羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

ヴァイオレット・エヴァーガーデン

2019-09-08 23:12:36 | 日記





テレビ版の時点で線は細くとも作画は凄かったから『引き続き』ハイクオリティ、というノーブルな立ち位置の本作。アクションを盛る方にリソースを振る話でもなかった。ダンス(綺麗過ぎてオッサンが観てるのが申し訳ないくらい)と錨(敵襲かと)は派手だったが。代筆屋女子等の衣装は大体落ち着いていた。イザベラ(エイミー)が人物二人分の情報量で油断するとちぐはぐになりかねないくらいなところは、画と演出とアフレコ力で押し切られた。強っ。女学校編は実は同級生がヴァイオレットにずっとイライラしていたという辺りが百合的MAXっ! 時が経ち結局親族には忌まれ、清潔過ぎたりちょっと朴念仁で残酷なところがあるヴァイオレットと疎遠になって引き籠る溜めが最後の心の解放に説得力を持たせた。全部都合よく解決はしないことでその部分の傷を慈しんでいる。この慈しみは郵便男が最終盤で老婆に対して言葉を選んで接するようになるところにも現れていた。後半のテイラーエピの尺がたっぷりあるのは郵便男の心を動かし、エイミー(少し忘れられているのが泣ける)に直には会わない選択が今は必要と悟らせるのに必要な期間だったのかもしれない。子供ながらにただの子供のままこれ程のことをしてくれた相手に会うのは違う、と思ったんだろう。そして、美しい主人公ヴァイオレットの今後が幸多からんことを願いたい。