NPO法人大雪山自然学校ブログ

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【大雪山国立公園・旭岳情報】雨と霧の中での楽しみ方

2022-06-20 12:47:01 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2022/6/20(月)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】雨・霧
【気温】7℃
【風速】6m/s
【積雪】40cm

「蝦夷梅雨」でしょうか。ここのところ毎日、雨や真っ白な霧の中に包まれている旭岳。

昨晩、東川町では大量の雨と大きな雷の音が鳴り響いていました。

姿見の池園地内も、今日は雨が降ったり止んだりの一日です。

そんな中で、旭岳や周りの景色は見られない日でも私なりの楽しみ方がありますので、ご紹介させて下さい。

 

まずは、ロープウェイ姿見駅に到着されたら、旭岳自然保護監視員による3分間レクチャーをお聞き下さい。

ホワイトボードには姿見の池園地内散策路の状況が記されています。

旭岳自然保護監視員はロープウェイ到着時間に合わせ、いらっしゃった散策の方々に3分レクチャーを行い、姿見の池園地内の散策路と道の状況を説明しています。

確認されたら、今の季節は長靴(1足300円)をレンタルすることをオススメしています。

散策路には雪や氷・土・水たまり・水流など、様々な状態になっており、日々融雪も進んでいます。

ご自身の靴が汚れたり、水が入ったりしてしまうかもしれません。

どうぞお気軽にお声掛けください。

 

この1週間くらいで、エゾノツガザクラがどんどん増えています。

第一展望台もロープ下にあり、写真が撮りやすいです。水玉が滴りそうでキラキラ光を反射しています。

覗き込んでよく見てみると、細かい毛が生えているのがわかります。

 

第二展望台付近ではエゾシマリスが3匹、近くを走っていきました。きっと家族なのでしょう。こんなに一度に複数のエゾシマリスを見たのは初めてです。

園地内に人が少なかったり、霧で周りの景色が見えづらいような日には、動物たちがよく出るな、と最近感じていました。

 

第三展望台と、夫婦池(鏡池とすり鉢池を合わせてこう呼ばれます)間の付近では、コエゾツガザクラと思われる、先ほどのツガザクラとは色・形がちょっと違う種類の花が観察できます。

エゾノツガザクラよりも花が丸い形で、薄いピンク色のものが多いです。

この近辺は園地内でも地熱が高いために雪解けが早く、今の時期でも見られる花の種類が多いです。

↑ジムカデの花弁が水で濡れて半透明になっています。

↑コエゾツガザクラ

↑いち早く咲き始めたエゾノツガザクラ

丸い花弁が落ちてコロコロと転がっていました。とてもかわいく、小さい頃にもらった飴を思い出しました。

↑イワヒゲのつぼみ。園地で少しづつ咲き始めています。 

名前に含み笑いをしてしまいます。

↑クロウスゴ

園地内の植物の葉で撥水性があるものがいくつかあり、今日のような天気だと水玉を湛えています。

スマートフォンのカメラモードを「プロ」などにし、接眼で撮るととても綺麗に映ります。

クロウスゴの花は緑色と白色とピンク色を混ぜたような色をしています。

少し後から花が咲いてくるエゾノマルバシモツケの葉も素敵ですよ。

↑メアカンキンバイ

こちらも葉に撥水性があるようです。

クロウスゴよりも細かい水玉がついて、よりキラキラと輝いています。

 

夫婦階段と呼ばれる階段を登り切り、第四展望台を目指す途中には

↑エゾシマリスやホシガラスのものと思われるハイマツの実(松ぼっくり)の食痕が散らばっていました。

昨年の秋のものかもしれません。

エゾシマリスは種だけでなくその周りもかじるので、エビフライのようになっているものも見受けられます。

 

噴気孔へ向かう途中には

↑2日前からブログで紹介されているイワウメが咲いていました。

風と雨で花弁が散りだしていました。去年までこの近辺には咲いていなかったようですね。

今後株が増えるかもしれません、期待してしまいます。

 

姿見展望台を通り過ぎ、第五展望台を巡回していたら

バサバサっと飛び出してきた2羽の鳥

↓ギンザンマシコでした。

2羽ともメスでした。

どこに居るかわかりますか?

↓正解はここです。

メスの頭は黄色で体が灰色、オスは頭から体まで全体的に赤色をしているようです。

繁殖期の7月頃まで園地内でよく見られます。

第一展望台と第三展望台にはいつもカメラマンが多くいらっしゃり、この鳥の写真を撮っているようです。

私はまだつがいでは見たことが無いので、今期中に見られたらうれしいです。

 

一昨日の午後も同じように、園地内は霧に覆われていました。

その時も茂みからギンザンマシコ2羽が出てきて、こちらには関心が無さそうに、近くでハイマツの枝や地面の植物をついばんでいました。

動物たちが油断しているのか、今日はエゾシマリスとギンザンマシコを複数見られました。

また雨粒のついた植物がとても美しく、雨も気にならないようなお土産ができました。

皆様も長靴・レインウェアの姿で、ゆっくり姿見の池園地でいらしてみませんか。

雨で手が濡れると、風が吹いた時にとても冷たくなります。防水の薄い手袋をご用意できれば、服装はまさに上級者!

何か疑問点があれば姿見駅のカウンターでお尋ねください。

 

岳自然保護監視員:宮原


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