うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#429 【視野】

2011-07-01 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 1分51秒


愛知  90
神奈川 85




まずは、田岡の指示通り、12秒で1本を奪った。



「さぁ、戻って、しっかり守るぞ!!」

「おう!」

「はい!!」




「ん!!」

「オールコートプレスをやめた!!!」

「ハーフで守る気だーーー!!!」

「ゾーンだ!!ゾーンだぞ!!!」




「オールコートのリスクを回避し、安全策を取ってきたか。
だが、果たして、それでヒロシを止められるかな。」にや。

どっしり構える冨名腰。




『ダムダム・・・。』


天野の静かなドリブル。


時間を使う。


(この場面でゾーンとは・・・。自分らの首を自分らで絞める気か。)



『パシ!』


『パシ!』



バックコート陣でボールを回し、攻める様子もない。




「やはり、時間を使ってきましたで!」

「問題ない。予想通りだ。」

(しかし、得点は決して奪われてはならないぞ!!)




24秒、残り5秒。



『ダム!!』



ボールを保持していたトップの天野が、力強くドリブルをした。



「来る!!!」

清田、山岡の前列が、中央に寄せられる。



『ビィ!!』


素早くサイドの金田に流す。



『キュ!!』


白田がプレッシャーをかける。



『ダン!!』


森重が動く。



金田は、バウンドパスでボールを中に入れた。



『パシ!』


受け取ったのは、逆サイドからきれてきた河本。


森重を囮に使い、神奈川の死角から狙う。


そして、フリーの状態から、ジャンプシュートを放つ。


24秒、残り2秒の絶妙なタイミング。


安定したジャンプシュートが、神奈川ゴールを襲った。




「外れて!!」

晴子が叫ぶ。




「これが決まれば、神奈川の勝利は一気に遠のく!!」

と弥生。




「外れろーーーー!!!」

神奈川ベンチが叫ぶ。




「リバウンドだーーー!!!!」

桜木が叫ぶ。



『キュ!!』


『ガシッ!!』


『ガツ!!!』



桜木、白田、黒川が、完璧なスクリーンアウト。


神奈川のリング下を守る。




「よし!これでリバウンドはもらった!!!」

田岡も叫ぶ。




河本のシュートは・・・。



『シュパ!!!』



鮮やかに決まった。




「決まったーーーーー!!!!」

「いいぞ!!河本ーーーー!!!」

「再び7点差ーーーーー!!!」

「厳しい!!!!」




「フッ。」

冨名腰も喜びの表情をした。


「よく決めたぜ!!」

「いいぞ!河本!!」


『グッ!!』

『ガッ!!』

愛知の控え選手もガッツポーズをする。




反対に神奈川ベンチは、意気消沈する。

「あぁ・・・。」

「本当に厳しいぞ・・・。」

「どうすれば・・・。」




試合残り時間 1分27秒


愛知  92
神奈川 85




成功した河本のシュートで歓喜に沸く愛知ベンチ。


敗北の文字が脳裏に浮かぶ神奈川ベンチ。


試合終盤、異様な盛り上がりを見せる会場の観客たち。


その中心で繰り広げられる激闘の中。



『ブン!!!!』



「!!!!!」



「!!!」



「!!!!」



エンドラインから、思いっきりボールを投げつける桜木の姿があった。



「!!!」



「!!!!!」



『バチン!!!!』



「やばい!!」


「しっしまった!!!」



そして。


愛知ゴールへ駆け上がり、ボールを受け取る清田の姿があった。



「!!!」


「!!!!」



『シュパ。』



清田のレイアップがネットを揺らす。


実に河本のシュートが決まってから、3秒後のことであった。




『グッ。』

拳を力いっぱい握る安西。




「でかした!!」

「よっしゃーーーー!!!!」

「さすが!!清田先輩!!!」

「いいぞ!お兄ちゃん!!!」

「ナイスパスだーーーー!!!!」

今まで消沈していた神奈川ベンチが一瞬に狂喜乱舞の舞。




「ハッハッハ!どうだ!!天才のパスは!!!!」



「かっかっか!どうだ!!No.1PGの速攻は!!!!」



「おそれいりやした。」にこ。

山岡は、微笑んだ。



「・・・。」

無言で顔を見合す白田と黒川。


『バチン!』


手を叩く。




「うわぁぁぁーーーー!!!」

「速攻で返したーーーー!!!」

「すげーーーー!!!」

「神奈川まだ諦めてない!!!」




河本がシュートを打った瞬間、清田は走った。


シュートが入ろうが入らないが関係ない。



(俺は走るしかねぇんだ!!!)



味方のリバウンド、味方のパスを信じて。


そして、駆け出した姿を桜木は、またしてもわずかに捉えていた。


気がついたときには、エンドラインから清田に向かってボールを放っていた。


脅威的な適応力を見せる森重の影で、脅威的な視野の広さを見せる桜木。


試合の勝敗は、まだわからない。




試合残り時間 1分24秒

愛知  92
神奈川 87







続く。