ちょっと悩んでいます、講師先生の解説が理解出来ずに・・・。
もとより理詰めで話される先生ではないので、その奥にある真意を忖度せねばならないのは常のことなんですが。
物語としては悪天候が続く須磨の住まいに、びしょぬれになった怪しげな風体の使いが二条院からやってくるんですね。
そしてこのとき源氏は、普通なら(都で生活していた時なら)家来の者達によって追い払われて自分の目に触れることもないような身分の低い賎しい人間に、(都から来たというだけで)親しい気持ちを抱いてしまっていることに、情けなさを感じるという場面があるんですね。
で、ここで、『我ながらかたじけなく』という文章が出てくる。
私は単純にこれは源氏が自分のことを第三者的に見て、自分のような高い身分のものが賎しい身分の人間と親しく交わるなど(ほんとならあり得ない、恐れ多い話じゃないか)と自嘲的な感想を述べたものだと解釈したのですが、先生はもっと高尚な解釈をされたんですね。
・宮中にいた源氏にとっては一般の下人など人の範疇に入っていない。
・もったいないという気持ちを抱くにはある程度同等の身分であらねばならない
・にもかかわらず、そうした下人に親しい気持ちを抱いたという事実は源氏を仏の域に押し上げたのじゃないか
・そうした高次の自分をありがたいと感じた
う~ん、整理したらこのようなことを仰っていたように思うんですが、理解が出来ないだけに、まとめ方が間違っているかもしれません。
ただ、私が納得いかないのは、源氏は類まれなる美貌と才能に恵まれたスーパーマンで、細やかな心使いも見せる魅力的な人物かもしれませんが、決して人格者ではないんじゃないかというところです。
だから源氏の仏化説にはどうにも首肯できない・・・。
ま、たかが物語の話じゃないかといえばそれまでです。