3月2日から滑川町・3月議会が始まりました。2日に行なわれた阿部議員は総括質疑で「町のコロナ対策について」と「保健所と保健センターの機能強化について」質問をおこないました。今回は「町のコロナ対策について」の総括質疑についてお知らせします。
住民要望に答える予算か?
埼玉県は県保健所管内にある病院などの医療従事者と新規入院患者、県所管の高齢者入所施設の職員と新規入所者計を対象に検査を行うことを決定しました。検査数の拡大は感染症の拡大抑止には欠かせない戦略です。引き続き、検査体制の拡充を求めるものです。
緊急事態宣言が延長され、長期にわたる自粛要請は住民のくらしや営業におおきな影響を及ぼしています。
「アンケート」の声を聞いて
1人親家庭の方からは「個人給付金10万円は利用しましたが、すでに生活費に消えてしまったので再度支給してほしい」IT関係で働くフリーランスの方は「12月末に契約を切られた。この先どうなるか不安です」
国が3月で支援を打ち切る中で町の役割は重要です。町がこうした住民の声にどれだけこたえることが出来るかが問われます。
デジタル法案…日本を中国のような監視社会にしていいのか
菅義偉政権が鳴り物入りで2月9日に閣議決定したデジタル関連法案。利便性を宣伝して個人データの利活用を推進する法案ですが、監視社会を加速させる危険はないのか。法制定の際に総務省の行政機関等個人情報保護法制研究会の委員だった三宅弘弁護士に聞きました。(しんぶん赤旗より・要旨・文責阿部)
本人の同意なしで漏えい
今回の関連法案で特に重要なのは、個人情報保護法の改定です。個人情報保護法の体系は、基本理念と民間部門を規定する個人情報保護法、行政機関、独立行政法人等の個人情報保護法の3法と地方自治体の条例から成り立っています。こうした分散管理は、それぞれの部門が持っているデータを勝手にやりとりできないようにして個人情報を保護するための仕組みです。
今回の法案では、行政機関と独立行政法人の個人情報保護法は廃止し、個人情報保護法に一本化します。本人の同意なしに個人データを利活用しやすくしようとするものです。
政府や自治体、民間企業が多分野の個人情報をひも付けして利用できるようになれば、個人情報の侵害・漏えいが深刻化するでしょう。
個人データ警察に無制限に
行政機関個人情報保護法は行政機関が保有する個人データの「利用及び提供の制限」を定めていますが、「相当な理由」や「特別な理由」があるものは他の行政機関に個人情報を提供できることになっています。本人の同意なしに捜査を理由に個人データが警察に無制限に流れる危険があります。
表現の自由侵す…監視社会
秘密保護法や共謀罪法ができ、監視カメラや顔認証技術と結びついて監視社会化が進む中で、今回の法案が出てきた点を警戒しなければなりません。
デジタル化で個人情報を集約することによる便利さだけに走れば、プライバシー保護と表現の自由という民主主義国家の基盤を揺るがしかねません。デジタル化が進む中国のように四六時中、市民が監視される社会、戦前の治安維持法下の日本のような「壁に耳あり障子に目あり」の国にしていいのかが、問われています。
自分の情報をコントロールする権利
この点で大事なのは自己情報をコントロールする権利です。個人情報を出す、出さないを本人が決定し、それを自分がチェックできる権利です。
たとえば、ドイツでは憲法改定を求める右翼過激派をチェックするために憲法擁護庁と連邦警察、州警察がそれぞれに個人情報データベースをもっています。そこにデータ保護監察官が2年に1回立ち入り調査でデータベースをチェックし、“この人は単なる市民運動家であって右翼過激派ではないから削除せよ”というようなことをやっています。
ヨーロッパ諸国では民間部門は二の次で、行政機関をどうチェックするのかということが基本になっています。
行政部門に立ち入り検査してデータベースの中をチェックできるような強い権限をもつようにしないと本物ではありません。日本はそこをもっと強化しなければならないと思います。
じいじ・ばあばが小さかった頃…⑤
「養蚕…(夏蚕)=なつご」
うまく出来た物で、棚草取りが終わると蚕の仕事が待ってます。母の松乃は休む暇もなく蚕の仕事に入るのです。夏の蚕は一ヶ月半位で繭を作ります。8月のお盆の前に全て終わりにしたい。7月初旬。村に稚蚕飼育所があり、そこから申し込んだ50㌘(掃き下ろすときの種の重さ)ほどの蚕を受け取ります。母松乃が蚕を平らな竹かごにむしろを敷いて、3~4枚の棚を作ります。桑摘みはしばらく1人。前庭の桑畑から指にはめた桑摘み器で摘んで朝、昼、晩と与えます。
親子は台所が寝間…蚕に占領される2週間
蚕も少しずつ大きくなり8月初旬頃は横1㍍、長さ4㍍ほどの2段の棚を台所以外の場所に作ります。蚕に占領され睡眠をとるときには親子、子どもたちは蚕の棚の間、台所で休みます。(2週間ほどの我慢です)蚕は約一週間で4回(初、2,3,4眠)休みます。休みは1日半くらいでその度に身体は抜け替わり3眠が済んだ頃から食べる桑も増え、桑は根元から桑切鎌で切り与えます。
桑を噛む音が耳に大きく…蚕も急成長し繭作り準備
今朝は西原(にしっぱら)の桑畑にリヤカーを引いて朝ずくり。母松乃と長男は桑切。この頃になると喰盛りで食べる噛む音が人の耳に大きく聞こえてきます。夏の蚕は春蚕(はるご)と異なり成長が早いのです。子どもたちは毎日学校から帰ってくると桑切や草むしりの手伝いです。4眠(よんみん)が終わり一週間もすると頭を持ち上げて、身体の色が赤みを帯びて透き通ってきます(ひきる)。それは蚕の繭作りの準備なのです。(羽尾・石井)
ひだまり
めっきり春らしくなってきました。卒業シーズンでもあり新たな社会への旅立ちへの希望の三月。三月というのは実に多くの事柄がある月です。まず1日はビキニデー、3日の桃の節句、今年は5日が啓蟄、8日は国際女性デー、10日は東京大空襲があった日、13日を基本に3・13重税反対全国一斉統一行動。そして決して忘れてはならない、11日。東日本大震災・福島第一原発事故から10年という時間が流れました
▼先日、東松山にある丸木美術館に山内若菜さんの作品を見に行きました。福島に通い続け「いのち」を描かなければ、との思いに突き動かされ、そこから「広島」「長崎」のことが知りたいと思うようになったと。描かれた少女たちのまっすぐ見つめる瞳。布や和氏を重ね絵具の色を重ね、被曝した家畜の姿が描かれた作品は、驚くばかりの大きさと迫力でした。突然奪われてしまった「いのち」理不尽なものへの怒りと、もっともっと生きていたかったという叫び。絵を見ていているうちにピカソのゲルニカを思い出しました
▼作者の山内さんは語ります。「描く時、私は自分の少女時代を重ねています。広島、長崎の原爆、原発が爆発した福島がある日本で生きる私は、原爆は見ていないけれどその下に生きる少女を想像しました。いつか誰かに伝わる、人を信じている目をもつ少女にしたい。たとえこの絵を今、誰かが見ることがなくても、時代や場所を超え、自分の福島の牧場での体験やこの長崎の少女の体験を受け止めてくれるかもしれない。自分の表現が誰かに届くことを信じ、誰かが自分の体験を受け止めてくれるかもしれないと表現する。『それを希望と呼ぶ』と教えてくれた人がいます」
▼決して忘れることなく後の世まで語り伝え続けることが希望へとつながるそんな三月に。(N子)