羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

anone

2018-03-23 21:40:08 | 日記



 あの工場でずっと暮らせるとは・・・他はそれなりに酷薄な結末となったが、そこだけはピンポイントで例外だった。個別の筋や繋がりはやや朧気な印象もあったが、亜乃音が母性を取り戻しハリカが娘として自立を決断するところまで人間性を回復できた。結ばれるとは思っていなかったが、彦星との別れがああいった形になったのは少し意外。娘の代わりに青羽の幻覚の中に取り込まれた舵のイメージが、生前のままであったり生前の抑圧から解放されたモノではなく、女性的に理想化された姿なのはやはり青羽が根っこでは救われなかった人であることを示しているようでちょっと悲しかったね。中世古の最後の嘘もそう長くはあの子供を救えないだろうが、自分を救おうとした人がいた事実にいつか助けられる日がくるかもしれない。例えその人物の為に周囲の人々が引き裂かれた事実が並列していても。言葉足らずの人々の物語であったが、何とか安息の兆しは見える結末にはなっていた。