考えてみたらこの盆休みに行っとかないともう日が取れないので、盆休最終日に文化の森まで出かけてきました。
今は「マンガの神様」という風な言い方はしないのかな?
もう小学生の頃からず~っと手塚マンガに親しんできたので、見る作品見る作品懐かしさで胸がいっぱいになる思いでした。
そして今更のように、彼ほど丸くて柔らかな線でディフォルメのうまい漫画家を見つけるのは古今を通して難しいんじゃないかと認識新たにしました。
「ゴルゴ13」作者のさいとう・たかを氏がどうしても手塚治虫の柔らかな線が真似できないので、それじゃいっそ正反対の硬い劇画調の作風で行こうということでその路線を切り開いたという話は有名ですが、手塚治虫の描く線は柔らかいだけでなく、スピード感があるんですね。
お話も夢中になるおもしろさでした。特にSF作品は作者も好んで描いたのではないかと思いますが、ワクワクドキドキと長じてから思い当たるヒューマニズムがぎっしり詰まってました。
しかし、今回の展示で驚かされたのは、虫が好きだった氏の手帳に書かれた緻密な虫画とその説明文の“字”の美しさ。
そして両者の配置の優れた適合性。いつぞやテレビで東大生のノートを取材した番組を見たことを思い出しました。
キッチリと行が揃い、大切なポイントは人目でわかるように整理されていて、自分だけではなく他人が見ても分かりやすい書き方がなされていた東大生のノート。
頭のいい人はそうしたところが共通するのかと自分勝手に納得してしまいました。
ただ、頭が良くても神様でも何年に1度というサイクルで襲い来る“スランプ”に苦しめられたらしい噂は聞いてて、膨大な作品群を見てそのエネルギーに圧倒されそうになるものの、神様も頑張られたんだなあという愛おしい気持ちを抱いて全ての作品展示見て回りました。
わたしの青春もそこにありました。