Thinking of you

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アレキサンダー

2005-02-27 19:48:28 | 映画
実は、面白くなかったという感想を一人の人からもらっていて、それ以外の人は見ていないという映画。
時間と安いチケットが手に入ったので果たして?といった感じで見に行きましたが、普通に面白かったです。
歴史が分からないので歴史的検証とか言われると困るのだけれど、名前しか知らない「アレキサンダー」は本当に普通の人間であるということに納得した。
彼が幼い頃から死ぬまでの、お話である。
あそこまで、見果てぬ地を目指したのは彼の育った環境のせいだと思う。
死んだ父の夢を、更に彼を乗り越えるために東へ東へと領地を広げる旅をする。その一方、まるで母親の呪縛から逃れる旅にも見える。
彼の目指した東と西との融合は、単にいい訳に思えた。
彼は唯、飢えたように「何か」を探して生きてきたのだ。その「何か」を分からぬままに。
ある意味それは悲惨でもあるが、なまじ権力があったせいで部下はいい迷惑だと思うのが本音だ。
彼の最期は納得できるものがあり、何故、もっと早くに……という思いが無いわけでもない。
彼は死ぬために生きてきた。
死ぬことを求め、死に場所を求め生きてきた。
死ぬことに恐怖しない人は、強い。だが、それと同じことを部下や他人に求めることは間違っている。
そして、死ぬことを恐れない人間よりも、死ぬことを恐れる人間のほうが実は遥かに強いのだ。
彼は偉大な英雄になることを望み、歴史に名を残すことを求めていた。それは、神話の世界アキレスにも同じことが言えるのだが、如何せん、相手は神話上の人物だ。
思うに、偉大なことをしたいと思わない人間のほうが、逆に偉大なことするのではないかと思う。だからこそ、彼は焦り過ぎたのか。
登場人物は豪華。予算もふんだんにあり、巨匠オリバー・ストーンの作品である。三時間を長いか短いかは人によるが、私は楽しめた。
ちょっと、戦闘シーンが残虐すぎたり(アレキサンダーの残虐性を示すためなんだろうが)、最初の戦いは妙に長すぎて、もう少し短くしてもとか、オープニングは薀蓄が長すぎて、もう少しシンプルに出来なかったのかとも思いもしたが……。
「トロイ」あたりを、俳優人ではなく物語として面白いと思えた人間は面白いと思える作品でしょう。

最後に蛇足ながら、西と東の融合は人間の手でどうこう出来るものではない。
人の手で出来ることは、共存し理解することだ。
融合に必要なものは、けして人の手ではない。それは神の領域、「時間」という魔法だけなのだ……と個人的には思いました。


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3 コメント

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ラジー賞 (ひめか)
2005-03-01 16:24:22
「アレキサンダー」は、ラジー賞にノミネートされてたみたいだけど、結果は、どうなったんだろう。もう出ているはずなのに、検索で引っ掛からないのは、なぜ~~~
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ラジー賞 ()
2005-03-04 22:40:52
ラジー賞は、そう言えば何が取ったんだろう。賞の前はかなり盛り上がるのに、取ったあとは、かなり盛り下がるよね。

「アレキサンダー」あれだけの大作であるにもかかわらず、残るものやテーマが何も無いってことが問題なんだろうなぁ。
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ラジー賞 (ひめか)
2005-03-11 17:30:40
どうやらキャットウーマンだったらしい。

惜しくも(?)逃れた「アレキサンダー」。

でも宣伝にはなったかも??
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