日々改善

今日の問題を明日に残さない!問題解決を図って行く様をリアルに描写していきます。経営コンサルの視点で物事を見ていきます。

笑顔の介護・しかめっ面の介護

2011-01-30 | 他人のフリ見て我が身を正す
介護される側の話ではありません。
病院で見かけた嫁姑(よめ・しゅうとめ)の姿を見て
ふと心に過(よぎ)った事を書きたいと思います。

お嫁さんは50歳前後、姑(しゅうとめ)さんは75歳前後だと思います。
あくまでも私の女性経験が少ない中での見立てですので
嫁姑なのか母娘なのか
50歳・75歳なのか40歳・70歳なのかは定かではありませんが・…。
年配の女性は車椅子に乗せられ(?)ており
横の椅子に座ったり、車椅子を押したりする若き女性は無表情で言葉少なです。

姑・・・「私の手提げ(バッグ)が無くなった、あんた知らん?」←やや痴呆気味なのか声がやたらに大きい
嫁・・・「今日は持ってきてないです。」←如何にも面倒臭そうで無表情
姑・・・「手提げどこ行ったんやろう?」
嫁・・・「持って来ていないです。」← 「ほんとにもうっ!」って感じ
姑・・・「ああ、車の中か…。」←独り言とは思えない大きさ
嫁・・・「持って来ていないです。」←呆れた感じ
姑・・・無言

私は診察があったので診察室に入ったのですが
診察を終えて出て来ると先ほどのお二人が廊下にいました。
姑・・・「ああ、手提げ無くなった。どっかに置いてきてしもうた」
嫁・・・「今日は持って来ていないです」
姑・・・「車の中かなあ・・・。」
嫁・・・「今日は家から持って出ていません!」
傍で見ている私がドキドキしてしまいます。

その後、私は点滴をするために別室に入り
約1時間後処置を終えて出て来ると
付添のお嫁さん(←勝手に嫁と決めてしまっていますが…。)が待合室の椅子に腰かけていました。
私が薬の処方を待っている間に御姑さん(←これも勝手にお姑と決めつけていますが…。)が
看護師さんに車椅子を押され、処置室から出てきました。
看護師さんに促され、お嫁さんはお姑さんの車椅子を押そうとした時に一声かけました。
「早く靴を履いて」
一連の流れを見ていた私はハラハラドキドキしながら
靴をつま先だけで引っ掛けているお姑さんの足元を見ていました。

右足は、ものの30秒ほどで履く事が出来ました。
そして左足です。
なかなか足が靴の中に収まりません。
車椅子での靴を履く作業は至難の技のように見えました。
そんな時です。
「あああ、痛い、いたあい!」
お姑さんは、太ももを痙攣させてしまったようです。
「痛い、いたい・・・。」
残念ながらお嫁さんはその言葉を聞いているのに「まだ履けないの、早く履いて!」
私は強い口調が気にかかりました。

それでも痛がる姑さん
靴を履くどころではないようです。
その姿を見ていたお嫁さんももう待ちきれないという感じで
「なんで靴が履けないのっ!?」
そう言って車椅子の前に回りお姑さんの足首と靴とを持って
ムギュッと靴の中に左足を滑り込ませました。

「ありがと」
小さな声でしたがお姑さんの声が私の耳にも届きました。
お嫁さんは返事をしませんでしたが…。

お嫁さんが車椅子を押そうとしたとき、お姑さんが
今度は大きな声で「私の杖がない!どこ行ったやろ?私の杖がない!」
「私が持ってますっ!」お嫁さんは早く病院から出たいようでした。
「えっ!?私杖を持っとらんのやって、どっかに忘れてきた!」
「だから私が持ってますって!行きますよ!」そう告げたかと思うと
お嫁さんはお姑さんが乗った車椅子を強引に押して行きました。

数秒後、遠い所で「私の手提げがない・・・」
そんな声が聞こえてきました。

確かに介護は辛いもの
同じ日の夕方に有る介護事業をしている法人の理事長さん(84歳)とお話しをする機会がありました。
理事長さんに曰く
「今日が自分の人生の中で一番幸せな日、明日の朝は来ないかもしれない。
そう思ったら、どんな人にでも、どんなものにでも「ありがとう」と言わずにはいられない」
そう仰っていました。

周囲は変わるものではない
変われるのは自分だけ
自分の心が幸せを引き込んでくるのかもしれませんね。



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