6.恐ろしい第四の獣
ダニエル書7章23節に出てくる「第四の獣は地上の第四の国である」という預言に注目しなければなりません。これまで、海から上がってきた第一、第二、第三の獣を見てきましたが、どの獣も第四の獣ほど恐ろしくはありませんでした。聖書は第四の獣について、次のように描写しています。「その後わたしが夜の幻のうちに見た第四の獣は、恐ろしい、ものすごい、非常に強いもので、大きな鉄の歯があり、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは、その前に出たすべての獣と違って、十の角を持っていた」(ダニエル7:7)。
ギリシャの後の第四の獣が、鉄の国と呼ばれるローマであることを私たちはすでに知っています。ローマが強大な権力と圧制で世界を牛耳った歴史を私たちは見ることができます。しかし、強大だったローマも定められた運命の時に十カ国に分裂します。ダニエル書7章24節を見てみましょう。「十の角はこの国から起る十人の王である」。ここで神様は、獣の角が何を象徴しているのかを説明しておられます。歴史はローマが十の国家に分裂したことを証明しています。
ヨーロッパの北側から、いくつかの民族がローマの力が弱まったことを機に攻撃してきました。そしてヨーロッパ西部地域を占領し、結局ローマはバラバラに分裂してしまいました。AD476年にローマが滅亡し、預言はまた成就したのです。これによりダニエル書2章の巨像の十本の足の指時代が始まりました。歴史を勉強した人ならAD476年にローマを分裂させた十の部族の名前を覚えておられることでしょう。アングロ・サクソン、フランク、アレマニー、ブルグンド、ヴァンダル、スウェービー、東ゴート、西ゴート、ヘルリー、ランゴバルド。このうち7部族は、名前を変えて今日までヨーロッパで国家として存在しています。しかし3つの部族(スウェービー、東ゴート、ヘルリー)は歴史から消え去りました。