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国連は「国際連合」ではなく「戦勝国連合」と理解すべし

2016年03月10日 | 外国

さて、皆さんは国連をどのようにお考えになっておられますか?

国連は加盟諸国が集まった「中立的な組織」と思っておられませんか。

 

日本では、国連は世界連邦をめざし恒久平和をもたらす、という理想的なイメージで捉える方も多いのではないでしょうか。

 

現に、「国連中心主義」は、わが国外交の原則となっているのです。

 

しかし、国連の成り立ちや経緯を知れば、そのことが間違いであることが分かるはずです。

「国連」は正式には「United Nations」(通称、UN)と言い、「国際連合」と和訳されています。

 

しかし、この和訳がそもそもの「間違い」でした。「United Nations」は「連合国」と直訳すべきだったのです。英語名称に「国際」を示す「international」や「universal」は入っていないのです。世界中のほとんどの国は「国連」を「連合国」と呼んでいます。

 

では、だれがそのような和訳をしたのか、ということですが、明確には記録として残っていません。ただし、外務省外交史料館の資料や外務省OBの聞き取り調査から元駐英大使(故人)が「名付け親」であると推測されている。

 

では、なぜ余分な「国際」という名称を付けたかについては、不明ですが終戦直後に「連合国=戦勝連合国」では、日本国内に受け入れられないと外務省が判断したのだと思います。しかし、これが後々、禍根を引き起こすことになったのです。

 

「国連」は第2次大戦末期の戦時中に「連合国」の軍事同盟関係を国際機関として発展させたものというのが、その生い立ちである。そして大戦中の連合国 The United Nationsという名称がそのまま使われたのでした。「国連」は「連合国」の軍事同盟関係を発展させたものなのです。

 

このような経緯があるために、一番の問題はいまだ日本に対して「敵国条項」が生きていることです。この「敵国条項」とは、簡単に言えば、国連の(条文の)中では、敵国(日本)が再度戦争を起こそうと画策したと判断されただけで、いつでも戦勝国側(米・英・中・ロシアほか戦勝国など)は、無条件で日本を攻撃できる!という条文になっているのです。

 

この敵国条項を盾に、中国は尖閣諸島に日本が不法に対応しているという理由で、日本に攻撃ができると公言しているのです。

 

同時期に敗戦国であった ”ドイツ、イタリア、日本”の3国では、今やドイツ、イタリアは、NATO加盟国として、正式に同盟国になっており、敵国条項を(国連)勝利者国側からはずされているのです。唯一、日本だけがこの敵国条項を適用される国となっているのです。

 

このように考えた場合、国連が戦勝国連合であることがよくわかるでしょう。

彼らの考えのなかには、平等主義や中立主義があるわけではなく、あくまでも戦勝国の優位性にこだわっているのです。

 

この敵国条項に関しては、日本から何度も削除するように国連に要請しているが、近い将来には廃止しましょうと言うのみで、まともに相手にされていないのです。このような条項は即断できるものですが、どこかの国の思惑により決定できていないのです。

 

これだけ戦後、途上国支援や世界貢献をしておりながら、いまだに立場としては、相変わらず単なる敗戦敵国扱いだということに毅然と対応しなければなりません。一方的に、戦勝国側に攻撃されても仕方がないという敵国条項の対象国であることに、抗議しなければならないのです。

 

現在、国連に拠出している国連分担金はどのようになっているのでしょうか。

 

2000年のわが国の分担金は全体の20.6%に達しており、これはアメリカを除く4大国(常任理事国)の合計13.7%をはるかに超えている。中露に至っては、それぞれ1.1%、1.0%と日本の20分の1なのです。1%程度しか負担していない国が安全保障理事会で何でも自分の気に入らない案は即座につぶせる拒否権を持ちながら、20%を支払っている日本が「敵国」という不名誉な差別を受けているのです。普通に考えても、これは問題でしょう。

 

この国連分担金は、2013年では、日本の分担金は10.8%まで下がっていますが、アメリカに次いで2位の座は変わりません。ちなみに、3位はドイツ(7.1%)、4位はフランス(5.6%)、5位はイギリス(5.2%)で、中国は6位(5.2%)、ロシアは11位(2.4%)です。

 

そして、国連に関しては、まだ問題があります。

昨年の中国での「抗日戦勝記念式典」に国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長が出席したことです。これについて日本政府は「中立性に問題がある」と国連に懸念を伝えたが、事務総長側は聞き入れなかったのです。

 

現在の事務総長は国連内でも問題の多い、評価の低い人だと言われていますが、これほどまでにあからさまに行動をすれば、もう国連自体の評価を疑われることになると思います。このことは、国連が「戦勝国連合」だと考えての、事務総長の行動ではなかったのでしょうか。

国連が中立であるというのは、今は幻想でしかありません。

 

国連の安保理は、戦勝国が占めており、どのように国連改革を唱えても、受入られないのは、この理由によるのです。

私たちの国では、国連は平和裏に国際社会を治める要の機関であるというように、学校で教育されてきたが、それは間違いなのです。

 

しかしながら、世界の平和と安全の維持に責任を負い、基本的人権や人間の尊厳を約束する世界機構は国連しかないという現実もあります。それでも、今の国連では、世界平和を叶えるのは不十分です。大幅な国連の改革や今の国連に変わる組織、機構の構築が必要な時代になったということではないでしょうか。

 

私たちの声を首相官邸や外務省に届けなければ、真の改革につながらないと思います。

 

---owari---

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