私の父は昔から時間に厳しい人で、自分は約束の時間より前から待っていて、相手が少し遅れてもかなり待たされた気になって怒ったりしていました。子供のころから父の会社の人や近所の人、私たちの友達などがよくやってくる家で、お客さんを迎えるときは家族一丸となって協力しました。
私が学生のころはクリスマスパーティや庭でバーベキューなどをすることもよくありました。
そして、父は「何人来るんや?」とか「誰が来るんや?」と、いろいろ尋ねてくるのでした。そして、私が「Kちゃんは当日にならないと予定がわからないって。来れたらくるみたい」などと本当のことを言うと激怒して、「そういう約束が一番嫌いだ。そういう人は断れ。迎えるほうは段取りというものがある」と、カンカンになるのでした。
そういう家だったので、私も時間とか約束はきっちり守るほうで、「いまのところ行くつもり」とか「ぎりぎりに返事をするから」という人のことをちょっと冷ややかに見ていました。「絶対行く!」って言ってくれたら楽しみは倍増するのになぁ。って。
それが、義母がだんだん弱ってきたりして、「もううちはあかんわ」「いかれへんかもしれへん」というようなことをつぶやくと、「大丈夫ですよ。様子をみて行けそうだったら行きましょう」「もし無理そうだったらまたそのとき考えましょう」と答えることが多くなりました。
きょうも入院中の義父と長く電話で話したのですが、家事でもなんでも完璧を求めないで、フォークの場所にスプーンが入っていても、きゅうりが冷凍されていても、ご飯のタイマー予約ができなくても、命にかかわること以外はゆるくしましょうね、ということで意見は一致しました。
「タイマー予約は簡単だよ、食べたい時間に炊けて便利だし」
「でも、それが負担になってご飯が炊けなくなるとお腹がすくでしょう。時間がかかっても、お米を洗って、スイッチを押して、炊けるまで待つ、といういちばんシンプルな方法でいきましょう」
「そうだなぁ」
もともと、まあいいやん、とゆるい方でしたが、約束までゆるくなってきて、無理しないようにね、と周囲もそんなふうです。あさってのゆうゆとの約束もまだ時間もなにも決まっていません。 会えたらいいなぁ。
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