和歌山県の橘本(きつもと)神社で「菓子祭・全国銘菓奉献祭」
田道間守(たぢまもり)は,垂仁(すいにん)天皇の命を受けて常世(とこよ)の国より非時香菓(ときじくのかくのこのみ,橘)を持ち帰った。この功績をたたえ,田道間守を果物と菓子の神様として祀(まつ)る神社は全国に10余ヵ所あるといわれている。
代表的な神社は兵庫県北部にある豊岡市の中島神社,太宰府天満宮(福岡県)の中島神社,佐賀県の伊萬里神社,紀伊国屋文左衛がみかんを積んで船出したという伝説の地にある和歌山県海南市下津町の橘本(きつもと)神社などがある。
お菓子がなかった時代には,橘の実を加工してお菓子として食べていたことから,田道間守はお菓子の神様ともいわれている。橘本神社では,毎年4月3日に「菓子祭・全国銘菓奉献祭」が行われ,全国各地のお菓子屋さんより,和菓子,洋菓子,飴菓子等の色々なお菓子が奉納される。また,毎年10月10日(体育の日)には「みかん祭」が開催される。
ところで,昭和17年(1942),田道間守をたたえる歌詞(「田道間守の歌」)が当時の小学校であった国民学校の「初等科音楽」(国定教科書)に初めて掲載される。
1 かおりも高いたちばなを
積んだお船がいま帰る
君の仰せをかしこみて
萬里の海をまっしぐら
いま帰る田道間守 田道間守
2 おはさぬ君のみささぎに
泣いて帰らぬまごころよ
遠い国から積んで来た
花たちばなの香(か)とともに
名はかおる田道間守 田道間守
この歌を兵庫県豊岡市の中嶋神社で小学生が歌っている貴重な録画をyutubeで聞くことができる。