絵本の時間

小学校で よみきかせをしています。
毎週月曜日の朝の読書の時間は、
読み手にとっても 心温まる時間です。

はじめての文学~重松 清

2010年08月02日 | 本の紹介
 『はじめての文学~重松 清』

はじめての文学シリーズ。
このシリーズは、なぜだか気が進まずに、これまで手にしたことがなかった。
『文学の入り口に立つ若い読者へ向けた自選アンソロジー』 とあることが気恥ずかしいのか・・・
万人受けしそう作品を集めているような気がしたからなのか・・・途中に既読の作品が出てくるからなのか。
「卒業ホームラン」 「モッちんの最後の日」 「ウサギの日々」 「かたつむり疾走」 「カレーライス」
「タオル」 「あいつの年賀状」 「ライギョ」 の8編。

重松氏の作品は、実はこれまで読んだことはないのに、知っていた。 「カレーライス」
娘が6年生の頃、国語の教科書の音読で、毎日読んでいた時期があったから。
一月のうち、母親の仕事が忙しくなる1週間ほどを、父親が仕事を早く終え帰宅して、夕食を作り、
母親代わりになるという「おとうさんウィーク」。
その「おとうさんウィーク」を前に喧嘩をしてしまい、なかなか謝ることのできない「ぼく」。
勝ち負けじゃないって判っていても、「ぼくは悪くない。」で始まるお話は、素直に謝れない6年生の
ぼくの父親に対する気持ちが、よーく表れているように思う。
父親が思うよりずっと成長している6年生。それが知れることへの誇らしさと恥ずかしさ。
重松さんの文章は、身近な出来事を題材にしながらも、それが結構きわどかったりもしている。
「卒業ホームラン」は、スポ少に関わっている人なら、内情に苦笑いしながらも、一緒になって心を
傷めるに違いないし、「ウサギの日々」は、中学生時代を思い出したり、または自分の子どもの部活
生活を思って、くーっと心を掴まれる思いだ。
なんてことなく流れてる気がする毎日でも、こんな辛らつな思いも一緒になって流れているんだなー。
子どもを取り巻く普通の日々の中に、こんなにも題材が溢れている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明日につづくリズム | トップ | サッカーボーイズ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の紹介」カテゴリの最新記事