先ほどまで日差しがあったからか庭や畑に出て作業をしていると汗ばむほどでありました。
いや、温かいと言うのも確かではありますが自分の身体がそろそろ冬体質に馴染んだのだと思います。
今日はユキナを蒔きました。
ユキナは雪菜と書きまして、多分東北地方特有の冬の菜だと思います。
名前の通り雪の降る頃に収穫する物ですが、採りそびれて雪に埋もれたらしめたものであります。
雪の下の菜は寒さに耐えるためか葉を皺くちゃにして雪に接する面積を減らし糖分を蓄え甘みを増すのであります。
が、それは上手な農家さんの作るものでありまして似非百姓の自分の雪菜はただの菜っ葉でありますが、それでも冬には雪菜を作らないと落ち着かないのであります。
今朝、トイレに入って何気なく手にした本が坂口安吾の「白痴」でありました。
あれです、自分のトイレの壁には自作の本棚が設えてありまして約250冊ほど、主に文庫と新書系が収まっているのであります。
で、滞留時間の長い自分は物思いに耽ったりスマホのニュースを見たり、時には目に入った本を開いたりするわけであります。
それが今朝は「白痴」でありました。
いや、何度か読んでいるものなんですが今回は引き込まれたと申しますか、こんなに強い印象を持った記憶がないのにやたらと引っ掛かるのであります。
引っ掛かるとは不正確ですが、なんと申しましょうか、厭らしい感じをひしひしと受けるのであります。
嗚呼、俺だわ・・・自分に酔っている大バカ者の所業だわと、まるで自分の過去を見る気分になったのであります。
まっ、冒頭の30ページほどを流し読みした感想なので適当なものではありますが、女と金にだらしなく屁理屈をこねては自堕落な生き様を正当化する・・・なんちゃって。
あれです、中学の国語の時間に感想文を書いてこいと言われ倉田百三の「出家とその弟子」を取り上げて書いて行ったわけですが、先生の評価は丙でありました。
原稿用紙で10枚以上の大作だったのに・・・馬鹿野郎、なんちゃって。
いや、ガキの頃から道ならぬ男女の関係ってのが大好きでして、とくに蓮っ葉な女や春をひさぐ女との関係ってのに強く惹かれたわけであります。
なんと申しましょうか、社会の全ては男女の関係から始まり、そして終わると思うのであります。
なので男が女に夢中というのは自然でして、それをどうするかって処で経済、なんてのも出てくると思うわけです。
いや、女が男に夢中ってのもあるんですが、それでも女はあくまでも受け身でして、生物の特性として普遍と思うのであります。
で、春をひさぐ女と買う男ってのは経済の問題なんですが、そこに人情とか心の問題を持ち込むと突然社会を否定することになりかねないわけでして、小説では大概そーいうことになるわけであります。
へっ? 相当意味不明、ですか?
そーですか、男と女じゃ無い間柄も市民権を得た時代ですからそーとも言えますが、まっ、いいでしょう。
それにしても、もしも白痴の「いずこへ」の「私」が安吾自身であったとしたら、あの時代の三文文士は随分とモテたのであるなと、羨ましい!!!
いいなぁ、助平で甲斐性なしの「私」にぴったりな自堕落な女との道行き!!!
嗚呼、そういう想いを抱くには少し齢をとりすぎた、なんちゃって。