死神の精度
2011-03-09 | 本
今回読み終えたのは「死神の精度」。
以前読んだ「終末のフール」と同様短編からなる1冊です。
いきなり登場してくる死神。
いわゆる死神のイメージとかけ離れていて、人間社会とはピントがずれていてコミカルな部分もあり。
ここに出てくる死神のイメージは小学生の頃に見たえんどコイチ作のコミック「死神くん」のような感じ。もちろんもっとハードボイルドな大人ではあるが。
さらっと仕事をこなせばいいのに、つい(本人が望んでいなくとも)首を突っ込んでしまっている様など正に「死神くん」。
余談ですが、私は「死神くん」が大好きで、今は所有していないものの未だに覚えているのが1巻に掲載されていた「戦場の天使」。
その最後に死んでいく戦士が言った一言
「ありがとう。戦争という地獄の中で天国を見ることが出来たよ。」
に涙したことを思い出しました。
話を戻しますが、相も変わらずストーリーの展開やそのドラマ性は本当に見るものをひきつける魅力にあふれたものです。
突拍子もない設定をすんなり受け入れさせてくれます。
特に秀逸なのは最終話「死神対老婆」。
美容師の老婆が死神に気づきいろんな注文をしてくる。
その老婆は実は・・・・。
「陽気なギャングが地球を回す」のようなエンターテイメント性はないですが、非常に読みやすい作品で、伊坂幸太郎WORLDの入り口としてはもってこいです。
伊坂 幸太郎 | |
文藝春秋 |
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