いちふじ

８月の終わりのことだ。不思議な夢を見た。

家の窓から富士山の頭は見えて、それが次第に裾まで姿を現した。そこで目は覚めた。

起きてすぐに思ったのは、これは良い夢だということで、

お金のない自分は、これは宝くじの当たる夢かもしれないと閃いた。

そして富士山にまつわる数字で真っ先に浮かんだのは、

標高、高さだった。

朝になって早速ネットに富士山の高さを確認すると、３７７６メートル。

これは数字４桁を当てるナンバーズ４の数字に違いないと短絡した。

けれども当たるとわかると、それ程高揚せず冷めたものなのであった。



その日、宝くじ売り場は開店前だった。

ナンバーズ４を買うのは後でいいやと、買い物などしたのだが、

これがいけなかった！

買い物を終えると、さあ帰ろうとなって、まっすぐおうちへ帰ってしまったのだった。

家に帰る道すがら、ナンバーズ４を買わなかったことに気づくと、

まあいいや。２００円のほうが大事。どうせ当たるとは限らないし。

帰ろ帰ろと、のこのこ家へ帰ったのだった。無念。



翌日、ナンバーズ４の結果を調べると、７７３６。

ストレートで買う気はなかったから、ボックス買いだから、

当たり！９００００円！



この時から今日まで後悔が続いている。