したわけなんだけど(すでに中盤過ぎてて期待には遅すぎたけどな)、ありゃりゃ……、タイムスリップものでしたかや? つかパラレルワールドもの? わけわかんない変なオチのおかげでモンスターが一挙超脇役にすっこんじまいましたねぇ、意味的に。まあなんだな、ああいうモンスターじゃなくてもよかったってこったな。ただの台風とかでもよかったってわけで。もともと出番少なかったとこへもってきて、せっかくのあの造形がただの幻覚みたいに成り下がっちゃったこの映画のサイコ的トラウマ的展開、俺ァ反対だな。飛行機が怪物に呑み込まれようが何されようがみんな「夢……」で解決されちゃう的流れだもんなあ。ただし死んだやつらが生き返ってこなかったのが救いだけどね。
 ■シンドバッド 7つの冒険と海神ポセイドン■ なんか支離滅裂な映画だな。それわかってるせいか俳優も主役含めてあんまやる気ナシな感じ漂ってる。表情なんか投げやりだもの。そいで、ポセイドンってどこ? もしかしてあの大イカですか? ってことでイカ、カニ(『巨大生物の島』っぽくてなつかしいわい)、クジラ(尻尾だけね)、翼竜(あいつら何? 敵対的なくせに結果的に一行を海から救い上げただけ?)、サイクロプス(大した攻撃してきてないのに主人公ら、過剰防衛でしょうが! しかしあの間抜けな倒れ方は串刺しになっちゃう方が悪いか……)、スフィンクス(っていってたっけ? しかし最期、岩がぶつかる程度のシーンは見せといてよ)、あと正体不明なアマゾネス集団(ど~見てもただの人間なんだけど吸血鬼っぽい設定?)と6~7種類くらい出てきたクリーチャーの中でそれじゃイカで代表させてニュルニュル系に入れさせてもらうよ。しかしあのイカはだねぇ……あいつがタンカー沈めに接近してくとこのCGのあまりのボロボロぶりにただちに観るのやめようかと思ったんだけど、漂着直後に現われてなぜかしつこく現金のトランク奪ってったカニの剽軽な動きにうっかり気を取り直して最後まで観ちまったぃ、あ~あ。次から次へとクリーチャーだけは惜しみなく出やがるもんだから飽きはしなかったけど、イカに続いてクジラもほとほと海面との接点ね、ああいうCG処理がド素人のようですなこの制作陣。それに内容も表現も全般いいかげん。娘と父親、同じ島に十何年だか住んでて一度も出会わなかったのかよ? 殺されるとき悲鳴だけで視覚的には一切省略って扱いされてる女もいたし(島の女が出てくるまではヒロイン格かと思わせといてだ)、だいたいラストのイカとの会話っぽいあれは何なの? コンタクト系へとジャンル早変わりしたのかな? 役目達成の潜水艇、殉職かと思いきやイカに助けられてるっぽいし。とにかく主人公と島の女とがコンビで潜水艇操作してた意味もウルトラQ『ゴーガの像』でレギュラー陣がバズーカ発射部隊に同乗してた並にさっぱりだし、とにかくまあ、でもいっかな、いいかげんなめまぐるしい展開でサッサカ進めてくれるこんなクズ映画も、割り切って観れば、たまには。

哺乳類系6

2011-03-22 21:27:00 | モンスター映画
 ■ダーク・サファラー■ んん? 何ですかこの映画は? 変。独特。傑作っちゃ言い過ぎかもしれんが、なんか妙な味があるぞ。ナンセンス系に入れようかどうしようか迷ったぞ。しかし疫病神の立ち位置の不条理を除けば話の筋は通ってるんで、ナンセンスってこたないな。しかし疫病神の正体、あれ何ですかね、人面豹? 黒豹人間? しなやかで猫っぽくてそこそこ可愛いし。周りの人たちもちゃんとお馴染みというか知ってて無視してるし。無視ってよりウンザリって感じ? 車の後を黙々と走って追ってくる健気さはモロ忠犬でなんとも。ヤクザ兄弟の落ちぶれ物語というか青春映画というか、なんかやるせない倦怠感ですなあ。鬱屈感ですなあ。ただ憑きまとうだけで対象を自滅させる新型ストーカーモンスター……。ラストなんかちょっと罪悪感感じてるみたいな。叱られてんのわかってますみたいな。どうにも引き込まれちゃいますな。妙です。掘り出しもんです。全然盛り上がらないまま、なんか緊張させられました。意外とこれ高級なシュールリアリズムかな。全然アート気取りがないのにこの妙な文芸感覚、高く評価しなきゃ。画質悪い感じがしたけど単に倦怠感のせいかなあ、つきまとう霧みたいな。
 ■デス・サファリ■ ライオン激怖っ。リアルだな~も~。どうやって撮ったんだろ。って普通に撮ったのか。って人がほんとに襲われてるじゃないですか。間一髪車のドアに女がセーフ、ってとき飛びかかったメスライオン、一瞬のシーンだったけど意外と小っちゃかった印象があるから、危険じゃない個体を選んで使ってたんかな? にしてもなあ。引き裂かれた死体とかリアルだし。『グレート・ハンティング』の例のあのシーンよりかリアルだし。オスライオンはシャレじゃなくでかいし。あんなのに車に乗っかられようものなら……て思ったら実際乗っかられてるし……ばりばりガラス割れまくってるし……、露天密室ものの真価発揮でガクガクブルブルです。こえぇす。しかしせっかく体張ってキーを取り戻したちうのに、ハンドル握ってからパニクりなさんなよ、あんなデタラメ運転して座礁しちゃってほんともう……、あれで助かっちゃ話続かないとはいえねぇ、あんだけ耐えといていざとなるとあまりにバカすぎというか。アンバランスだなあ。そのノリじゃ当然なのでしょうがほら、おやじさんが助けに来たはいいがヘボっておかーちゃんがガソリンで爆破しなきゃなんなかったって、あれ必然? うーん痛すぎでしょう。勝った勝ったと笑ってる場合ですか。依然として場所はサファリですよ。車ないんですよ。すぐ襲われるでしょうよ。映画自体は破局を仄めかすラストになってるけど、登場人物ら自身が全然ハッピーエンド風に「さあ帰ろう」ってあなた……、制作サイドがわかってりゃいいってもんじゃないです。ラストでズッこけなきゃ高レベルのパニックもの維持できたんだが。でもまあ、よかったす。おとーちゃんが車の下に滑り込んでオスライオンがガオガオ爪で引っ掻こうとするあたりの演出も最高でした。でもラスト勘違いありすぎなんで差し引き駄作と言い切っちゃうべきかなあ。
 ■ザ・ビースト ブレイロードの悪夢■ なんで狼男伝説をあっさり真に受けて銀の弾丸作ってんの? さすがにあそこ白けるだろ。しかもほんとに狼男でやんの。つかさしあたり狼女か。安易すぎ。でも感心したのは、狼女の変身後の顔アップ。しっかりガミースマイル(スマイルじゃなくて威嚇だけど)になってるとこ。だってもとの女バーテンダーが「おっ、微妙だけど味のあるガミースマイル! いい!」って萌えてたんだよ俺。そしたら変身後に! いや、でもあの種の狼系モンスターだったらガミーが当たり前か。感心するほどのこたないやな。で、全編無難というか。バカップルが殺されぶりといい、銃を持って壁を背にしたとたんに背後からバリバリッ、ムンズという露骨すぎるフラグの立ち方といい、定型通り。定型よりチョイ不器用かな。女が二人もわざわざ車の外に飛び出して逃げるってのなんかあれ……、普通は本能的に立て籠もろうとするもんじゃないかねえ。内臓グチャグチャはしっかり作ってたけど引き裂きの瞬間が映らないってんじゃ迫力いまいちだし。バカップルの女の方、片脚もがれる瞬間なんてもっとグロい悲鳴あげるべきでしょ? 「あ、脚もがれてたんだ……」って意外感で魅せようとしたんかな? って無理。でもまあ、冒頭で「あ、この映画のモンスターは着ぐるみか……」ってはやばやと過度の期待を捨てられたので最後までいちおう楽しく観られはしました。
 ■ケイヴ・フィアー■ しっかし外からバッチリ隅から隅まで覗ける別荘ですなあ。雪男(なのかな? ゴリラ型っぽいから人間形系じゃなく哺乳類系に分類しといたけど……)が侵入して何やってるか実況中継しないと作品になんないことはわかるけど、だからってねえ……、逐一見せてくれるのはいいけど、だったらギャルが窓からバキッって二つ折りでさらわれていくとこ、あそこはドアップでしょう、どう考えても。肝腎のとこ押さえてくんないんだなあ。あれだけでも十分見ごたえあるシーンだったけど一瞬すぎて(あれを見ごたえあるなんて言ってる時点でダメじゃん俺。あるいはこの映画)。あと全般、車椅子状態の主人公のもどかしさがもうちょい活かせれば話面白くなったんだが。怪物だ怪物だいくら言っても信じてもらえない、ってのは車椅子である必要ないしね。ベランダからの脱出もちょっと予想通りのタイミングで綱が切れたり今ひとつ予想外の要素に乏しいというか……、でもラストったらちょっと得した気分。あいつら大小さまざま、群れで棲息してたんだなあって。別荘地にUMAがあれほどの頭数って無理でしょ的なナンセンス風味も混じって、目の光ずらりのフィナーレはちょびっと笑えるビジュアルでしたから。
 ■ミノタウロス■ こらこら、ありゃあミノタウロスじゃないでしょうがっ! 単にでかい牛でしょうがっ! ちょっと顔とか牛と違うけど。いずれにせよミノタウロスにゃほど遠いでしょう。マ、だからって不満はありませんがね、むしろ人間型じゃないぶんモンスター度ちょいアップでそんなんが嬉しかったというか。ってそれにしても狭い洞窟ゴリゴリ壁擦りながら突進するばかりのワンパターンってどうなの? ってそれが見せ場だったり? 狭いとこでぐちゃぐちゃやってて終わっちゃったんで欲求不満気味な観賞後感ですが、まぁこういうのもたまにはありかなと。スピード感だけで誤魔化された感じかな。せめていっぺん全身見たかったっけね。

コンタクト系13

2011-03-20 02:10:00 | モンスター映画
 ■アウトランダー■ えっ? 主人公のあいつって、エイリアンなの? てっきり宇宙植民した地球人がタイムスリップしてバイキングと交流してんのかと思ってたけど。ウェブでレビュー調べるとどうやら異星人ってことのようだな。やっぱ字幕出して観ないとダメだな。どうりで最初にハイテク装置で眼球越しに言語やらなんやら情報インプットしてたわけだわ……って単に異国に飛んでもあれくらい必要かもしんないし。そもそも変身した形跡ないのにあんな地球人そっくりで(故郷に残した妻子も人間クリソツだったよなあ)地球の大気に適応しまくってて、進化的に地球人と別系統ってのは無理ありすぎでしょ。やっぱタイムスリップものでいいんじゃないの? そのことはともかく、よかったですわ、これ。モンスター映画目当てで見てるぶんには私ゃ満点近くつけますね。モンスター怖いし。発光するし。だから意外と平凡なトカゲ形でありながら微妙に不定型な恐怖感あったし。尻尾が鞭で鋭いし。モンスターの牙ズラリに劣らずヒロインの大口の中も拝めるし(残念ながら銀歯は見れなかったですけどね)。しかしな~んか飛躍が感じられてねぇ。あの女、いつのまに地下の巣窟に囚われに? 俺が何か見逃してたかな? シーンが思いっきり端折られてたような。そのへんが残念だったな。あとラストのぶら下がりシーン、あんなでかいモンスターに腕掴まれて支えらんないでしょういくらなんでも。あ、エイリアンだから平気なのか。ってあくまで異星人設定ならもうちょい違う体形にしといてほしかったってんだよなァつくづく。あそうだ、もひとつ文句言っとかなきゃな。音楽ウザイってばよ。全編ドラマチックなBGM流しッ放しってどーゆーつもりよ。頭くるね。せっかく設定もCGもモンスターも良質なんだから、俗っぽく迎合しなくて大丈夫だから。BGM全部消してタイムスリップ設定に徹してたらトップクラスに入ったよなぁこれ。
 ■プレデターズ■ えーと、終わり近くでメスだか注射だか取り出してドクターがほら、自分を助けてくれた女にブチってやったのはなんでかな? ただそうゆうサイコパスだって設定? 集められたのは傭兵とかヤクザとか人間版プレデターばっかだってのはわかるけど、協力者が一人でも必要なあの場であれはないでしょうに。わっかんねーな。字幕出して観りゃよかったな。まあとにかく、人間版プレデターどものやりとりというか対立というか、そっちも面白かったらしいんで、字幕出して観りゃよかったな。あとプレデターの種間抗争みたいな設定らしいけど、見かけをもっと違えてくれないとな。いっしょに戦ってくれるのが一体だけってのもちょっと寂しい。あと、これどっかで誰かが言ってたの偶然見たけど、俺もおんなじ感想だなってのは、ヤクザとプレデターの一騎討ちんとこね。プレデターがドサッと倒れて、そのあとアップで映るヤクザがくずおれるンだけど、あそこはアッサリしすぎでしょう。顔アップだからてっきり顔上半分が斜めにスーッと滑り落ちる、くらいのことやってくれんのかと思った。だってプレデターの倒れ方も地味すぎたんだもん、あそこで何か特殊効果見せてくれないと。それとも、一人とどまって犠牲になるってカッコ良さだけで十分だと思ったのかな? いやいや……。
 ■ミッドナイト・ミート・トレイン■ びっくらこいたなあ。サイコパス系もしくはレザーフェイス系って前提で観てたんだけど、コンタクト系にひっくり返るとはなぁ。異形の者どもがワラワラ現われてガツガツ食いつきはじめたのにゃ仰天でしたよ。なんか得した感じ。紛れもないモンスター映画に滑り込んでくれたもんな。正直言うと、主人公が殺されずに釈放されたところで「ああ、またこの御都合展開かよ……」って、観賞放棄しようかとすら思ったのよ。でもまあ、御指名だったわけね。なるほど筋が通ってる。ヨカッタヨカッタ、御都合主義的駄作じゃなくて。そこまでの展開で、目ん玉スポーンとか鉤で突き上げて天井にドッカーンとか、漫画的なスプラッターがまことに気に入ってて「この映画好き」モードに固執しかけてたんで、主人公釈放のところじゃほんと泣きたくなったんでしたよ、ヨカッタヨカッタ。途中のそんな勘違いもあったとはいえ終わってみるとほとんど突っ込みどころのない完成度でした。ただほれ、主人公に助けてもらったモデルさん、いくら感謝してるったってディープ気味のキスを口にするなよ、見ず知らずの男に。あと、ラストで心臓取り出される女がその前にグロッキーになる経緯がちょっと観ててわかんなかったな。暗かったし。ま、あのへんはバタバタバタッとわかりにくく進んで正解ってことで。ところで、先代が洗面台で一生懸命切り取ってたイボは何だったのかな?
 ■第9地区■ あれっ。普通だなあ。普通すぎるよ。健全すぎるっつうか。期待してたのに。ピーター・ジャクソンだからってそりゃ飛んでもない期待しちゃ悪かったか。しかしなぁ。もうちょっとぶっ飛んだ映画かと思ってたんだよ。エイリアンの造形・動きはよかったし、アレはエイリアンの赤ん坊ですか、サソリみたいなのの闘鶏なんかじっくり見てみたい凝り方だったし、しかし何でああも真っ当すぎるコンタクト人情ものにしちゃうわけよ。ロボットの暴れっぷりは満足レベルだったけど、意外性なく平凡。うーん……、『ラブリーボーン』でピーター・ジャクソンには肩すかし喰らわされたばかりだったけど、まっ、あの監督もすっかり健全大衆路線に同化しちゃったってことですかね。残念だなあ。
 ■ブレインダメージ■ セサミストリートをグロ化したようなお茶目なモンスターが気に入りました。あんな麻薬生物に寄生されたいって心から願う鬱病患者も多いのではないでしょうか。いちいちストローでチューチュー吸ってるようなコンタクトぶりがサイケデリック感と対照的なオトボケ味で、モンスターの言うなりに人を襲い続ける主人公の異様なほどの悲哀ったら。こういう稀少種のモンスター、もっと観たいよ。
 ■エイリアン・エクスペリメント■ 俺これ、スッゴク面白かったんですけど。ダメですかねェ? いや、いいと思うよこれ。『コヤニスカッツィ』っぽいやや長すぎる環境映像から始まって、結局全編、クライマックスもなく瞑想系ソフトノイズ音楽が響き続けてるとこだけで二重丸だけど、映像処理、アングルの不意の切り替わり、早回し、個々の処理はありきたりなんだけど、あんだけしつこく「エイリアンの視点です」って畳み掛けられると、笑うッきゃないじゃないですか。にーちゃんねーちゃんらが脈絡なく囚われては追い回され四肢切断されたりする理不尽さは、ストーリーなんぞ追ってかなくていい爽快感に満ちている。展開がないっちゃないんだけど、うん、アートですよアート。ありですよ、こういうの。俺、全面支持。
 ■アバター■ ほんとつまんなかったです。ろくでもないハリウッド大作の見本ですね。いや、ビジュアルは良かったですよ。空飛ぶとことか。3Dで観たらさぞかしだったろうなあと。でもああいう良さはハリウッド大作である以上当たり前だし。当たり前すぎて意外感全くないし。ああいう職人芸だけじゃなくて、変わったことをしてほしいわけよ。それがこの映画には無い。ほんとつまんなかった。クリーチャーが何種類も登場したんでその点は文句ないんだが、ごく平凡なファンタジー×アドベンチャーって感じで、ただ心地よ~く見続けられて「はい、ありがと」ってもん。いや、貶しちゃってるけど観てる最中はぐーっと引き込まれてたのよ。クリーチャーだけじゃなくて森が炎の海と化すシーンなんかも素晴らしかった。ことごとく素晴らしすぎる。だもんでなあんにも残らない。意外な要素一つもなかったのがマイナス要因よ。クリーチャーに戻ると哺乳類系・鳥系に偏ってたのも不満要因かな。異形をくれ異形を。
 ■ノウイング■ またかよ、このハリウッド家族愛パターン。オヤジがウザすぎるよ。ハッスルしすぎ。まあビジュアルは不満なし。とくに至近距離での飛行機墜落シーンは迫力あった記憶が。
 ■ステルス■ おいおいおいおい、とツッコミを入れようとして入れる暇がないままぐんぐん引きずられていっちゃった。そんな後味ですな。って実はだいぶ前に観たからよく覚えてないんだけど、なんか北朝鮮の部隊長っぽいのが一人頑張ってたよなあってのと、ラストでステルスが豹変してヘリに体当たり!ってのがえーっヘリ一台と差し違えるなよ~ってもったいない気分だったのが記憶に残ってますわ。
 ■ソサエティー■ 噂の人体裏返しシーンはさすがにオモグロかったけど、あれがいずれ出てくるんじゃないかって伏線的な「顔内側からわしづかみシーン」が演じられてたよね。ラストのフルバージョンまであんま小出しにしないほうがよかったのではと。本番の完全裏返しシーン、控えめだったけどもっとぷつぷつと泡立っているような体温感じさせるビジュアルがほしかったなあ。
 ■ゼイリブ■ あのエイリアン、案外無害なんじゃないか? 知らぬが仏で。黒人のダチと長々と喧嘩するシーン、いい加減にしろよと思ってたら巷によく知られた顰蹙シーンのようですな。何か確信犯的狙いがあったのだろうか? つか主演がどうやらプロレスラーってことで、デモンストレーションってとこかな。ほんとにバシバシぶっ倒れてるしな、痛そう。たしかに体張ってるよ。しかし喧嘩のモトが「メガネかけろ、やだ、かけろ」じゃなあ……お笑いネタにしてもちょっと……。もうちょい説得的な原因考えてくださいよ。
 ■プラネット・オブ・エイリアン■ チャチきわまりない広場のケンカ的スケールで「地球を救う」って言われてもなあ。だけどいいんです、面白かったから。
 ■CE4 エイリアン・アブダクション■ 最後のネバネバピロピロんとこだけよかった。極彩原色のあのセットはなかなかのものでしたよ。そういえば女の子あと二人、殺されずにさらわれたっぽいんで、全員の植えつけ場面見せてくれたらよかったのに。一応一瞬ですが奥歯フェチを喜ばせる絶叫シーンあります。ただし男の部は飛ばして見ましょう。
 ■DEATH NOTE■ ゴチャゴチャ規則が複雑で入り込めねーナー、ゲーム的に効率よくシンプルにしようョと原作読んだとき思ったけど、映画でも同じですね。あと世界規模の大量殺人事件なんだから、関係者がみんな日本の狭い地域に集中してるんでなくてもっと国際性持たせなよ、と原作読んだとき感じたけど、映画でも同じですね。あと原作より性急なテンポというか、ろくな試行期間なしで罪のない人々をむやみに殺し始めるのはどうなのかね。捜査本部に入りたいがためにガールフレンドを殺すっての? 軽すぎますって。キラが「幼稚」って形容が前半出てきたけど、あれじゃあ映画全体が幼稚になっちゃうんで。「先に書いたほうが勝ち」的ルールを利用した解決法はナルホドだけど、どうもカタルシスに欠けるね。ま、かなりつまんねー部類の映画でした。
 ■ウィッシュマスター リダックス■ 三つ目の願いをどう按配してジンを撃退するのかと思いきや、あららら……、単に天使の剣で刺して退治かよ。なんてつまらない。第一作が結構面白かったもんだからただひたすら最後の願いを楽しみに観てたのにい。
 ■ロスト・ヴォイジャー■ しょっぱなの宇宙船の事故シーンのCGで「うわあ、ダミだこりゃ」。あのアンテナの折れ方はないでしょう。
 ■下町エイリアン パピピピプピ■ 何だよ、もっとラディカルなナンセンス系なのかと思ったよ。期待させやがって。ただの類型的な人情&熱血パロディか。面白くねえよう。あんまギャグもないし。下町だけ宇宙に飛ばしてどーすんのって、いやそれだけじゃナンセンス系は気取れないよ。子ども向けって感じのCGでもなかったしなぁ。なんだったのこれ。

パラサイト系9

2011-03-19 04:23:00 | モンスター映画
 ■ダスク・オブ・ザ・デッド■ これはよいっ! こういうのを待っていた! 素晴らしすぎだよ、胴体ガクガク、手足それに首まで逆関節カクカクじゃないか。そうだよ。ゾンビはああでなきゃいかんよ。ただ人間がふらふらさまよったり走ったりしてる巷のゾンビ映画は大いに見習えよ。ってこれ、ゾンビ映画じゃないんだよね。タイトル見たときゃてっきりゾンビ映画かと。しかし冒頭の襲撃シーンで「おっ、非人間型モンスター!」って期待が。正確には非人間型だったかどうか微妙なところだが(だって本体結局姿現わさないんだもん)、あのトゲトゲズブズブはもう十分異形モンスター。うっれし~よねぇもぅ。そもそも最初に異変を見せられたガソリンスタンドにカージャックの車が乗り入れる、ってほんと、ツカミとして最高じゃないですか。カージャッカーの悪人二人がまた微妙なキャラしてて。女はすぐ殺されちゃうけど、彼女を助けようとする男がすっかり被害者二人を信用してコンビニの外に出てくとこなんざ、そして被害者側の女が男の反対を振り切って締め出そうとするとこなんざ、チャチながら人間ドラマが加わっちゃってるじゃないですか、ただでさえおっかないモンスター話にさぁ! しかし後半の体冷やしてどうのこうのは要らなかったね。ありゃちょっと考えすぎでしょ。あのモンスターに対峙するには人間側はしっかり跳んだり跳ねたりできる最高コンディションでいてくれないとおもろうないし。花火だけで十分だったよ。まあそんなつんのめり箇所がありはしましたが、窓に扉に顔面体当たり(おっかないよぅ!)とか、物体Xばりの走る手首(おっかないってばぁ!)とか、もう最高ってんですわい。トゲトゲだけじゃなくて粘液も触手っぽいのもちらつかせてくれたし、人体侵蝕しまくりだし、贅沢言えばもっと全体がハッキリ見えたら言うことなしだったなとか、飛び入りの女保安官がズダボロのウルトラ惨殺されてくれたのが(なんせ半身残したまま屋根に引っ張り上げてそのあともズブズブですたい! たまんね!)スッゲーお得感だったけど立て籠もり3人って人数考えると最後二人も生き残る必要あったのかよとか、まあいろいろありはするものの、うーむつくづく正道を押さえつつ個性を出し切った、紛れもなく傑作ですっ。
 ■スリザー■ 『デッドリー・スポーン』と『ポゼッション』と『ソサエティ』を合体させたようないいとこどりモンスターですな。つうかモンスターたち。一種類なんだろうけどいろんな形になってたなぁ。人間ゾンビはもちろんゾンビ犬も活躍してくれましたし。複雑な動きをするニュルニュルだのネバネバだのズタズタだのの大乱舞ですがCGがよいのでしっかりハッキリ見えて私大喜びです。人体破壊描写が優れているのがこのジャンルとして優良見本でしたわ。しかし……、しかしね、観てからあまり時間経ってないのに、どんな展開だったかほとんど憶えちょらんのよ。「いかった~」て印象だけは残ってるんだけど、ストーリーだの人物だの事件展開だのほとんど記憶に残ってない。さーっと右から左ー抜けて残らずオシマイ、的作品。数値的な出来はいいけど質的に平凡なモンスター映画だったってことかな。とにかくもいっぺん観とこっと。
 ■AVP2■ とにかく画面が暗いのね。環境の暗さってのは画質ほんとに暗くすること以外でいくらでも表現できるんだからさ、なかなか迫力ありげだったバトルをしっかりくっきり映してほしかったっつんです。しかし今回はプレデターも人類としっかり距離とってくれてて、エイリアンvsプレデターvs人間の三つ巴バトルが実現されてて納得できました。なんせ前作ったらプレデター・人間組対エイリアンって構図に成り果てていたものなあ。今回はエイリアンもプレデターも見境なしに人間殺しまくってくれましたわ。あ~よかった。
 ■スコージ■ パラサイトの造形はスッゲーいいんだよ。女のヘソからねじねじ潜り込んでくとこなんぞもう、しかもあのバッタとエビとサカナを合わせたような『ヒドゥン』路線のパラサイトだろ。たまんねーです。外に追い出してハサミで掴んでくれたおかげで全身が拝めましたと。そのぶん『ヒドゥン』を超えたよね。しかしなあ。ラブアフェアがうざったかったなあ。こっちはモンスター見れればそれでいいんで。てか人間だけのシーンはいいかげん端折ってほしいんで。パラサイトの正体についていろいろ調べものするとこもかったるかったな。警察からの不必要な逃げ隠れも時間ばっかとって鬱陶しかったな。ああいうドラマ部分は掃いて捨てるほど作られてきてるんだからもっとこう、この映画ならではの個性的なパラサイトのビジュアルで勝負してほしかったよ。って、予算の都合があるからしょうがないか。人間どうしのグダグダに時間かけないで90分フルにモンスター出したら金が続きゃしないんだろね。ああ悲し。それにしてもナイスなパラサイトの出番せめてあれの2倍くらいに増やしてほしかったよ。ま、保安官の腹にかぶりつく前にカメラ目線でグワッと牙ズラリ大口開けてくれたサービスに免じて及第点とすっか。
 ■エイリアンゲイト■ ほほう。宙に浮いたドゴラ状物体。あのビジュアルはよかったものの、あとはどうも暗すぎて……。異空間から一瞬でドアの外、って距離感の無さもシラケのもと。第一の犠牲者の女がガバッと窓めがけて血を吹くシーンでは「うおっ」と期待満タンだったのですが、あとはどうもチマチマし続けだったかな。でもあの血吹きシーンだけで観賞時間の甲斐はあったな。
 ■エイリアンノイド■ こんだけストレスの溜まる映画も珍しいなあ。のっけからナイスな幼虫が登場してくれるのでどんなすっげー巨大成虫が……、ってわくわくし続けてたんだけど。まあなんちゅーか人々の行動が支離滅裂。元妻からの電話があっただけで市長の血液そっちのけで、ってのはどうなの? それとせっかくDNAいっしょにいろいろやろうとしてる味方エイリアンに無断で敵地に乗り込んだりとかねえ。それになんなの、ラストのあのヘボイというか御都合主義な爆発は? 敵だけ選択的にぶっ飛ばして宿主人間はみんな無事かい。幼虫が腹から出てくるところとか、そのほかCGは合格点。ビジュアル良し、ストーリー支離滅裂って感じだね。ま、イモムシが良かったんでモンスター目当ての私としちゃ及第点の作品と言うべきなんかな。
 ■ミートボールマシン■ 古傷のはずなのに生傷的外見だったところ。あそこさえしっかり作ってくれてたらなあ。あら探しするようだけど。

未練・怨念系5

2011-03-14 02:21:00 | モンスター映画
 ■憑依hyoui■ これは怖い……! なんだか知らないけど怖い……。どうして怖いんだか。なんともわかんないとこが怖いね。設定も普通なのにねえ。因縁が子ども時代の朧気な、というか自ら抑圧した記憶に関係してるとこが怖いのかな? あるいは妻を演じてる女優がえらくそっくりなのが「ゾクッ」ときたのかね、俺個人に対し。あ、そっくりって、私が昔せっせとストーカーしてた対象になんだけど。いや、ストーカーって、絶対悟られないよう、迷惑かけないよう注意してやってましたんで。昨今のストーカーとは違うよ。でもあの女があの顔で憑依されちゃうんじゃリアルすぎるってもんだよね。猫が殺されたり。顔の見えない父親の正体不明ぶりが作品全体にじわじわ染み込んできたり。そのわりにほとんど男の一人芝居も同然のシンプル構成だが、やっぱ大勢がギャアギャア騒ぎまくるのはホラーじゃない、ただのエンタメだってこと逆照射してくれてるね。ホラーって結局リアルなのが怖いんだな。ってこともわかったのが収穫でした。文芸的ホラーの貫禄ありです。とにかくすみずみまで染み込んでるのね、恐怖成分が。風呂場の水音とかもいちいち怖かったす。
 ■モンスター・ハウス■ 私は支持するよこれ。面白いよ。かなり面白いよ。冒頭から自転車の女の子がアホ可愛くて笑えたよ。すげーよ、いいよこれ。出来上がってますよ隅から隅まで。職人芸の模範だよ。いーよいーよばっか言ってても埒あかないけど、ほんとなんも考えずに見るに最適よ。でも住んでるおっさんの曰くありげ感が強制的に考えを誘うのね。強引に誘うんで、自ら考えなくていいの。子ども向け特有の快感だなあ。癒されるわ。おっさんが突如しんみり系に変化するのもツボですし。とにかく俺、こういうの大好きです。子どもらの結束も俺ら大人からみて懐かしさ満点だし、CGも素晴らしかったし、最後は家そのものがまるで怪獣だなんて。大賛成です。こういうのもっと観たいなあ。こういう作品バカにする人が多いみたいだから、ここで私はとにかく全面支持を表明しときます。
 ■ひきこ■ つくづく思った。CGアニメって、やっぱ顔の表情作りが不得意なんだな。振り向いたりする動作の描写もね。つまり人間を描くのがダメッてことだ。しかしあのギクシャク感がホラー的には有利に働いてたっぽいかな。実写の自由自在の恐怖顔よりも、CGの自発性を欠いたような神経麻痺っぽい表情って、そう、人形が怖いのと同じ理屈かね。肝腎のストーリーは結構うまく出来てて、お隣さんの児童虐待ぽい悲鳴や怒号に聞き耳立てるのに、なんで壁じゃなくて襖?って違和感合ったんだけどそうかい、そういうことだったですかい。ジャンルが怨念系から一挙にサイコ系に反転しましたな。でも結局あのずぶ濡れ女(あれが「ひきこ」?)何だったの? 「お姉ちゃん」って言ってたけど主人公の守護神っぽい役回り? それとも無差別の殺人鬼だったのかな? ちょっとわかんねーや。わかんねー方がいいんだけど。それとあれだ、脳天気な教師が殺されるとこは絵で見せてほしかったなあ。それとその直前のネコに関しても。あそこだけ実写にするとか。とにかくあの展開、サイコミステリーの傑作と言えるんじゃないかな。絵的には物足りなかったけどな。
 ■ラブリーボーン■ あれっ? 変だな。まるっきりフツーだぞ? ピーター・ジャクソンだってんで期待しすぎたかな。『第9地区』でも同じ「普通の映画だなあ」を味わわされてもうそこそこ納得せざるをえなくなったけど、これ観た頃はまだまだ不満が残ったよ。なんでPJがこういうのを?って。ファンタジーとサイコパス系のあいのこだけど、だったら『乙女の祈り』みたいな危ない感じが切実にほしいしさ。案内役のアジア系の少女がドブスだったのは残念。いや別に残念ってことはないが、しかしもうちょっとアジアンビューティーに近づけてもいいでしょうとか。ま、主人公自身がウエスタンビューティーじゃなかったんで仕方ないか。それにしても犯人に復讐するわけでもなく家族へのメッセージにリキ入れるわけでもなく、結局はボーイフレンドのことだけか。ところで犯人の死に方、あれでいいと思いましたけど? 世の中そうスッキリとはいきませんや。世の中あんなものだ、って進化論的真実を伝えてると子は評価できますな、この映画。あと三途の川的成仏直前風景がかなりスペクタクルだったこと。
 ■心霊写真部■ けっこう怖かったよ、俺はこれ。面白くて怖い。怖いのは「壱限目」の「心霊プリクラ」と「弐限目」の「落ちる女」だね。すべての話が続いてるから他の4つのエピソードも貢献してるんだが。「心霊プリクラ」のメイクと胴体切断はあれ相当うまい出来だよ。「落ちる女」は墜落テレビマンのゾンビ死体はお笑いだったけどストーリーが秀逸。霊は自分と関係ない人の不慮の死によっても活性化するってアイディア、真新しくないかもしんないけどここでは効いてた。壱限目では部員のふたりが大変なことになっちゃうパターンでそれが楽しみになったんだけど2限目ではそれがなくなってチョイガッカリ。逆に最初の頃は戸田れいのセリフがきゃんきゃんうるさかったけど後半は慣れたといううか気にならなくなった。3人がレギュラーにありがちな無意味な掛け合いに耽るようなこともなくわりと淡々と事件に向かっていく姿勢も好感度高し。それとところどころわかんないシーンがあってそれが思わせぶりで効果的だったんだが、例えば「うしろの手」でリスカ少女を救いに自宅に行ったとき母親がすごーく怪訝な顔したの何で? なんか意味あったのかな? そのあと二階で大騒ぎになってるのにあの母親全然見に来なかったしね。ま、あのへんはどうでもいいか。しかし根本のところでは、主人公の女子がべつに霊感強い設定じゃないのに入部以来やたら霊を見るようになったのはどうしてなんだか。他の2人には見えないときにね。だもんで、いつも屋上で話す女子が「こいつたぶん霊だな」ってのは最初から見当ついてたけど、「弐限目」のラストでそのオチが明かされながら、事情は伏せられてたなあ。このシリーズ、まだ続くのかな? なんか中途半端な終わり方だからね。しかし「マスク殺人鬼」ってこのドラマに必要なの? 屋上の女子が霊だってのは俺の予想当たったし、「黒いおともだち」でおねえちゃんがほんとは母親なんじゃね?って予想も的中したんだけど、そ、普通に観てれば予想通りの真相が明らかになってくってタイプの知的パズル的面白さのあるドラマなんだけど、このあと続編が出るとして、部長がマスク殺人鬼でした、ってオチだったら承知しねーぞ。それっていくら何でも安易だからね。
 ■ブース/Booth■ 幽霊なんかどうでもいいって感じだな。リスナーとのやりとりだけで引っ張ってほしかったよな。だってそっちの方が面白いんだもん。新人女子アナの豹変というかツッコミというか、かなり不自然なんだけど生還した先輩とすでに連絡取り合ってて、みたいなリアルな解釈しちまった。つまり霊なんてど~でもいいってこと。霊端折っちゃえばもっと面白くなったのにな、たぶん。不誠実男の自滅物語に徹して。あ、だけどほら、電話コードの絡みが首吊り縄思わせるあたりとか、収納の扉が何度も自然に開くとことか、何気なしーんが怖かったよな。ってあれも霊とは関係なかったか。
 ■プレイ/Pray■ 前半はものすごくよかった。女の子を誘拐して暗い廃校舎に連れ込んだナラズ者男女二人組が逆に被害者っぽくなるのっけからの展開は素晴らしい。しかし後半がねぇ。妹の霊と失恋女の霊がたまたま同じ場所で別々に活動してるってそれ、まあ展開としてアリなんだろうけど、それと最初の電話での「娘は死んでます」って親の返事だけど、あれ、あっちのえーと安田っつったっけ、女と2人で芝居なんかする必要ないっしょ。通話2人でしてるんだから。それと前半含めて、ピアノの音やスピーカーでのいたずらで効果出そうってんだから、BGMは無くしとくか最小限にしといてよ。ドラマ中の音なんだかBGMなんだか紛らわしいっつのよ。ともかくナラズ者青年らの間の裏切りやら何やら絡めすぎてせっかくの前半の異様なムードが台無しッてほどじゃないけどかなり薄まっちゃったぃ。ミツルの死に際の、妹との再会シーンも長すぎる。くどい。センス良くても通俗パターンに負けて駄作へ。こういう映画もあるんだなあ。妹の事情がもっと伏線的に知らされていればもっと印象よかったのかもな。むしろ霊媒に頼ってた夫婦の娘があの女の子じゃないってのがメインだったのかな。ま、ちょっとなんというか、始めの方のムードでずっと統一してくれてたら高得点だったのになの巻でした。「ウザイ……」って呟きはラストちょっと引き締めてくれましたけどね。
 ■デス・トンネル■ おいおいこれはズルいよ。広い意味での威かし系なのね。いきなりドカン、って。ま、私は威かし系を全面否定するものではありません。うまく作ってあれば十分評価すべき手法だとは思います。しかしこれはねぇ。現場の出来事に威かされるわけじゃないんだよね。カットバック、フラッシュバックでいきなり映像変わってビックリさせるのね。現場が急変してるわけじゃないじゃん、ただの編集じゃん。困るんだなあ、そういうのは。ただの光と音のマッサージショック療法みたいなもんだよ。で、話の持ってきかた自体はいいと思ったな。女の子たちの廃病院への移動の様子も省いていきなり本筋ってのも効率的だし、適度に意味わからなくしてスタイリッシュにさっさか進めていくとこも観てて快感。しかしカットバックがしつこいもんだから飽きてくるんだよ。「あ~あ……」って退屈してくるの。退屈しながら漫然と観てたせいか俺、最初の女がいつ殺されたのかわかんなかったよ。どうも階段のとこの首吊りの映像がそれだったんだな。てっきり昔の情景のフラッシュバックかと思ったんで。というふうに「現場で何が起きているのか」について混乱するほどに映像処理しまくってるんで、ストーリー重視の人は厭ンなるだろうなこの映画。ビジュアル重視の俺ですらうんざりしたんだから。
 ■都市霊伝説 霊視学園■ こいつもやたらカメラアングルと画面編集が凝ってたっけなあ。ストーリーもそれと同じくらいスタイリッシュだったらよかったのに。しかしこのドラマ、どっかで観たことあるような気がするんだなあ。たぶん観たんだろうな。しかしだいぶ前に観たような気がするんだよ。これ最近の作品だよね? 変だなあ。何かをパクッたのかな。先公が犯人でしたー、ってのも察しがついてたし。先公がヒロイン追い詰めるとこの呪怨的処理はいくらなんでもしつこすぎるよ。「私、実は殺されてました……」ってラストもたしかにどっかで観たんだよなあ。ま、いいか。
 ■リング■ むかし映画館で観てこんどDVDで観たのだが、ま、こんなもんかと。呪いのビデオをすぐ信じちゃって「あと何日しかない、あと何時間しかない」って離婚カップル二人で騒ぎまくるのが無邪気というか。井戸も二人だけで掘りなさんなよ、ふつう警察に言うでしょ、死体があるとなれば。どうしてもこういうホラーって警察呼ばないで自分らだけでがんばっちゃうけど、警察はもっと気軽にコキ使ったほうがいいよ、みなさん税金払ってんでしょ。原作はとてつもない傑作だったんだけどね。
 ■らせん■ むかし映画館で観てこんどDVDで観たのだが、ま、これもこんなもんかと。
 ■リング2■ えーと正直忘れちゃったよ。どういうのだっけ。
 ■リング0 バースデイ■ 自警団組んで山狩りなんて、明治時代の田舎じゃないんだから。劇場の中でああいうことが起きてるんだから、いくら何でも警察来るでしょうよ警察。貞子が二人に分かれた、って何? お母ちゃんの霊や鏡像をときどき出したりして、なんか因縁話を躍起になって作り上げようって努力が涙ぐましい。結局なんとか博士が貞子を井戸に突き落とした顛末ってたったのあれかい、てな感じ。あんだけ人がバタバタ殺されたあげくの「あれかい」的印象だから、やっぱ因縁話は隠しといたほうが正解、てことね。おどろおどろしいしがらみかと思いきやただのアクションでないかい、みたいな。
 ■あそこの席■ 怨念系でやりたいのか、サイコ系でやりたいのか、どっちも中途半端で終わっちゃったって感じですね。すべてが中途半端。ピアノに挟んで殺すシーンが2回もあるんだから、どっちかで思いっきりグロを展開するとか。いろいろやりようあったでしょうに。そもそもサイコ母子の言うなりに殺人を重ねてる高校生3人(4人か?)ってのがようわかりまへんな。何の義理もないでしょうに。それに2年足らずで3人も殺す連続完全犯罪なんてリアリティなさすぎですって。せめて幽霊をもっとおっかなく作ってくれてたら。そうそう、色ボケ教師の部で後半盛り上げる手もあったのになんであそこで止めたかな。「ワタシノセ……トラナイデ」のつまんない語呂合わせ(苦笑)に自己満足しちゃったかな。
 ■怨霊 鬼気迫る女の呪い■ チンタラチンタラ進むAV系E級ホラー。タイトルでわかるっちゃわかるんだけどストーカーものかと思いきや怨霊もの、それとこっちへのストーカーかと思いきや実はあっちへのご執心、って意外感はなかなかよかったんでないかな、脚本。しかるにそのアイディアだけで力尽きちゃったか、投げやりなラストったら。ベケットの舞台じゃないんだからさ……。
 ■忌み嫌われる家■ うっひゃー、クリアな映像だねえのっけから。そ、チープな意味でね。みるからにセットって感じのインテリア。本格映画作品じゃないってことがすぐわかる。テレビか、OVか。男女が歩くとボコボコいってるじゃんよ、どー見てもラブクラフトの舞台じゃないね。よかったのはBGMくらいかな。なんか抑えめのコーラスとか、いい雰囲気出してます。あくまで雰囲気だけなのな。タイムスリップ的フラッシュバックの準パラレルワールド設定、うまくやればゾクゾクものだったのになあ。だけどところどころ一応ギョッとさせられます。にーさんがガバッと壁ン中に連れてかれるシーンなんか、一瞬だけど「おっ?」と乗り出しちゃったもの。全部ああいうデザインで通してくれてたらなあ。やたら血ぃ流す場面は全部要らないから。あそうだ、この作品、あのポケモンのチカチカが駄目な人は要注意ってことで。
 ■オトシモノ■ あらーだめだなこりゃ。最初の20分くらいは「これいいかも!」と期待満々で見てたわけ。CGもちゃんとした使い方してるし電車止めたりそこそこ手間かけて作ってるな、と。しかしそのリキの入れようも結局はアイドル定位だったことが徐々に判明。類型的もいいとこの反応の羅列、ありえない背負い込み路線(警察に任せろ警察に!)、意味の薄い「女の友情モード」が無駄に時間費やしてベタベタのBGM込みでホラームードを寸断、ああなんとも困ったもんだな、さほど可愛くもないアイドルのためにこんだけ映画をぶちこわさにゃならんとは。ってあのヒロイン俺知らないんだけどどんだけのもんなの? あんま個性感じなかったけど。運転手との間の「じゃあ一人で行く」「待てよ」……定型も定型、見ちゃいられないパターンの羅列はよくもまあ。で、ストーリーは結局どゆことだったの? 「返して……」って何を返せって? ちいともわかりまへんよ。赤ん坊への未練かと思いきや自分の孫殺してどうすんだって感じだし。持っていきたかっただけ? ってそもそも最初に線路に引っ張られたのは何で? どーせ因縁の説明放棄すんなら始めッから理屈無しでぶっ飛んでろっての。あとさあ、話前後するけど、あんなハッキリ映ってる「黒い女の影」、さすがにアイドルがわめくまでもなくみんなちゃんと見えててくださいよ。