寺では香織が知らずにいつかのELAでの結婚式の時の様に高嶺の手を取ったが、その手を振りほどかれていた。そして、面接に受かった潤子はニューヨーク行きの航空券を清宮に渡された。25日、クリスマスに出立が決まった。高嶺は紅い作務衣から洋装に替えた香織と香織の両親に挨拶を済ませ、潤子は寧々に「これ、貯まったね」とニューヨーク貯金箱を渡されたりしながら、出立の準備をしていた。そんな中、潤子の手紙は寺田からひばりにも渡され、24日のクリスマスイブとなり、高嶺からELAの一同や商店街の人々に感謝状が届いていた。
何も知らない潤子がELAに出勤すると清宮以外、誰もいなかった。「桜庭」「は、はい」戸惑う潤子。寺には高嶺からの感謝状を持ったELA一同や三嶋、商店街の人々が来ていた。表に出る高嶺、香織、ひばり、その他の寺の人々。様子を見る天音。 清宮は潤子に高嶺の感謝状には全て潤子のことが書かれていると話し「桜庭、あの人、まだお前のことを」「もう遅いです。明日ニューヨークに行くんですよ?」「明日だからこそ、会いに行ってこい。会いたい時に会えるって、当たり前のことじゃないんだぞ? 俺はもう会えないんだ。桜庭、俺はお前が好きだ。好きになって、またこうやって誰かを愛せたことが、本当に嬉しいんだ。だから、お前も好きな人と一緒になってほしい」それでも潤子は、動けずにいた。
寺からアーサー達が帰った後で、事態を見届けた香織は高嶺に言った。「高嶺様、痴話喧嘩には、もううんざり致しました。呆れて気持ちも冷めてしまいました。今度は、ちゃんとわたくしのことを好きでいてくれる方を探します。高嶺様、さよなら」去ろうとする香織に「ありがとうございました」高嶺が礼を言うと、香織はため息をつき、振り返って高嶺に軽く頭を下げ、前を向いて去って行った。
潤子がまだELAで
6に続く
何も知らない潤子がELAに出勤すると清宮以外、誰もいなかった。「桜庭」「は、はい」戸惑う潤子。寺には高嶺からの感謝状を持ったELA一同や三嶋、商店街の人々が来ていた。表に出る高嶺、香織、ひばり、その他の寺の人々。様子を見る天音。 清宮は潤子に高嶺の感謝状には全て潤子のことが書かれていると話し「桜庭、あの人、まだお前のことを」「もう遅いです。明日ニューヨークに行くんですよ?」「明日だからこそ、会いに行ってこい。会いたい時に会えるって、当たり前のことじゃないんだぞ? 俺はもう会えないんだ。桜庭、俺はお前が好きだ。好きになって、またこうやって誰かを愛せたことが、本当に嬉しいんだ。だから、お前も好きな人と一緒になってほしい」それでも潤子は、動けずにいた。
寺からアーサー達が帰った後で、事態を見届けた香織は高嶺に言った。「高嶺様、痴話喧嘩には、もううんざり致しました。呆れて気持ちも冷めてしまいました。今度は、ちゃんとわたくしのことを好きでいてくれる方を探します。高嶺様、さよなら」去ろうとする香織に「ありがとうございました」高嶺が礼を言うと、香織はため息をつき、振り返って高嶺に軽く頭を下げ、前を向いて去って行った。
潤子がまだELAで
6に続く