病院に戻った心音が、母から北海道への早期の転院を知らされショックを受ける中、酔って公平と騒ぎ、七海に近所迷惑と怒られながら帰宅した葵はマンション前で待ち構えいた富永と遭遇していた。「やっぱり仮病だった」厳しい表情の富永。「三浦君のせいであたしの仕事が増えて大変何だけど?」富永は仕事の資料を葵に渡した。「でも俺、降りろって言われましたし、富永さんみたいに才能無いですから」ため息つく富永。「あっそ、もう頼まない」富永は帰ってしまった。病院ではあかりが心音の様子を見に行っていた。「私、何か悪いことした? お祭り行きたいだけなのに。花火、見たいだけなのに」心音は泣いていた。
次の日、葵は段ボールに荷物を纏め始めていた。仕事関連から何から何まで、床に落ちていた丸められたあかりの『理想の家』の間取り図も段ボールに放り込んだ。そこへ、当のあかりが訪ねてきた。「お願いがあるの、サザエさん家の間取り図描いて」「はぁ?」戸惑う葵だったが、書き出すと集中する葵。その様子をあかりはずっと見ていた。「はい、できたよ」「こうなってたんだ!」出来映えに感心するあかり。「凄いね、葵。やっぱり建築家何だね!」「お願いって、そのこと?」「これ、描いてほしい」あかりはチラシの裏に描いた『設計図』を差し出した。「難しいんだね、全然形にできなかった」「実は俺」「好きだよあたし」言わせないあかり。「葵が作る物、このテーブルも、ラックも、兎小屋も、何かホッとする。これからそう感じる人、きっとたくさんいるよ。それって凄い才能だよ。だから描いてほしい、葵にお願いしたいの。ごめんね、でも考えてほしい」あかりは部屋を出て行った。「あかり!」マンションの前を歩くあかりを、葵はベランダから呼び止めた。「食ってく? 三浦家特性カレー」「うん!」葵は冷凍していた? カレーを出し、
4に続く
次の日、葵は段ボールに荷物を纏め始めていた。仕事関連から何から何まで、床に落ちていた丸められたあかりの『理想の家』の間取り図も段ボールに放り込んだ。そこへ、当のあかりが訪ねてきた。「お願いがあるの、サザエさん家の間取り図描いて」「はぁ?」戸惑う葵だったが、書き出すと集中する葵。その様子をあかりはずっと見ていた。「はい、できたよ」「こうなってたんだ!」出来映えに感心するあかり。「凄いね、葵。やっぱり建築家何だね!」「お願いって、そのこと?」「これ、描いてほしい」あかりはチラシの裏に描いた『設計図』を差し出した。「難しいんだね、全然形にできなかった」「実は俺」「好きだよあたし」言わせないあかり。「葵が作る物、このテーブルも、ラックも、兎小屋も、何かホッとする。これからそう感じる人、きっとたくさんいるよ。それって凄い才能だよ。だから描いてほしい、葵にお願いしたいの。ごめんね、でも考えてほしい」あかりは部屋を出て行った。「あかり!」マンションの前を歩くあかりを、葵はベランダから呼び止めた。「食ってく? 三浦家特性カレー」「うん!」葵は冷凍していた? カレーを出し、
4に続く