羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

アルスラーン戦記 2

2015-06-03 22:41:00 | 日記
伺うイノケンィス。「皇帝には后妃が必要と世間は思っておる!!」意を決し言ってみたイノケンィス!「余もそれは正しいと思う」賢人風に言ってみるイノケンィス。タハミーネは目を閉じていた。「何か、欲しい物はないか?」もう一押しできず、まごつくイノケンィスだった。上階の窓からそれを渋い顔で見ていたギスカール。側でヒルメスも見ていた。このイノケンィスの恋にボダンは激怒していた。「イアルダボートの恩寵を受けぬ、呪われた異教徒めぇッ!! なぜ国王陛下はあやつを火刑にせぬ!!!」卓を叩き、水差しや果物やパンを盛った器等を怒りに任せて払い落とすボダン。「ウガァアアウゥッ!!」獣のように唸るボダン。
ボダンは城の前の大広場にパルス王立図書館の蔵書千二百万冊を積み上げ、油を撒かせた!! 夜、群衆が集まる中、急拵えの木の櫓の上にボダンは現れた。「火を放て! 焼き尽くせ!!」巻物状の貴重な書物は燃え上がった!!! どよめく群衆!「ダメだ、パルスの宝を!」「寄るな寄るな!!」ルシタニア兵は近付こうとする者を阻んだ。「燃やせ燃やせ! 邪悪な異教徒の書じゃあッ!! 滅っせ! 灰に処すのだぁ!! ヒァアハッハッハッハッ!!!」ボダンは煽った。その背後で見届けるハメになったギスカールとイノケンィス。手巾で口元を抑え困惑するイノケンィス。
ここで一人の兵士がボダンに歩み寄った。「大司祭様」「ううん?!」振り返るボダン。「いかに異教の書とはいえ、こ、これ程貴重な書物を研究もせぬまま、火中に投じてよいものでしょうか? 燃やすとしてもその価値を」錫杖で櫓の床を突くボダン。「冒涜者めッ! 人の世にはイアルダボートの聖典だけで充分だ! 悪魔が書かせた書は滅ぼさねばならん!!」「ですが、医学書まで燃やすのは」「黙れ!」ボダンの剣幕に驚くイノケンィス。「イアルダボート神を心から敬う者には!」
     3に続く

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