
セパともプロ野球は残り試合は十いくつになってもマジックが出ない混戦。例年になくおもしろいのだが試合を最後まで見たのは数えるほどしかない。
試合時間が長すぎるのである。
日本野球機構の調査によると今季の平均試合時間が3時間11分(4月18日時点)、昨の3時間8分を上回っているとか。高校野球の平均試合時間は2時間09分(RainbowVortexの調査)というからプロ野球と高校野球は別の種目のような気さえする。
テレビで野球を見ていても飽きる時間だらける時間がありふと俳句など浮かぶ。
野球を見ながらけっこう俳句をつくっている。けれどそういう俳句は員数合わせになるがウイニングショットにはならない。サッカー、ラグビー、バスケットボールを見ながら俳句は思い浮かばないから野球観戦は不思議な時間である。
母や妻など女衆が野球など見ないのは興味がないのと、膨大な時間を取られることだろうとずっと思ってきた。
しかし多くの人がこんな長く時間を費やすものを見る。テレビならまだしも野球場へ大勢駆けつける。これはとても不思議なことではないか。
はたしてこんなに時間を蕩尽するスポーツがずっと続くであろうか。サッカー、ラグビー、バスケットボールはどれも2時間以内に終わる。映画も2時間を越えるのは少ない。
プロ野球を長くしている大きな要素は投手が頻繁に替わること。それに打者がファウルで粘ることが挙げられる。
カウントが3-2になってからいい打者は危ないボールをカットしてファウルにして四球や甘いボールを待つ。
これは打者の技量だが見ていて飽き飽きし、投手が気の毒になる。投手が打者ひとりに費やす時間は、医師がひとりの患者にかける時間よりべらぼうに多い。生死に関係ない事案でそこまで時間をかけなくていいのではないか。
スリーバント失敗はアウトという規則があるからそれを援用して、3-2からのファウル3本の時点でアウトにしたらどうか。かなり流れがよくなるだろう。
日本の高校野球やアメリカのメジャーリーグで3-2から打者がファウルを打ち続けるシーンはあまり見ない。日本のプロの打者は特異な存在かもしれない。
ぼくがプロ野球の進行を心配してもしかたないのだが、野球というべらぼうに時間を食うものが現代に存在し続けることが不思議である。時間だけでなく場所も取るし、それに携わる選手に道具などの経費もほかのスポーツより重くのしかかる。
国に余裕のあることの象徴だが、時間短縮に関係者がそう一生懸命になっているように見えないのも不思議である。
