けさ届いた日経のメルマガに、次のような記事が載っていた。
「欧州鉄鋼大手SSABは近く、『水素還元製鉄』と呼ばれる製造法でつくり、二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に抑えた鋼材の供給を日本で始める。石炭の代わりに水素を使った製鉄法で、脱炭素の将来的な切り札とされる。物流や原材料などを含めたサプライチェーン(供給網)全体で大部分を占める製造時でのCO2排出をゼロ近くに抑えた。」
この記事を見て、私は、だいぶ前に自分が書いたブログ記事を思い出し、本ブログの過去ログを探してみた。こんな記事が見つかった。
「NHKのニュースは次のように伝えている。
『太陽の光を当てることで水を水素と酸素に分解する『光触媒』の働きを活用し、100平方メートルの規模で純度の高い水素を安全に取り出す実験に、東京大学などの研究チームが成功しました。広範囲での実験は過去に例がないということで、次世代のエネルギーとして注目される水素を大量かつ低コストで作る技術につながる成果として期待されます。』」
(NHK NEWSWEB 10月17日配信)」
(2021/10/20 《希望の水素》)
ここでNHKのニュースが伝えたとされる画期的な水素製造の技術ーー「光触媒」の働きを活用した新技術は、(けさの日経のメルマガが伝える)「水素還元製鉄」と呼ばれる製造法と、何らかの関係があるのだろうか。
関係があるのかどうか、技術畑に門外漢の私には判るはずもないが、もし関係があるとすれば、半年ほど前に日本の大学研究室で考案された新技術が、半年という時間の経過を経て、ヨーロッパの企業によりやっと実用化されたことになる。
日本の企業ではなく、ヨーロッパの企業が開発を行い、しかもこの技術によって作られた製品の鋼材を発売する、そのビジネスの舞台が日本の市場だというのも皮肉な話だが、自国発のアイデアを実用化できないのは、今の日本産業の衰退ぶりを象徴している気がする。
なんとも情けない気がして、憂国ジジイの私としては、愚痴をこぼさないわけにはいかなかった。