「めちゃくちゃな文章だな」奇書の解読に苦戦しているルパン。項を捲り「とんだラビリンスだぜ。あんたスゲェよ俺様のハートに火を点けちまった」ルパンは笑った。別室のレベッカは「コウ」呟いていた。「さすがに、一晩じゃ無理じゃない?」「賭けるか?」不二子と次元は話していた。「無理よ」「煙草1カートンだ」煙りを吹かす次元。「よーし、乗った」不二子は受け、賭けは成立した。
「ようこそ、イタリアの夢へ」ルパンが奇書のメッセージを読み解き文字を書き込むと、その文字は色を変えて浮き上がり始めるように見えた。「入るぞ? おいっ、ルパン」「ほーらね」次元と不二子が部屋に入ると、ルパンは眠っているように見えた。「ありえねぇ、なんだこりゃ?」寝たまま話すルパン。「寝言? ルパンは夢を見ないんじゃ?」不思議がる不二子。ルパンは奇妙な夢の中に居た。あちこちに文字や数字の書かれた迷路の様な街。スフィンクスに出会うと食べられそうになるルパン。逃れて自分に気付かない学生のレベッカとすれ違う。レベッカの後を追う奇妙な虫。「おうっ、やってるやってる。お酒と煙草、買っといたよぉ」学生のレベッカは奇書を書いている途中の眼鏡を掛けた男の元へ来ていた。
後から男に抱き付く学生のレベッカ。「ワイン、開けちゃおうか?」「だめだ」「私、もう大人だよ? リベルタスに生きろって言ったの、コウじゃない」「そんなワイン、お前には似合わない。お前が始めて呑むのは、最高の赤ワインじゃないとな。いつか二人で呑もう」「うん!」学生のレベッカが頷く、屋根裏から天井に聴診器を当てていたルパンも頷いた。(あいつがレベッカが愛したって男かぁ)「リベルタスってさぁどういうこと?」「作られた世界に自由は無い。自分の手で世界を作る自由。それがリベルタスさ。例えば赤ワインだ。葡萄の産地や品種を選んで、
2に続く
「ようこそ、イタリアの夢へ」ルパンが奇書のメッセージを読み解き文字を書き込むと、その文字は色を変えて浮き上がり始めるように見えた。「入るぞ? おいっ、ルパン」「ほーらね」次元と不二子が部屋に入ると、ルパンは眠っているように見えた。「ありえねぇ、なんだこりゃ?」寝たまま話すルパン。「寝言? ルパンは夢を見ないんじゃ?」不思議がる不二子。ルパンは奇妙な夢の中に居た。あちこちに文字や数字の書かれた迷路の様な街。スフィンクスに出会うと食べられそうになるルパン。逃れて自分に気付かない学生のレベッカとすれ違う。レベッカの後を追う奇妙な虫。「おうっ、やってるやってる。お酒と煙草、買っといたよぉ」学生のレベッカは奇書を書いている途中の眼鏡を掛けた男の元へ来ていた。
後から男に抱き付く学生のレベッカ。「ワイン、開けちゃおうか?」「だめだ」「私、もう大人だよ? リベルタスに生きろって言ったの、コウじゃない」「そんなワイン、お前には似合わない。お前が始めて呑むのは、最高の赤ワインじゃないとな。いつか二人で呑もう」「うん!」学生のレベッカが頷く、屋根裏から天井に聴診器を当てていたルパンも頷いた。(あいつがレベッカが愛したって男かぁ)「リベルタスってさぁどういうこと?」「作られた世界に自由は無い。自分の手で世界を作る自由。それがリベルタスさ。例えば赤ワインだ。葡萄の産地や品種を選んで、
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