ほんとはキミが欲しかったんだ。
一口にオレンジ色といっても「悪くないね」から始まって「めっちゃ好き!最高やね」までお気に入り度にはランクがある。
そして、ずいぶん昔から他所様の庭でこぼれ咲いてるキミのその花姿の風情、人を惹きつけて止まない上品な灯り色には、心底惚れていたんだ。
だから、家を新築した時、即我が家においで願った。
しかし、苗で我が家に招き入れて翌年花を咲かせ始めたキミの仲間は、私の恋焦がれたキミとは別人だったんだ。
花の形や付き方が微妙に違うし、何といっても花色が単一で濃く、どうにもときめかない。(ああ・・・)
がっくりと落胆はしたものの認識不足の私が悪かったのだとあきらめ「うむ、そう悪くはないさ」とうそぶいてきた。
しかし、季節が巡り、その時節を迎え、キミのその芳香を放っているが如き「麗し色」に出くわすと(やっぱり、キミが好きなんだ)と思い知らされるんだ。
我が家のキミの仲間は家のフェンスのやり変えの際に一度バッサリとのこぎりを入れられてね、生き残り本能のなせる業か、根っこの繁殖力が半端じゃないんだ。
以来、あちらからもこちらからも芽を吹いて、やたらのさばってしまっている。
いや、なぞらえて夫婦の話をしてるわけじゃないよ。
しかし、テキも生き物。ムコウにはムコウの都合というものがあるだろう。
お互いというよりは、コチラから歩み寄り、折り合いをつけていくしかあるまいとは思ってるんだけどね。
キミから見てどうかな、下がウチのコだけど。
「悪くはない?」ははは。
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