「7年と98日」。産業革命前と比べて地球の平均気温上昇を「1・5度以下」に抑えるためのタイムリミットが示された日本初の気候時計の初号機が15日、東京・渋谷駅前に設置されました。設置したのは昨年11月に設立し、ネットで設置のための資金を集めていた団体「a(n)action」(アナクション)。1546人が支援し、目標金額1000万円を上回る約1353万円を集めました。
同団体で活動し、気候時計の発起人でもあるナイハード海音(みお)さん(18)は設置後、「私の『設置したい』の一言から、このプロジェクトがここまで大きくなってうれしい。初号機設置をきっかけに気候変動への意識が社会の中で当たり前になるように頑張りたい」と興奮した様子で話しました。
設置前の記者会見で、同団体の酒井功雄(いさお)さん(20)は「日本では気候変動に気づいて行動を起こしている人が少ない。街中で気候変動に気づける仕組みがほとんどないからだ」と指摘。異物感のあるデザインについて、「『なんだこれは』という時計への関心から、その先の気候変動に気づいてほしい」と話しました。
気候時計にはQRコードが付いており、スマートフォンで読み取ると特設ページにアクセスできます。そこから「政府・企業に対してアクションを求める宣言」を行うことができ、賛同数が1万集まるたびに同団体から環境省に通知します。酒井さんは「個人を変えることと同時に、社会システムを変えることの大切さも伝えたい」と強調しました。
同団体は来年4月を目標に、渋谷区内に100台の気候時計設置を目指すといいます。
— しんぶん赤旗より —