11月16日、立野ダム工事の一旦中止と説明責任を求める申し入れと合わせ、世界ジオパーク指定の阿蘇・立野峡谷の柱状節理を守るためにも、 立野ダム建設は一旦中止することを求める要望を熊本市へ行いました。
要望は以下のとおりです。
平成29年11月16日
熊本県知事蒲島郁夫様
熊本市長大西一史様
菊陽町長後藤三雄様
大津町長家入勲様
南阿蘇村長吉良清一様
阿蘇市長佐藤義興様
立野ダムによらない自然と生活を守る会代表中島康
ダムによらない治水・利水を考える県議の会代表西聖一
立野ダムによらない白川の治水を考える熊本市議の会代表田上辰也
(代表連絡先)熊本市西区島崎4 丁目5-13
世界ジオパーク指定の阿蘇・立野峡谷の柱状節理破壊と立野ダム本体予定地右岸の柱状節理保存に関する要請書
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界ジオパーク」に指定されている阿蘇・立野峡谷で、阿蘇火山の溶岩でできた「柱状節理」が、国土交通省の工事で破壊されました。9 月14 日以降、全国紙も一面で取り上げるなど、様々な報道がなされています。
新しい阿蘇大橋の工事のために柱状節理は破壊されたとのことですが、新阿蘇大橋の位置も工法も、一般の住民が知らないうちに決められ、新聞に発表されました。位置や工法を決める段階で多方面の意見を求めていたならば、柱状節理を破壊しない位置や工法が考えられたはずです。
破壊された柱状節理の約1 ㎞下流の立野ダム本体予定地右岸では、さらに貴重な柱状節理が見られます。ここでは、立野溶岩が柱状に縦に割れた柱状節理と、板状に横に割れた板状節理が5~8層交互に堆積しており、立野溶岩が何度にも分かれて流れてきたことが非常に良く分かります。立野ダム本体工事が始まればこの柱状節理も、幅200m、高さ90m、厚さ最大40mにわたって削られ、永久にダム本体のコンクリートに飲み込まれます。
これらの柱状節理は、阿蘇の成り立ちを知ることのできる学術的にも貴重な、後世に残すべき地質遺産です。その景観は、地元にとっても貴重な観光資源となりえるものです。
国土交通省は「関係法令を遵守するとともに、景観に関する専門家、熊本県、大津町、南阿蘇村も参画した検討委員会等を設け、良好な景観を保全するための方策について検討してきている」としています。しかし各報道によると、国土交通省は立野峡谷が世界ジオパークの貴重なジオサイトであることを認識していなかったとしか言いようがありません。
また、立野ダムの事業者である国土交通省は、熊本地震で周辺の地盤が大規模に崩壊し、活断層も走るなど、立野ダム建設に対して多くの不安や疑問の声が上がっていたにもかかわらず、これまで住民が求めてきたダム説明会を1度も開かず、住民の公開質問状にも全く答えようとしていません。立野ダム建設でジオパークを破壊しないでほしいという住民の度重なる申し入れは、全く伝わっていませんでした。
国土交通省は今回の柱状節理の破壊に関しホームページで「世界的に貴重な地形や地質等に十分配慮しながら立野ダム建設を進める」としていますが、「住民に知らせない、住民の声を聞かない、住民の疑問に答えない、住民が知らないうちに貴重な地質遺産を破壊する」という姿勢を改める様子は全く見られません。
世界ジオパークは来年、阿蘇ジオパークの再認定を審査します。9月27日に開かれた日本ジオパーク委員会では、保全や活用を進める地元協議会の組織運営に問題があるとして、来年に予定されるユネスコの審査までに改善するよう求めることを決めました。阿蘇ジオパークを保全し、来年の世界ジオパークの再認定を確実にするために、下記2点について要請します。
記
1.これ以上の阿蘇ジオパークの貴重な地質遺産を破壊しないために、立野ダム本体建設工事を中止するよう、国土交通省に対し要請すること。
2.立野ダム建設関連工事や熊本地震の復興工事等の際も、地元協議会との情報交換を十分とるよう、国土交通省に対し要請すること。
以上
要望は以下のとおりです。
平成29年11月16日
熊本県知事蒲島郁夫様
熊本市長大西一史様
菊陽町長後藤三雄様
大津町長家入勲様
南阿蘇村長吉良清一様
阿蘇市長佐藤義興様
立野ダムによらない自然と生活を守る会代表中島康
ダムによらない治水・利水を考える県議の会代表西聖一
立野ダムによらない白川の治水を考える熊本市議の会代表田上辰也
(代表連絡先)熊本市西区島崎4 丁目5-13
世界ジオパーク指定の阿蘇・立野峡谷の柱状節理破壊と立野ダム本体予定地右岸の柱状節理保存に関する要請書
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界ジオパーク」に指定されている阿蘇・立野峡谷で、阿蘇火山の溶岩でできた「柱状節理」が、国土交通省の工事で破壊されました。9 月14 日以降、全国紙も一面で取り上げるなど、様々な報道がなされています。
新しい阿蘇大橋の工事のために柱状節理は破壊されたとのことですが、新阿蘇大橋の位置も工法も、一般の住民が知らないうちに決められ、新聞に発表されました。位置や工法を決める段階で多方面の意見を求めていたならば、柱状節理を破壊しない位置や工法が考えられたはずです。
破壊された柱状節理の約1 ㎞下流の立野ダム本体予定地右岸では、さらに貴重な柱状節理が見られます。ここでは、立野溶岩が柱状に縦に割れた柱状節理と、板状に横に割れた板状節理が5~8層交互に堆積しており、立野溶岩が何度にも分かれて流れてきたことが非常に良く分かります。立野ダム本体工事が始まればこの柱状節理も、幅200m、高さ90m、厚さ最大40mにわたって削られ、永久にダム本体のコンクリートに飲み込まれます。
これらの柱状節理は、阿蘇の成り立ちを知ることのできる学術的にも貴重な、後世に残すべき地質遺産です。その景観は、地元にとっても貴重な観光資源となりえるものです。
国土交通省は「関係法令を遵守するとともに、景観に関する専門家、熊本県、大津町、南阿蘇村も参画した検討委員会等を設け、良好な景観を保全するための方策について検討してきている」としています。しかし各報道によると、国土交通省は立野峡谷が世界ジオパークの貴重なジオサイトであることを認識していなかったとしか言いようがありません。
また、立野ダムの事業者である国土交通省は、熊本地震で周辺の地盤が大規模に崩壊し、活断層も走るなど、立野ダム建設に対して多くの不安や疑問の声が上がっていたにもかかわらず、これまで住民が求めてきたダム説明会を1度も開かず、住民の公開質問状にも全く答えようとしていません。立野ダム建設でジオパークを破壊しないでほしいという住民の度重なる申し入れは、全く伝わっていませんでした。
国土交通省は今回の柱状節理の破壊に関しホームページで「世界的に貴重な地形や地質等に十分配慮しながら立野ダム建設を進める」としていますが、「住民に知らせない、住民の声を聞かない、住民の疑問に答えない、住民が知らないうちに貴重な地質遺産を破壊する」という姿勢を改める様子は全く見られません。
世界ジオパークは来年、阿蘇ジオパークの再認定を審査します。9月27日に開かれた日本ジオパーク委員会では、保全や活用を進める地元協議会の組織運営に問題があるとして、来年に予定されるユネスコの審査までに改善するよう求めることを決めました。阿蘇ジオパークを保全し、来年の世界ジオパークの再認定を確実にするために、下記2点について要請します。
記
1.これ以上の阿蘇ジオパークの貴重な地質遺産を破壊しないために、立野ダム本体建設工事を中止するよう、国土交通省に対し要請すること。
2.立野ダム建設関連工事や熊本地震の復興工事等の際も、地元協議会との情報交換を十分とるよう、国土交通省に対し要請すること。
以上