映画とライフデザイン

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映画「モナリザ」ボブ・ホスキンス&キャシー・タイソン

2019-07-17 17:58:32 | 映画(洋画 89年以前)


映画「モナリザ」は1987年日本公開の英国映画
モナリザ
ボブ・ホスキンス


いきなりナットキングコールの「モナリサ」が渋めに流れる。この曲はもともと映画の主題歌だったし彼の歌声を聞くと映画「花様年華」を連想する。刑務所出所まもない男が、黒人高級娼婦の運転手になり、彼女の女友達の行方を一緒に探すというストーリーだ。最初は川を渡る鉄橋やチャイナタウンを見てニューヨークロケかと思ったが、ボブ・ホスキンスが乗る車が一時代前のジャガーだしマイケルケインの登場で英国だということがわかる。いかにもチビデブハゲの典型のようなボブホスキンスが主演を張っている。カンヌ映画祭主演男優賞も受賞したというがそれもうなづける。

ボスの身代わりで刑務所にいたジョージ(ボブ・ホスキンス)は出所早々娘ジェニー(ゾーイ・ナゼンソン)に会おうと訪ねたところが、前妻ドーン(ポーリーヌ・メルヴィル)に門前払いされ大げんか。すぐさま自分のジャガーを預ってくれていた相棒のトーマス(ロビー・コルトレーン)のところへ行き、身代わりをしたボス、モートウェル(マイケル・ケイン)の所に向かう。


元ボスは不在だったが、黒人の高級娼婦シモーヌ(キャシー・タイソン)を金持ちの客たちに送り届ける運転手の仕事をもらう。彼女はホテルの従業員に睨まれながらも高級ホテルで客をとっていた。初めは2人のソリが合わず、シモーヌを道路に立ち往生させたりした。しかし仲直りした2人は徐々に親近感を覚える。シモーヌは仕事帰りにジョージに橋の上で女がたむろう街娼窟に車を走らせるように頼む。ヘロイン中毒で失踪していた親友キャシー(ケイト・ハーディー)を探すためだ。調べていくうちに、かつてシモーヌのヒモだったアンダーソン(クラーク・ピータース)が失踪のカギだとわかる。どうも彼がキャシーを薬づけにしたようで、その黒幕がモートウェルだった。ジョージはキャシーを救出するために懸命に探すのであるが。。。

⒈グリーンブックとの対比
昨年のアカデミー賞作品「グリーンブック」は黒人ピアニストの南部エリアコンサートツアーに際して、白人運転手が帯同する話であった。ここでは、ムショ帰りのチンピラが黒人高級娼婦の運転手をするという。人種の組み合わせは同じである。いずれの運転手も腕っぷしは強い。グリーンブックの主人公はクラブコパカバーナの用心棒で酔客をボコボコにする場面があるし、この映画のジョージは娼婦がたむろうエリアで女絡みでヤクザまがいの男に因縁をつけられた後で、その男をボコボコにする。コンビを組んですぐさま運転手が腹を立てて、車の外に放り出すにも同じである。


次第にお互いの情が移っていくのも同様であるが、ここでは40~50年代のフィルムノワールのように、ある人物を探すという目的がある。そこが違う。探偵のタイプとは似ても似つかない男だが、美女の依頼主が来て、それに翻弄されるというフィルムノワールの定石に従っている感がある。

⒉チビ、デブ、ハゲ
正統派主演男優とは真逆の存在で、ジョーペシ、ダニーデヴィートなどと同類項の存在感を持つ。チビ、デブ、ハゲというと映画「シャル・ウィ・ダンス」の3人のダンスの練習生みたいだ。3つまとめての要素をもつこういう俳優がいないと映画は成り立たないから面白い。


今回はジョージの可愛い娘の存在が1つのポイントになる。映画「ブロウ」では刑務所行きのジョニーデップ演じる主人公が娘に会いたいのに最後まで会ってくれない。ここでは奥さんからメチャクチャ嫌われるが、娘は仲良くしてくれる。そういう姿を見ると、落ち着くし、ホッとしてしまう。


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