羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

探偵の探偵 2

2015-08-28 23:10:38 | 日記
直に過剰防衛と揶揄されるのは目に見えていた。証拠は無く、ロクに話さない玲奈に長谷部は苛立った。「早く答えろよ。黙ってないで答えろよ!」「何をしたって、亡くなった人は帰ってこない」玲奈は力無く呟くだけだった。帰りに坂東に呼び止められた。「俺は窪塚とは違う。お前に同情などしない。必ず尻尾を掴んでやる!」玲奈は答えず去った。
その後も引き籠る玲奈に代わって、琴葉は一人で対探偵課の業務を始めていた。特定の公衆電話への電話や、悪徳探偵の個人情報の洗い出し、チンピラ程度だが悪徳探偵との直接交渉やスタンガンを使った撃退など、手堅く業務をこなす琴葉。一件目を片付け、ジムで体を鍛えていると須磨が来た。「頼もしいな。君にやって貰おう」須磨はメモを差し出した。メモは精神科の訪問看護課の連絡先だった。前回錯乱した野放図の女、秋子が定期的に訪問診療を利用していることを須磨達は突き止めていた。
琴葉は秋子の母に成り済まし、病院に予定日を断り、医師と看護師の代わりに桐嶋と共に秋子の家に向かった。桐嶋の指示でマンションのインターフォンは使わず電話でロックを開けさせ、マンションへ入った。「秋子、先生が見えたわよぉ」母に秋子の部屋のドアを開けさせ、中に入る桐嶋と琴葉。母が奥に下がり、部屋の鍵を閉めると、代理の医師と看護師という設定はすぐに捨て、秋子を無視するように家捜しし出す桐嶋と琴葉!「何してんの?! 止めてよ!」桐嶋に掴み掛かるが払い飛ばされる秋子! 暴れたが、すぐ押さえ込まれた。「野放図の中心メンバーの一人か?」「誰だよお前ら?」「サワヤナギナナの電話番号かメアド、あるなら出せよ」「あの女の仲間?」「早く出して!」琴葉も目の色が違った。「接触無しにどう依頼する?」「うぇえっ、ウァアアアッ!!!」秋子はまた錯乱し出し、桐嶋を振りほどき、
     3に続く

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