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けんりゅう SS-504 そうりゅう型潜水艦の4番艦

2012-04-24 05:26:42 | 艦艇(自衛隊・保安庁・その他)

そうりゅう型潜水艦の4番艦、「けんりゅう SS-504」です。ネット上で4月11日、呉基地に入港以来やたらと「艦名、艦番号消される前に撮影…。」アップされ賑わってる事が多かったので私も撮影に行って参りました。

「けんりゅう」は、中期防衛力整備計画に基づく平成19年度計画2900トン型潜水艦8119号艦として、川崎造船神戸工場で2008年3月31日に起工した。2010年11月15日、川崎造船神戸工場にて挙行された進水・命名式において、「けんりゅう(「剣龍」の意)」と命名され、進水しました。「武を示す「剣」を含む勇猛果敢なイメージの名称が適当であるとして選定」。2011年8月25日から海上公試を開始、2012年3月16日に就役した。配属先は第1潜水隊群第3潜水隊で、母港は呉。 艦長: 岡林眞人 (2012.3.16 - )

「そうりゅう」は、大日本帝国海軍の御召艦「蒼龍(初代目)」、航空母艦「蒼龍(二代目)」と同じく、蒼い龍を指し、「うんりゅう」は航空母艦「雲龍」と同じく、雲間を飛ぶ龍を指す。海上自衛隊は「海象(海の自然現象)と水中動物の名」を潜水艦の命名基準としていたが、2007年(平成19年)11月5日付けで行われた命名付与基準の改正で「瑞祥動物(縁起の良い動物)の名」が使用できることとなり、「龍」を用いた命名はこれに基づいています。従来から、「しお」の海象名を使い果たした場合は「りゅう」を採用することが検討されていましたが、実際には海上自衛隊の潜水艦は最大でも十数隻で、「しお」を繰り返し使うことで対応し、これまで「りゅう」の出番はなかったとされています。潜水艦に動物の名を与えることは、かつてのアメリカ海軍はじめ各国に例があり、世界的に見れば珍しいことではありません。アメリカ海軍やイギリス海軍では、かつての戦艦の名称を持つ潜水艦が存在していますが、これは弾道ミサイル型や次世代攻撃型(いずれも原子力推進艦)が戦艦に代わる地位を占めるとみなされたためで、通常動力潜水艦での例はありません。このように海自だけ世界の流れからそれた独自の例は「手旗信号」のように「ちょこちょこ」あるようです。


以下プレス向け資料 
「潜水艦「けんりゅう」を引き渡し:
 川崎重工は、3月16日、午前11時30分から神戸工場西浜岸壁において防衛省向け潜水艦 「けんりゅう」の引渡式を杉本海上幕僚長、細谷海上幕僚監部装備部長、佐藤装備施設本部副本部長を始めとする防衛省関係者ほかのご出席のもとに行います。

 本艦は、潜水艦「そうりゅう」型の4番艦として当社が鋭意建造してまいりました。戦後、当工場で建造した潜水艦としては25隻目に当ります。

 また、優れた水中運動性能と推進性能を持ち、船体には高張力鋼が使用されています。

さらに、スターリング機関採用による潜航性能の向上、各種システムの自動化、高性能ソーナー装備による捜索能力の向上、ステルス性能の向上などが図られているとともに、諸安全対策も十分に施されています。

 本艦の工程ならびに主要目は次のとおりです。

工 程
起 工 平成20年 3月31日
進 水 平成22年11月15日
竣 工 平成24年 3月16日

主要目
長さ     :84メートル
幅      :9.1メートル
深さ     :10.3メートル
喫水(常備) :8.4メートル
基準排水量  :2,950トン
主機関    :川崎12V 25/25SB型ディーゼル機関 2基
        川崎コッカムスV4-275R スターリング機関 4基
        推進電動機 1基
軸数     :1軸
速力     :20ノット
主要兵装   :水中発射管 一式
その他    :スノーケル装置 一式 」  です。


そうりゅう型潜水艦は、運用及び取得中の新型通常動力型潜水艦です。海上自衛隊初のAIP(Air-Independent Propulsion、非大気依存推進)潜水艦。1番艦が平成16年度(2004年度)予算で建造される潜水艦(SS)であるため16SSとも呼ばれています。そうりゅう型は計画段階では改おやしお型と呼ばれていたが、性能面では従来艦と比較して大幅に向上しており、水中排水量4,200トンは現代の通常動力潜水艦としては世界最大です。また、AIP潜水艦としては既にスウェーデン海軍のゴトランド級潜水艦やドイツ海軍の212A型潜水艦などが就役しているが、いずれも水中排水量2,000トンに満たない小型艦であり、本型はAIP潜水艦としても世界最大(2011年現在)となりました。


船体
船体はおやしお型とおなじ“葉巻型”だが、舵に水中運動性が高く舵損傷の危険の少ないX舵を採用した。前級のおやしお型では、船体及びセイル側面にとどまっていた吸音タイルが、船体の上構部を始め艦全体に取り付けられ、セイル前面基部にフィレットと呼ばれる流線形の覆いを追加し、静粛性向上が図られています。
「あさしお」のAIP化改造では、全長で約9m、基準排水量で340トンの増加となったが、そうりゅう型では、機器の小型化やAIP区画以外の各区画でスペース圧縮が図られた結果、おやしお型と比較し全長で2m、基準排水量で150トンの増加に留まった。省力化により乗員は逆に5名減少しています。
動力
海上自衛隊では次世代潜水艦のAIP(Air-Independent Propulsion、非大気依存推進)システムとして、スウェーデンのコックムス社のケロシンと酸素を燃料とするスターリング機関(4V-275R MkII)の採用を決定し、2001年には練習潜水艦「あさしお」を改造して搭載し、実艦試験を行ってきました。そうりゅう型ではその改良型である4V-275R MkIII(連続定格出力75kW、川崎重工業でライセンス生産)を4基搭載し、数日間が限度だった低速時の水中持続力を2週間以上に延長しました。
『75kw=102ps(1 kワット(W)=1.36仏馬力(PS))』電動機は直流から交流へ変更されています。
センサー
潜望鏡は従来の光学式2本から、従来型と非貫通式潜望鏡1型(イギリス、タレスUK社製非貫通式潜望鏡CMO10を三菱電機でライセンス生産)各1本へ変更されました。ソナーシステムは、おやしお型のZQQ-6から「そうりゅう」はZQQ-7に、「うんりゅう」はZQQ-7Bに改良されています。指揮管制支援ターミナル(C2T:Command and Control Terminal)の装備など新機軸も採用されています。

2番艦(SS-502)からはソナーがZQQ-7Bに変更さました。7番艦(SS-507)からは新たなXバンド衛星通信装置が装備され、8番艦(SS-508)からは新たに潜水艦魚雷防御システム(Torpedo Counter Measures :TCM)が装備される予定です。また当初は、5番艦(SS-505)から、主蓄電池として、従来の鉛蓄電池と比べ、2倍以上の重量容積あたりエネルギー密度と、1.5倍以上の繰り返し充放電回数を持ち、充電時間が短く、放電による電気容量の低下を抑えたリチウムイオン蓄電池を搭載する予定でしたが、財政難によりいまだに搭載する目処が立っていません。リチウムイオン蓄電池の搭載が実現すれば、艦の巡航速度が改善し高速航行可能な時間が増大する予定となっています。さらに防衛省は、スターリング機関の後継の2020年代の次世代潜水艦用AIPシステムとして、2006年度から2010年度まで「次世代潜水艦AIPシステムの研究」の名目で燃料電池システムを研究したが、予測より水素吸蔵合金の技術的進展が遅滞し調達コストが高価になる見込みとなったため、事後の政策評価において、開発移行については技術進展を踏まえつつ十分な検討が必要であると結論付けられてしまいました。

 

以下、そうりゅう型SSの防衛局計画化資料

政策評価書(要旨) (事前の事業評価)
事業名潜水艦(2,900トン型SS) 担当部局防衛局計画課
政策分野防衛力整備実施時期15年6月~8月
事業の内容 16年調達→ 20年配備 はるしお除籍△
経費総額:約604億円
対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応して、水中完了年度:H20年度での航続時間を延ばすことを可能とする新たな推進システムや艦の運動及び動力の管制を行う艦制御システム及び武器システムを搭載し、隠密性の確保と省人化を図った潜水艦(2,900トン型SS)を平成16年度に1隻整備する。
所要経費約604億円(後年度負担額を含む。)
評価の内容
事業の目的
対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応して水中での航続時間を延ばすことを可能とする新推進システムや艦制御システム及び武器システムを搭載した、隠密性の確保と省人化を図った潜水艦を整備し、我が国防衛の任務を遂行する。

事業実施の効果・時期
水中での航続時間を延ばし、省人化を図った潜水艦の装備により、対水上レーダー、ソーナー等に発見されることなく我が国防衛の任務の遂行が可能となり、周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保能力を維持向上させる効果が得られる。16年度に調達を開始し、20年度に就役予定。

事業の必要性・適正性
○ 平成20年度に現有の潜水艦「はるしお」1隻の除籍が見込まれるため、減耗分を補充する必要がある。○ 我が国の防衛という任務を果たすためには近年の対水上レーダー、ソーナー等の技術の進歩に対応して、性能の向上を図った潜水艦が必要であり、水中での航続時間を延ばすことを可能とする新推進システムや省人化を図った艦制御システム及び武器システムを搭載した潜水艦を平成16年度に整備する。

今後の対応その他の参考情報
水中での航続時間を延ばすことを可能とし、省人化を図った潜水艦は、対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応するものであり、我が国防衛に有用であると評価できること
から平成16年度に所要の予算要求を行う。

 

以下、防衛局計画課資料

平成15年度政策評価書(事前の事業評価)
事業名:潜水艦(2,900トン型SS)
政策分野:防衛力整備
事業内容: 対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応し、水中での航続時間を延ばすことを可能とする新たな推進システムや艦の運動及び動力の管制を行う艦制御システム及び武器システムを搭載し、隠密性の確保と省人化を図った潜水艦(2,900トン型SS)を平成16年度に1隻整備する。
所要経費:約604億円(後年度負担額を含む。)
評価の内容
1.事業の目的
対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応して、水中での航続時間を延ばすことを可能とする新推進システムや艦の運動及び動力の管制を行う艦制御システム及び武器システムを搭載し、隠密性の確保と省人化を図った潜水艦を整備し、我が国防衛の任務を遂行する。
2.事業の必要性・適正性
(1) 当該事業の位置付け
� 防衛庁の政策分野及び上位の事業体系における当該事業の役割
「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱(大綱)」において、海上自衛隊は、「必要とする場合に、主要な港湾、海峡等の警戒、防備及び掃海を実施し得るよう、潜水艦部隊、回転翼哨戒機部隊及び掃海部隊を有していること」とされている。これに基づき、海上自衛隊は、潜水艦部隊6個隊16隻を整備・維持してきている。「中期防衛力整備計画(平成13年度~平成17年度)」においては、周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保能力を向上させるため、「艦艇については、護衛艦、潜水艦、掃海艇、ミサイル艇等を建造する。」としており、別表において潜水艦5隻の整備を計画しているところである。潜水艦については平成20年度に除籍が見込まれる潜水艦「はるしお」の更新として、平成16年度に1隻整備することを予定している。
� 防衛庁が当該事業を実施する理由
我が国の安全を確保することは防衛庁の役割であり、水中での航続時間の延伸と省人化を図った潜水艦の整備は、我が国の防衛に有用なものであることから、防衛庁の専管事業として実施することが適当である。
� 当該年度から実施する必要性
近年の対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応して、水中航続時間の延伸を可能とする新推進システムと艦制御システム及び武器システムを搭載した潜水艦の整備は緊要性を有するものであるため、平成20年度に見込まれる潜水艦1隻(「はるしお」)の除籍に対応して潜水艦1隻を就役させるため、建造期間を考慮し、平成16年度に整備に着手する必要がある。
(2) 当該事業の必要性
� 既存の装備等によらない理由
既存の潜水艦は、近年の対水上レーダー、ソーナーの技術進歩により、スノーケル航走中に発見される可能性が増してきている。このため、水中航続時間の延伸及び省人化を図った潜水艦を整備する必要がある。
� 他の代替手段との比較検討状況
隠密性、長期行動能力等を活用して常続的哨戒を行い、主要な海峡等の警戒・防備にあたれる潜水艦は、我が国の海上防衛等の任務遂行のため必要不可欠である。水中航続力の延伸を図っている潜水艦としてスゥェーデンのゴトランド級潜水艦があるが、任務達成のため必要な要求性能を満たすかは不明であり、輸入により最近の対潜水艦技術の進歩に対応した潜水艦を導入することはできないため、建造するもの。
(3) 当該事業における装備品等の数量等の事業内容の必要性・妥当性
我が国防衛の任務を遂行するため、対水上レーダー、ソーナーの技術進歩に対応して水中での航続時間を延伸し、省人化を図った潜水艦を平成20年度に除籍が見込まれる潜水艦の代替更新に充てるものであり、妥当なものと考える。
3.事業実施の効果・時期
(1) 実施効果
� 得ようとする効果
我が国の主要な海峡等の警戒・防備を行い、必要な潜水艦を配備し得る態勢を維持するため、作戦海域と母港との地理的関係等を考慮し、6個隊16隻の潜水艦を保有することとしている。(「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱(大綱)」)平成16年度に潜水艦1隻の建造に着手し、平成20年度に就役させることにより、この態勢を維持することができる。
新推進システム等を搭載し性能向上を図った潜水艦を整備することにより、水中における航続時間が延伸し、潜水艦にとっての最大の武器である隠密性を確保することができ、16年度計画潜水艦の就役年代において周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保能力を維持向上させる効果が得られる。
� 効果の把握の仕方
各種試験により、建造された潜水艦の性能について確認するとともに、運用試験を実施しその作戦運用における効果的な用法等を確認、開発する。
� 効果の達成見込みの根拠
技術研究本部で実施した潜水艦の技術開発における各種技術・実用試験を行った結果、必要な性能向上が図られる見込みである。
(2) 実施時期
平成16年度建造に着手、平成20年度就役予定。
今後の対応: 水中での航続時間を延ばすことを可能とし、省人化を図った潜水艦は、対水上レーダー、ソーナー等の技術進歩に対応し、我が国防衛に有用であると評価できることから、平成16年度に所要の予算要求を行う。


平成15年度政策評価書「潜水艦(2,900トン型SS)」その他の参考情報:参考資料
別紙第1 「潜水艦(16SS)の概要図」
別紙第2 「主要性能対比」
別紙第3 「基幹部隊の見直し及び主要事業(海上自衛隊)」 からです。

 

 

 

 

 


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