今日は、退院してから4回目の検診だった。
CT検査は3ヵ月に1度なので今日は、尿検査と日々の血圧報告
それと体調の報告のみ。
尿にたんぱくは下りていなかった。
血圧もまだ少し下の下がり具合はよくないが、前回よりも落ち着いてきた感じ。
腰の痛みや変わったことがないかなど簡単な質問に答え
診察は終了。
会計を済ませ
いつものように入院中に仲良くしてくれていた膀胱癌で入院中の
Oさんの病室へ向かった。
今朝、家を出る前にOさんの娘さんにメールしてみた。
「今日、検診で病院に行くのですが、お母様の体調はどうですか?
体調が悪くなければ、お母様に会いに行こうと思うのですが。」
メールの返信は、私の診察が終わっても来なかった。
家事などで携帯が手元になくてメールをまだ見てないのかな?
そう思ってエレベーターのF6のボタンを押した。
病室は655室
4人部屋
私が入院して手術を受ける前の部屋だ。
窓際の右側のベッド。
カーテン越しにTVの電気がついているのがわかった。
「Oさ~~ん!!」
声をかけてカーテンをそっと開けた。
ベッドには誰もいない。
TVがつけっぱなしのまま・・・
お手洗いにでも行ったのかな?
4月の10日過ぎに退院する予定だと先月Oさんを訪ねた時に
Oさんの付き添いをしていた娘さんから聞いていた。
先月より良くなられたんだ!
なんだか嬉しい気分だった。
部屋に一番近いトイレを見たが、誰も入っている気配なし・・・
病室の前の廊下で立っていると入院中にお世話になっていた看護師さんがいた。
看護師さんは、私に気付いて
「あ!そらさん!」
と声をかけてくれた。
「Oさん、どっか行ってるんですか?部屋のTVがつけっぱなしなんだけど
ベッドにみえないのでお手洗いか何処かに行かれてるのかなぁ~?って思って」
看護師さんの目が一瞬にして暗くなった。
「Oさんね。。。亡くなられたんですよ。」
頭が真っ白になった・・。
看護師さんの話では、Oさんは1週間ほど前に亡くなられたそうだ。
最期は苦しまずに穏やかに娘さんにも看取られたそうだ。
先月には1度、外泊許可をもらって家に帰れたらしい。
私がお見舞いに行くと
入院中、いつも私に「早く家に帰りたい・・・。」と漏らしていた。
先月の私の通院日にOさんに会ったのが最後になった。
別れ際、
「来月は10日に来るよ!それ迄もっと元気になっててよ。一緒に院内にある喫茶店へ行ってコーヒー飲もうね。約束やよ。」
そう言って別れた。
Oさんは、頷きながら泣いていた・・・。
こらえきれなくなって看護師さんの前で泣いた。
看護師さんに私の身体の調子はどうかと訪ねられた。
元気で仕事復帰もしていることを伝えた。
看護師さんと別れ
泣きながら病院の中を歩いた。
「一緒に喫茶店に行こうね。」そう約束したのに・・・
入院中、Oさんに誘われて喫茶店へ行った。
Oさんがモーニングのトーストとコーヒーが美味しい!と
喜んでいた顔が浮かんだ。
私は、Oさんに自分の母親を重ねていた。
病気の事を自分の両親には内緒にしてあったし、
病気で入退院をくりかえしている両親だから、たとえ私の病気を知らせたところで
お見舞いに来ることもできなかっただろう。
そんな私にOさんは、いつも優しくて
不安な時に
「大丈夫!あんたはいい子やもん。絶対に良くなるし、腫瘍も良性に決まってる!」
いつもそう言ってくれた。
腫瘍が悪性とわかった時も
「大丈夫!手術でとったんやから元気になる!」
そう励ましてくれた。
退院する時も退院してからも
「絶対に無理したらあかんよ。」
と言ってくれた。
お見舞いに行くと、
いつも私の手を握り
「あんたの手は、あったかくて気持ちええなぁ。癒しの手や。」
「あんたは、優しいなぁ。来てくれて嬉しいわぁ。また来てや。。」
と決まって私が帰るねと言うと泣いていた。。。
もし母が元気で私に会いに来ていたら、Oさんのような言葉をかけてくれただろう・・。入院中、そして退院後もOさんは、母のようだった。
Oさん、
もう痛みもなく苦しみもなくなったね・・。
よく頑張られましたね。
いつも優しく接して下さってありがとうございました。
ねぇ、Oさん一緒に看護師のY君をからかったりして面白かったね・・・。
Y君真っ赤な顔してたよね・・・。
手術前、手術後、不安だらけの私を勇気づけてくださって本当に有難かったです。
どれだけOさんの存在が心強かったことか・・・。
きっと、今は痛みも苦しみもない世界で元気に優しく微笑んでらっしゃるんでしょうね。これから、ひと月に1回の検診日の後にOさんに会えなくなると思うと寂しいし、何だか心細いよ・・・。
「あんたの手は、あったかくて気持ちええなぁ。癒しの手や。」
そう言って私の手を握った時の小さなOさんの少し冷たい手の感触・・・。
Oさん、
もしかしたら、病室で私が来るの待っててくれたの?
TVつけて元気だよ!って
歩けるようにもなったよって・・
それとも
病室を私が覗きに行った時、別の人が居て私がガッカリしないように
気をまわしてくれたの?
御茶目なOさんの仕業だったの?
粋で御茶目で可愛らしいOさんらしいね。
ふと、そんなふうに感じたら嬉しさと寂しさで余計に泣けた・・・。
友達でもあり、戦友でもあり、母でもあったOさん。
最後まで本当にありがとうございました。
どうか安らかに・・・。




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