日本人としてのアレ。

通りすがりで会ったなら、その出会いを大切にしたい

『輪廻転生支援センター』

2011-03-30 | 曼荼羅タイト
あ、俺って死んだのかな?と思うのに、そんなに時間はかからなかった。

自分のいる空間が暖かくて気持ちいい。

見た事のない様な、らせん状の植物が生え、川に流れる水にはキラキラと輝く成分でも入っているのか?

水を見るだけで眩しい。

空を見上げても太陽はなかった、空は青くなく、ただ白い。

遥か彼方に見えるけど、手を伸ばせば届きそうな、なんとも言えない距離感。

見渡す限りの野原に、人がごった返している。

人混みは苦手だが、ここでは悪い気がしない。

皆、ここに居る目的は不明だが、誰一人として不安な顔をしている人がいない。
むしろ、心地よさそうだ。

初めて見る植物に目を輝かせている女の子がいた。

数十分後に、明らかに異質な奴が現れた、どこからともなく。

ストライプのグレーのスーツに水色のネクタイ。
形こそ人間であれど、人間ではない、そこにいる誰しもが理解出来た。

すると男の形をしたそいつは、とても人間の肉声では出せない様なとてつもなく大きな声でこういった。

『ここにお集まりいただいた方は、今回の東北沖地震やその関連で亡くなられた方達でございます!』

野原に集まらされた一万人以上の人達は混乱する事もなく、ただ聞き入った。

『今から、今回の災害が起きた経緯と、皆さまの今後について御説明させていただきます!』

水色のネクタイの男は、一時間弱話した。

今回の震災が、ただの管理側のミスで起きたもので、運命でもなんでもなく、宇宙レベルの事故だったと言うのです。

それを聞いても、一万人以上の僕達はとくに混乱する事もなく、説明を最後まで聞いた。

と言うのも、地球の管理者側のミスなので、これからドンドン輪廻転生させて行く事が決まったらしいのです。

管理者側も、今回の一万人以上の死者については、想定外で。
正直、日本人に対する災害への対策の無知にも多少触れていました。

今後2年をめどに、地球に還していくと決められたそうです。

輪廻転生についても特別待遇で行われ、産まれ落ちる先を指定できるシステムになっているようで、本来地獄に落ちる様な人間も、今回は、地獄はスルーで輪廻転生出来る様なのです。

アンケート用紙に色々と、人種や職業、次に死ぬまでのだいたいの構想を記入いたします。

それに、無理がなく審査を通過すると、ドンドン産まれて来ます。

一応、一つだけ規則がって、『オギャー!』と産まれた時には、ここでの記憶は全て消されることになっています。

全ての人が、それに同意し「無理のない来世計画」をたて、着実に一人一人、地球に帰って来ている模様です。

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