NPO法人大雪山自然学校ブログ

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【大雪山国立公園・旭岳情報】山は秋の気配

2022年07月31日 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2022/7/31(日)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】濃霧一時雨のち曇り
【気温】15℃
【風速】~13m/s

昨日はよい天気だったようですが、今日は車で山に向かう道の途中から濃霧でした。

姿見駅に着くと、園地内もなかなかの濃霧です。
散策から戻ってきた方が、相当駅に近づいてから「わ!駅に着いた!」と言ってました。

こんな濃霧でも登山に行く方がいて心配です。旭岳はけっこう遭難が多い山なのです。
6〜9合目はロープがない事、山頂まで行けても下りてくる際に道を逸れての遭難が多い事、
無理せず戻ってきて欲しい事、などなどお伝えしています。

巡回に出るといきなりタバコの吸い殻。
園地内での歩きタバコはご遠慮いただいております。
外出時は携帯灰皿を持参されてはいかがでしょうか。
その後の作業中、ずっとタバコ臭くて鼻が曲がりそうでした。

作業をしていると、「石室の周り、タンポポがすごいわね!」と声を掛けられました。
姿見駅と石室周辺のみ、フキやタンポポが生えてきます。工事時の土砂に紛れて持ち込まれたと思われます。
しかし勝手に抜く事はできません。国立公園なので許可が必要です。
申請し許可が下り次第、場所選定・採取・計測・報告等、順次駆除作業を行っております。

現在園地内では、一面に広がるチングルマの綿毛が綺麗です。

ふわふわとかわいいので、お花かな?と思われた方もいらっしゃいました。

「数週間前には白い花が一面に咲いてたんですよー」と伝えると、
「来年はお花を見に来ます!」とのことでした。9月に見られる葉の紅葉もぜひ見に来てほしいです。

エゾノマルバシモツケの花、さらに増えた気がします。

紅葉した葉もありました。

これはキバナシャクナゲの葉の紅葉


散策の方が、間違って裾合平への登山道に進んで来てしまいました。
姿見には何度か来た事があるそうで、そんな方でも霧の日は迷ってしまいます。

ハイオトギリ 雨や霧の日の花も綺麗です。

シラネニンジン ハクサンボウフウと見分けがつかないのですが、葉はニンジンっぽいです。

ミヤマホツツジ 個人的に好きな花のひとつです。

そして早くも、実や種子も見られます。野生動物の貴重な食料となります。
何の花の種子でしょう?(国立公園での採取は禁止されています)

クロウスゴ


ウラジロタデ


コケモモ・ガンコウラン・エゾイソツツジ


キバナシャクナゲ


エゾノツガザクラ


ショウジョウバカマ

駅に戻ると、木の杖2本が高山植物の上に捨てられていました。
国立公園に持ち込んだモノは、すべてお持ち帰りください。

明日から8月ですが、花や実、残雪も見られる姿見の池園地へ涼みにお越しください。

旭岳自然保護監視員:羽馬

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【大雪山国立公園・旭岳情報】 ベストコンディションな日

2022年07月30日 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報
【日付】2022/07/30(土)
【場所】旭岳・姿見の池園地 
【天候】快晴
【気温】17-20°C 
【風速】3-5m/s 
今日は風も穏やかで快晴、
絶好のコンディション日和!


(姿見展望台と姿見の池)

(第一展望台と旭岳)
展望台もお客さまで賑やかです。


(一面のチングルマ綿毛姿)
園地内のチングルマはほぼ綿毛姿となり、真夏ではあるものの、なんだか秋っぽい雰囲気を感じます。


今たくさん咲いているお花たち

(ミヤマリンドウ)


(ミヤマアキノキリンソウ別名コガネギク)



(イワブクロ)




モウセンゴケも見られるようになりました。




(アオアシナガハナムグリ)

鮮やかなグリーンが美しい、アオアシナガハナムグリ。漢字で書くと『青脚長花潜』

まさしく、見かけた時にも花に潜っていました。
白い花によく集まるそうで、個体数も少ない種とのこと。




ここ最近は天気の良い日が続きました。
今季初めて、20℃超えました。

20℃と言うと涼しげですが、園地内を散策していると照りつける日光は町より強く感じ、汗ばむ暑さです。

水分をしっかり摂って、散策を楽しんでくださいね^^



旭岳自然保護監視員:木下











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【大雪山国立公園・旭岳情報】黄色い花

2022年07月29日 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2022/7/29(金)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】曇り
【気温】16℃
【風速】2m/s

 

世間では夏本番の時期ですが、秋の花が所々で見られるようになってきました。
駅の出入り口付近ではミヤマアキノキリンソウが多く見られます。

二十四節気の夏至から秋分までの7つの節気(夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分)について
姿見の池園地ではほぼ暦通りの変化かもしれません。

ミヤマアキノキリンソウ・ハイオトギリ・タカネニガナ
これら3種の黄色い花が揃うと季節が一つ進んだ気がします。


ミヤマアキノキリンソウ


ハイオトギリ


タカネニガナ

 

チングルマの花は大部分が綿毛に変化しています。


チングルマの綿毛

駅の近くではまだチングルマの花を見ることができます


チングルマとエゾコザクラ


ミヤマリンドウの群生も見られます


コエゾゼミ


カヤクグリ


ノゴマとトンボ

 


カラスにご注意ください

 

旭岳自然保護監視員:大塚

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【大雪山国立公園・旭岳情報】花をアップで撮ってみました

2022年07月28日 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2022/7/28(水)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】晴れ
【気温】17℃
【風速】3m/s

朝は雲の中にあった旭岳も、お昼に近くなると姿を現わしてくれました。

今日も青空が見られました。そよ風が散策中にほてった体を冷やしてくれます。

そんな気持ちの良い天気の中、今日は2年ぶりにひっぱり出したマクロレンズで散策路内の花を撮ってみました。

エゾノマルバシモツケにはハエ・アブ・マルハナバチの仲間がいっぱい集まります。

マルハナバチはレンズを近づけるとすぐに逃げてしまいますが、ハエはゆっくり写真を撮らせてくれました。

この花が放つ匂いが、これらの種類の虫たちに向けた(好む)ものであることがわかります。

ゴゼンタチバナは白い部分は花びらではなくガクです。

真ん中の一つ一つが花で、先端が少しクルンとしています。雄しべですね。

肉眼では気付かないような発見がありました。

ハクサンボウフウ、この写真の花も満開です。

シラタマノキにはピンク色の筋が入っています。

少し似ているのが、コケモモ。

小さな花ですが園地内でたくさん見ることができます。

ミヤマアキノキリンソウ

 

ミヤマリンドウには白い蜜標があります。

蜜標とは、虫たちに「ここに美味しい蜜がありますよ」と誘導するもので、花びら中央部に点がいっぱいついたらそれです。

植物が花粉や種子をどのように運び子孫を増やそうとするのかは、それぞれ違います。

虫たちを頼りにしている花は「虫媒花(ちゅうばいか)」と呼ばれています。

他にも媒体によっては風媒花、水媒花、鳥媒花、動物媒花などがあります。

虫媒花の場合、虫たちが花の点に導かれた先に、雄しべ・雌しべがあります。

蜜を吸い花から出るころには虫たちの体に花粉が付着し、他の花へ移動した際に受粉の役目をするわけです。

蜜標を持っているミヤマリンドウも虫媒花なのでしょうか。

どんな虫がお手伝いしているのか、今後観察してみたいものです。

 

チングルマにも雄しべがいっぱい生えています。

まだまだ花が咲いていますよ。

綿毛になるとクモのようですが、フワフワの毛が生えています。

姿見の池園地内で見られたチングルマ、徐々に綿毛の畑になています。

風になびくとかわいいです。

毛でいえば、イワブクロも負けてはいません。

今日は駅舎前の沼に、エゾサンショウウオの幼生を確認しました。

底のほうに居ましたが、天気が良いと水面近くで浮いていることもあります。

魚?と思った方も多いと思います。今年も成長が楽しみです。

動物やお花も多くなり、登山者でも散策の方々でも賑わう旭岳。

ロープウェイと駅舎内ではマスク着用など、感染症対策をしっかりお願いします。

世の中はまだ心配なことが多いですが、自然の中でのひと時をゆっくり過ごしに来てみては?

旭岳自然保護監視員:宮原

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【大雪山国立公園・旭岳情報】チングルマの変化

2022年07月27日 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2022/7/27(水)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】曇り
【気温】16℃
【風速】~3m/s

~チングルマ情報~
まだお花が見られる場所も残っていますが、だんだんと綿毛や、花びらが散ってしまっているものが増えました。
今日の綿毛は、丸っぽくまとまっていました。

花びらが全て散ってしまい、綿毛もまだついていない状態のチングルマ。(左の青いお花は、ミヤマリンドウ)
別の植物みたいですね。

駅を出て直ぐ、第1展望台へ行く途中ではチシマザサのお花がいくつか咲いていました。
土壌水分の含有量の変化によって、高山でもササが侵入しています。
姿見の池園地内も、長年通われている方からお話を聞くと、ササが増えて高山植物が減ってしまったように思う。とのこと。

駅の前には、立派なバイケイソウが咲いています。

働きバチもせっせとお仕事中です。

ハイオトギリ

湿地帯では、食虫植物のモウセンゴケも見つけました。

旭岳自然保護監視員:社本

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