映画とライフデザイン

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映画「スーパーフライ」 カーティスメイフィールド&ロン・オニール

2020-05-13 17:23:48 | 映画(洋画 89年以前)
映画「スーパーフライ」は1972年のアメリカ映画


70年代前半のニューヨークハーレムのソウルフルな世界を描く代表的映画といえば「黒いジャガー」「スーパーフライ」であろう。「スーパーフライ」カーティスメイフィールドによる音楽がご機嫌だ。日本公開された時、当時中学生だった自分も有楽町の映画館に1人で観に行った。ヒットチャートマニアだった自分は、FMで知ってこのテーマソングに魅せられた。しかも、夕刊のテレビ欄の下部に掲載されている映画広告に「スーパーフライ」がいかにも刺激的な映画であるように宣伝されていた。これはいくしかないと。


でも、観に行って拍子抜けした覚えがある。気がつくとあっさり映画が終わってしまった。麻薬の売人という存在に馴染みもないし、ドラッグに関わる劇中のセリフがわかるほど自分自身が大人になっていなかったのであろう。その後、大人になってから一回みたが、その時もいいとも思わなかった。リメイク作品も観ていない。

それでも、初老の域に達して、今回再見。映画ルディ・レイ・ムーアをみたのがきっかけだ。ドラッグを捌いて大儲けしようとするストーリーはどうってことない。黒幕に警察も絡んでいたというのには気づいていなかったなあ。当時の東映や日活のB級映画と似たようなレベルと思いながら、若き日より楽しめたのかもしれない。

ニューヨークのハーレム、コカインの売人プリースト(ロン・オニール)は、金にも女にも不自由せずキャデラックの特注車に乗って羽振りがいい。

仲間のエディ(カール・リー)と2人でコカイン売買でこれまで30万ドル稼いできた。そろそろこの道から足を洗おうと、稼いだ30万ドルを資本にヤクを買い、100万ドルで売り捌こうとする。2人は、今は廃業してレストランの主人におさまっているハーレムの顔役スキャター(ジュリアス・W・ハリス)にコカインを頼んだ。スキャターはもう足を洗ったと断るが、むりやり頼み込む。


ところが、仲間のフレディ(チャールズ・マグレガー)が、警察に捕まり取引のことをしゃべってしまった。その夜、プリーストとエディは警察に捕まってしまった。ところが、警部は意外にも麻薬取引をもちかける。ただ、スキャターは自分の身が危ないというが。。。

⒈エロチックサスペンス
70年代前半の東映がエロチックサスペンス路線で池玲子杉本美樹を脱がせまくっていた。TVでは東京12CHで「プレイガール」をやっていて中学生の自分は親に隠れてこっそりと見ていた。主人公はコカインの売人で金もあるし、モテまくる。いきなり登場するのは白人女との戯れの後にベッドで胸毛モジャモジャの姿を見せるシーンだ。次はいつ逢えるの?とモテモテだ。


その後で、美人の黒人女ジョージア(シェイラ・フレイザー)とのバスルームでの裸で抱き合っているシーンだ。この女が魅力的だ。でも、中学生の自分にはいい女というのはわからなかったんじゃないかな?いかにも、この当時の映像らしく、ポルノ映画の如く2人の絡みをぼかす。こういうエロな場面がないとアメリカでも観ないんだろうなあ。似たような時期のパム・グリア主演「コフィー」も似たようなものだ。


⒉カーティスメイフィールド
かすれ声が魅力的だ。映画を観ていてテーマソング「スーパーフライ」がなかなか出てこなかった記憶がある。ラスト15 分で初めて流れる。オープニングで流れる曲の歌詞を読んでいると、いかにも堕落しきった男だというのを象徴するようだ。途中でカーティスメイフィールドがステージに立つライブハウスに主人公が入ってくる。このファッションも刺激的だが、ステージを観ている周囲も70年代前半の匂いを醸し出す。いいねえ。

主題歌以外でも魅力的な2曲がある。ベッドシーンのバックが似合うgive me your love. とテーマソングと似たようなタッチのpusher man だ。たった2年くらいだが、ディスコミュージックが流行るその2年後くらいと曲のタッチが違う。ソウルミュージックというのはこの辺りのことを言うべきであろう。


主人公が麻薬の売人として闇夜するシーンにはホーンセクションにギターが絡む。このタッチは井上バンドあたりが演奏する昭和のアクションTVと大差はない。この映画白人を悪者にしている完全な黒人映画なんだけど、尾崎紀世彦ばりの強烈なもみあげが印象的なロン・オニールって黒人?、白人にしか見えないんだけど。

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