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ベネズエラ大使館を訪問 ― 緒方氏 党声明を手渡す

2019-02-24 | 日本共産党の外交

 日本共産党の緒方靖夫副委員長は22日、松島良尚国際局員とともに都内のベネズエラ大使館を訪れ、21日に志位和夫委員長が発表した党声明「弾圧やめ人権と民主主義の回復を――ベネズエラ危機について」をセイコウ・イシカワ大使に伝え、本国と与党・統一社会主義党に伝達するよう要請しました。

 大使は声明の内容について「非常に残念だ。ベネズエラの情勢については何度も説明してきたが、それが宙に浮いてしまったようで心が痛む。ただ、わが国のことを心配していただいていることには感謝している」と応じました。

 大使はまた、声明が米国の経済制裁にふれていないことは「信じられない」としつつ、現在の事態は米国による介入によって引き起こされたものだと強調しました。

 緒方氏は、米国の金融制裁が始まったのは2017年8月からで、危機はその数年前から起きていると指摘。貧困化・弾圧などの人権侵害と法の支配の崩壊についての国連文書を引用しつつ、現在の危機の主要な原因は政権による失政だと反論しました。

 緒方氏はまた、「ベネズエラ危機が重大な国際問題になるもとで、責任ある共産党として、節度をもって党声明を出しており、これがベネズエラ国民とその将来に真に資する立場だと確信している」と強調しました。

 大使は、「反論の権利を行使したい」としつつ、今日の訪問と声明については本国と与党に伝えると述べました。

 

 

弾圧やめ人権と民主主義の回復を
         ―ベネズエラ危機について  
志位委員長が声明

 日本共産党の志位和夫委員長は21日、国会内で記者会見し、「弾圧やめ人権と民主主義の回復を――ベネズエラ危機について」と題する声明を発表しました。志位委員長は声明を関係国に直ちに伝えると表明しました。声明の全文は次の通りです(志位氏が会見で言及した2017年5月のベネズエラ政府への申し入れ、2回にわたる国連の報道発表)


写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長=21日、国会内

(1)

  日本共産党は、南米ベネズエラのチャベス政権が発足当初、選挙をつうじて国民多数の支持を得ながら進めてきた変革のプロセスに肯定的に注目してきた。

 しかし、同政権および後継のマドゥロ政権の失政と変質のもとで状況が変化し、市民の政治的自由と生存権に関わる人権問題が深刻化している。人権の保障は、第2次世界大戦後の国際秩序のもとで、それ自体が国際問題としての性格をもつものとなっており、ベネズエラ問題は重大な国際問題となっている。

(2)

  わが党は、2017年5月、ベネズエラ政府に対し、抗議行動に対する抑圧的措置をただちに停止し、民主的秩序の回復のために責任ある措置をとるよう申し入れた。しかし、その後、事態は著しく悪化してきた。

 現在、大きな高まりを見せる抗議運動とそれを抑圧・弾圧するマドゥロ政権との間で緊迫した情勢が続いている。

 マドゥロ政権に対し、抗議運動に対する抑圧・弾圧をただちに停止するよう求める。極度に欠乏している食料品や医薬品を早急に提供すること、国連や国際赤十字など外部からの国際人道支援物資を拒否するのではなく、受け入れることを求める。

(3)

  現在のベネズエラの危機は、主要には、マドゥロ政権が、2015年の選挙で野党が多数派になった国会の権限を無効化し、批判勢力を暴力的に抑圧・弾圧し、2018年5月の大統領選挙で野党の有力候補を排除して、権力の維持をはかったことから引き起こされたものである。

 こうした経過に照らし、わが党は、マドゥロ政権を、ベネズエラ人民の意思にもとづく正統な政権とみなすことはできない。事態の根本的な解決には、大統領選挙のやり直しを含め民主主義を回復することが不可欠であると考える。

(4)

  ベネズエラの危機を解決するうえで、外部からの干渉・介入を許さず、ベネズエラ人民の自決権を擁護・尊重すること、暴力に訴えることなく問題を平和的に解決することが、きわめて重要である。

 日本共産党は、どの国によるものであれ、ベネズエラに対する外部からの干渉・介入にきびしく反対する。

 わけても軍事介入は深刻な犠牲と事態の悪化をもたらすものであり、絶対にあってはならない。トランプ米政権は、軍事介入を「選択肢の一つ」と繰り返しているが、そのような権利はどの国であれ与えられていない。

 わが党は、抗議運動を敵視し、マドゥロ政権への「連帯」を世界の運動に押し付ける動きにも、きびしく反対する。

 ベネズエラの危機は、ベネズエラ人民の手によって解決されるべきである。

 

ベネズエラのマドゥロ政権による人権侵害の資料
       
2017年5月9日の日本共産党のベネズエラ政府への申し入れ

 本共産党の緒方靖夫副委員長は2017年5月9日、都内のベネズエラ大使館を訪ね、セイコウ・イシカワ駐日大使を通じて同国政府と与党・統一社会主義党に日本共産党としての申し入れを行いました。申し入れの内容は以下の通りです。

 貴国では、食料や医薬品、日用品の欠乏による国民生活の窮乏化のもとで、国民の抗議行動が広がっており、政府側の抑圧的措置がとられるもとで犠牲者が多数出ていると伝えられています。在留邦人の間からも生活と安全への不安の声が上がっています。

 貴国で起きている問題は今年1月、中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)第5回首脳会議の政治宣言が冒頭でその民主的解決を訴え、4月17日には中南米11カ国が共同声明で事態を憂慮し、問題の平和的解決を呼びかけるなど、国際問題になっています。

 この間起きているベネズエラの事態を強く懸念していることを表明します。抗議行動への抑圧的措置を直ちに停止し、事態の平和的、民主的解決をはかるとともに、民主的秩序の回復のために貴国政府と与党・統一社会主義党が責任ある措置をとられるよう求めます。


国連の二つの報道発表から

 反政府抗議行動の参加者に対するベネズエラのマドゥロ政権による人権侵害について述べた「国連人権高等弁務官の報道発表」(2017年8月8日)と「国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)報告に関する報道発表」(18年6月22日)の要約を紹介します。

国連人権高等弁務官の報道発表(2017年8月8日)要約

 デモ参加者に対する広範かつ組織的な力の過剰行使がベネズエラにある。暴力的な家宅捜査や抗議行動に関連して拘束された人々への拷問や虐待を含め、他の人権侵害が存在する。

 目撃者らは、治安部隊が反政府デモ参加者に事前の警告抜きに催涙ガスや散弾を発射していたと述べた。催涙ガスの弾薬筒(缶状)が至近距離から発射され、警官が散弾銃でビー玉や散弾、ナット、ボルトを弾丸として使用したと断言した。それらの情報によると、治安部隊はデモ参加者に死に至る力も行使していた。

 検察庁は7月31日まで、デモに関わる死者124人のケースを調査してきた。OHCHRチームの分析によれば、それらの犠牲者のうち少なくとも46人は治安部隊に、27人は「コレクティーボ」と名付けられている政府系の武装集団に責任がある。そのほかの死者については、だれが犯行におよんだかはまだはっきりしていない。

 拘束者数に関する公式のデータはないが、もっとも信頼できる数字は、デモが始まった4月1日から7月31日までに5051人が横暴に拘束されたことを示している。1000人以上はデモに関連していまも拘束されている。OHCHRが調べたいくつかのケースでは、治安部隊が残虐で非人道的、また、品位を傷つける扱いを拘束者に負わせたという信頼に足る報告があり、拷問したケースもいくつかある。

 それらの方法の中には、電気ショックや、手錠をされた拘束者に対する警棒やヘルメットによるものを含む殴打、縛り上げた手首からの長時間のつりさげ、ガスによる窒息と死の脅し、そして、いくつかのケースでは拘束者あるいはその家族に対する性暴力の脅しもある。

 ゼイド高等弁務官は、検事総長を解任した8月5日の制憲議会の決定を深く憂慮していると述べ、治安部隊と「コレクティーボ」による人権侵害に関する独立した実効性ある調査を保証するよう当局に要請した。ゼイド氏は、解任された検事総長の保護を保証する措置をベネズエラ政府に求めた米州人権委員会の呼びかけに注意を払うよう当局に勧告した。

 デモ参加者のいくつかのグループも暴力をふるっており、治安部隊を攻撃していることが報告されている。8人の治安部隊員がデモの中で死亡した。

 ゼイド高等弁務官は、デモ参加者に対する過剰な力の行使を直ちに停止し、横暴な拘束をやめ、不当に拘束されたすべての人々を釈放するようベネズエラ当局に要請した。ゼイド氏は、人権に関する国際法のもとで拷問を用いるのは無条件に禁止されていることを当局に想起させ、市民を裁くために軍事裁判所を用いることをやめるよう要請した。

 「急速に悪化しているこの国の緊迫状態を解決するために協力しているすべての関係者に、暴力の使用を放棄し、意味のある政治的対話にむけた措置をとるよう呼びかける」とゼイド氏は表明した。

国連人権高等弁務官事務所報告「ベネズエラ・ボリバル共和国の人権侵害:終わりの見えない下降スパイラル」に関する報道発表(2018年6月22日)要約

 ベネズエラ当局は、殺人やデモ参加者に対する過剰な力の行使、恣意(しい)的な拘束、虐待、拷問などを含む重大な人権侵害について、加害者に責任をとらせていない。食と医療の権利という点でこの国が直面している経済、社会危機の重大な影響もあらわだ。

 超法規的処刑についての信頼しうる衝撃的な証言が存在する。超法規的処刑は、「国民解放作戦」(OLP)という名で15年から実施された。

 検察庁は15年7月から17年3月にかけ、治安部隊が手を下した505人の死者を記録した。それらの殺人は治安部隊の明確な行動パターンに特徴づけられていることを示唆する。命令のないまま「犯罪者」を拘束する目的で貧困地区に侵入、特定のプロフィルに当てはまる青年らの殺人、殺人を抗争による銃撃の応酬の結果だと見せかける現場の工作等だ。

 OLPは17年1月に「国民解放人道作戦」に置き換えられたが、はるかに透明性に欠け、調査するのはより困難だ。

 ベネズエラ当局は、力の過剰行使や治安部隊の行動後のデモ参加者の死亡について適切かつ効果的な方法では調査してこなかった。

 重大な人権侵害を犯した治安部隊に責任を取らせていないという事実は、ベネズエラには事実上、法の支配が欠如していることを示している。

 度重なる要請にもかかわらずベネズエラ政府は国連人権事務所の入国を認めていない。高等弁務官は国連人権理事会に、ベネズエラの状況を調査する委員会を設置するよう勧告した。

 医療専門家は国連人権事務所に対し、医療施設の深刻な荒廃について説明した。医療機器と重要な医薬品の欠乏や、低い給与とハイパーインフレーションを背景とする医師の国外流出、政府の透明性の欠如がこの国の劇的な医療危機をもたらしている原因だ。

 政府は食料危機の規模を認めず、医療と食の権利の行使を保障するために可能なことをすべて行うという国際的な規範を順守していない。幼児の栄養失調が急増している。

 ゴミ箱から食べ物を探さなければならない家族がいる。推計によれば、人口の87%は貧困に苦しみ、61・2%は極貧状態だ。14年以来、150万人がこの国を去らなければならなかった。

 国民の人権状況は惨たんだ。高血圧の薬1箱の価格が月々の最低賃金を超え、赤ん坊の粉ミルクは最低賃金の2カ月分以上もするのに、これほど絶望的な状況に抗議すれば刑務所に連れていかれる可能性があり、極度の不当措置があらゆる暴力とともにむきだしになる。

 人権問題に取り組む市民団体も引き続き、厳しい法的制約や評判をおとしめるキャンペーン、脅し、いやがらせ、また、テロ行為や国家反逆罪などを犯したとする非難に当面している。

 国連人権事務所が受けた情報によれば、政治的意見の表明や人権の行使あるいは政府に対する脅威とみなされることによって一方的に自由を奪われた少なくとも280人が引き続き、痛ましい条件下で収監されている。


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