羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

探偵の探偵 3

2015-08-28 23:10:27 | 日記
ハサミ取って琴葉の右腕を浅く切った! 桐嶋が改めて押さえ込み重体の淀野のことを出して脅しても叫ぶばかりの秋子。直ぐに母親がノックしてきた。「どうしたんですか?」「大丈夫です」桐嶋は簡単に対応し、琴葉と共に手早く退散した。「秋子! 秋子!」母親は絶叫する秋子に慌てて駆け寄ったが、元々精神科の訪問看護を受けている為、平時の発作と今の錯乱の区別はつかなかった。
「大丈夫か?」「ありがとうございます」「これ以上奴を深追いしても無駄だ」帰り道、桐嶋は琴葉と話しながら帰ったが、後をつける影に気付くと琴葉を先に帰し、後をつける者を一人で引き付け、人気の無いトンネルに誘い込んだ。相手は例の野放図の妙に身体能力の高いタンクトップの男だった。「何の用だ?」問うと、男は逃げ出した! 追う桐嶋! 男はホテルまで逃げ、屋上まで追い詰めるとカポエラ? の蹴り技で襲い掛かってきた! 桐嶋は足払いで転ばされるが手堅く受けに徹し、隙を見て膝蹴りと回し蹴りで男を吹っ飛ばし、ボディブローとフックで距離を取り、男が突進気味に殴り掛かって来るとカウンターで交差様に体が浮き上がる程強く殴り付け、ダウンさせた!「お前、何者だ?」桐嶋は問うた。
男は野放図のケツモチの暴力団が野放図内に放っていた密偵だった。どうも須磨も昔、密偵をしていたらしい。今回の騒動を受け、警告に寄越していた。「わかった、私の方で手を打とう」件の暴力団はシノギを稼ぐのに近年悪徳探偵を使うようにもなっていた。
琴葉が惣菜を買ってマンションに帰ってきた。「ただいま」玲奈は暗い部屋でただ座っていた。「御飯まだですよね? 食べましょ?」「手、どうしたの?」今日の秋子への調査をざっと話す琴葉。「ごめん、そんなことに付き合わせて」「そんなことって、玲奈さん?」玲奈はリビングのソファに座り直した。
     4に続く

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