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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#433 【衝撃的】

2011-07-23 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 37秒

愛知  92
神奈川 89




神奈川は上杉海斗を投入。


長距離砲を揃える。



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 C…#8 黒川 大蔵 193cm/2年/陵南

SF…#12 上杉 海斗 186cm/2年/海南大附属

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対して、愛知も河本に代え、ディフェンスのスペシャリスト大橋を投入。

上杉の3Pを封じる手を打った。



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SG…#5 河本純一郎 182cm/3年/名朋工業

SG…#11 大橋 卓巳 179cm/3年/愛和学院

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「冨名腰監督・・・。いやらしいほどに、速い対応をしてくる。」

と高頭の額の汗が光る。


晴子は祈るばかり。




『ピィーーー!!』



「黒坊主の仇は取る!!」


「ブロックのリベンジ。赤坊主。」



湘北はマンツーマンに変更。

森重には桜木がマーク。



最後の勝負となる。




愛知のオフェンス。


エンドラインの大橋。

清田、山岡、上杉のディフェンスにより、なかなかパスが入れられない。




「5秒!5秒!」

「ナイスディフェンス!!」




だが、神奈川ベンチの声も虚しく、ボールはハーフライン付近の金田へ。



『ピィ。』


時が動き始める。




「あと36秒・・・。」

中村は唾を飲み込んだ。




『キュッキュ!キュ!』



(大蔵の分まで!)


海斗は激しいディフェンスを見せる。



『キュッキュ!』



(山岡!)


天野にも山岡が激しくマーク。


清田もまた大橋にパスを入れさせない。



金田は長い脚を活かし、ピボッドを繰り出す。


海斗を振り払おうとするが、振り切れない。


パスも出せず、焦りを感じる金田。



そこに。



「フンフンフンフン!!」



「さっ桜木さん!!!!」

「桜木!!!」



桜木が突然、金田の目の前に現れた。



「フンフンフンフン!!」


海斗と桜木のダブルチーム。




「桜木!!!」

「ダブルチーム!!」




森重をフリーにすることを顧みず、桜木は勝負に出た。



「守ってばかりじゃ勝てねぇ!!!」



それは、先ほどの清田が思った言葉と同じであった。 


清田は今までにない桜木との一体感を感じた。


その言葉は清田の胸を熱くさせた。



(赤毛猿・・・。)

「守れ!!桜木!!ぜってーー!抜かれんじゃねぇぞ!!」


「誰にいってやがる!!!」



『キュ!』


海斗と桜木の激しいディフェンス。



「寛にいれろ!!」

「森重にパスだ!!!」



(わかってる!!だが!)

「くそ!こいつら!!」


『ドン!』


上杉に接触し、力任せにコースを作る。




「ファウル!!」

「チャージング!!」




審判は顔を振る。


その瞬間、金田は森重へのわずかなパスコースを見つけた。



(もらった!)



『ビュン!』



力強いパス。



『びよーーーん!』



『バシ!』



「!!!」

「!!」




「桜木君!!!」

晴子の眼から涙が零れ落ちる。




「やろーーー!!」




「奪った!!!」

「パスカットだーー!!」

「うぉぉぉーーー!!」

「すげーーーー!!!」

「32秒!!」




「走れ!野猿ーーー!!!」



「もう走ってらぁーー!!」



「戻れーー!!」



「天野!!戻れ!!!!」



清田は、その瞬発力を活かし、誰よりも速いスタートを切っていた。


3度目のカウンターを狙い、桜木が振りかぶる。



「受け取れ!!野猿ーーーー!!!!」



『パシ。』



「ん!!」



「なっ!!」



「!!!!」



「あっ!!!」



「!!!」



「デっ!!」


桜木の眼が見開く。



「デブ坊主!!!!」



桜木の死角から現れた森重。

振りかぶった桜木の手から、ボールを奪い返していた。



そして。



『ダムダム!!』



4回のドリブル。



『ダン!』 



強く踏み込み。



『ドガァ!!!!』



あっさりとボースダンクを叩き込んだ。




「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

あまりの衝撃的な出来事に会場は静まり返っていた。




『ギシギシギシ・・・。』



響き渡るのは、森重がぶら下がるリングの軋む音のみ。



『ピィ!ピィ!』



92

93

94



電光掲示板の数字が静かに変わる。


勝敗を決定付け、神奈川の闘志を奪う破壊力満天の森重のダンクシュートであった。




試合残り時間 28秒

愛知  94
神奈川 89







続く。

#432 【絶体絶命の危機】

2011-07-22 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 49秒

愛知  92
神奈川 89




清田の速攻が決まった。


3点差。


逆転への望みを繋ぐ。




「あたって下さい。」


「あたれーー!!」

「プレス!!」

「ディーフェンス!!ディーフェンス!!」

安西の言葉に神奈川ベンチが即座に反応。




「いわれなくたって、そうするしかないっしょ!」



『キュッキュッキュ!!』


『キュッキュ!!』




「わぁぁぁーーー!!」

「オールコートプレスだーーー!!」

「最後の勝負に出たーーーー!!」




「!!!」

「諦めが悪いの。天野!しっかりやれや!!」

冨名腰がこの試合初めて叫んだ。




「はい!」



神奈川のオールコートマンツーマンプレス。


取り急ぎ、一番近くの選手をマークする。

天野には清田、河本に山岡、金田に桜木、青木に白田、森重には黒川がついた。

森重は、神奈川のゴール下にいる。


エンドの天野から河本へ。

すぐに、天野へリターンパス。

河本は、神奈川コートへ走った。


愛知コートに取り残された天野と清田。


「変な小細工は俺には通用しねぇぜ。天野!」


「そんなもん必要なし!」



1on1。



清田には2つの選択があった。


リスクを顧みず、果敢にボールを奪いにいくか、安全策をとり、ハーフで天野を封じるか。



(牧さんなら・・・。)


尊敬する牧の背中が脳裏に浮かぶ。



『グワ!』



『キュッキュ!!』



「!!!」



『キュッ!!』




「勝負に出たーーーー!!!」

「#4が激しいディフェンスだーーー!!」




「こいつ!」




「天野!!!」

「清田さん!!」

両チームの声援が飛び交う。




『ダム!』


『キュッキュ!』


『ダムダム!』


『キュッ!』


『ダムッ!』



天野のドリブルはセンターラインを越えた。




「天野が競り勝った!!!」

「さすが、天野!!!」




「時間は!?」

「44秒!!」

焦る田岡。




「こらぁーー!!野猿!!何やってやがる!!根性見せやがれ!!」


(くそう!!わかってる!わかってるが、こいつやっぱりうめーんだ!!ちくしょう!!)



そのとき。



『パンパン!』


「清田さん、ナイスディフェンス!!ここ守りましょう!!」


山岡がムードを変える。


「ん!!あぁ。そうだな。」


『サッ!』


清田は一歩引いて、天野の突破に備えた。


天野もまた力を抜いた。



その瞬間。



(予想どおり!!守っているだけじゃ勝てねぇ!!)



『ダン!!』


清田は勢い良く、コートを蹴り、腕を伸ばし、スティールを狙った。



(油断したな!天野!!!)



「!!」


「!!!」



ドリブルスティールを狙う清田。



「!!」

(こいつ!)



『ダム!』


(とられてたまるか!)



だが、天野は咄嗟にクロスオーバーで回避。


清田を抜き去る。



「なに!!!!」


(マジでやべぇ!!!!)




「抜いたーーー!!」

「さすが、天野!!!」




清田の大きな大きな賭けは失敗に終わった。


山岡がすかさずカバーに入るが。



『バン!』



それを見て、フリーとなった河本へパスを流す。



『パシ!』


『パシ!』



愛知はフリーマンを探し、パスを繋げる。



神奈川のディフェンスは一気の崩壊。



その光景を清田はトップで眺めていた。



『パシ!!』



ボールは、森重に渡った。



ここでの追加点は、神奈川の敗北を意味する。



森重は挑発するように、桜木に視線を送り、微笑んだ。



「・・・。」にや。



「貴様!!!」



桜木の身体能力を持ってしても、決して届く距離ではなかった。



愛知は、2点を確信した。



神奈川は、2点を覚悟した。



そのとき。



『ドン!!』



「ん!!」



「!!」

「!!!」

「!!!」



『ピィーーー!!』


「白!#8!!プッシングーーーー!!」




「ファッファウル!!!」

「#8がファウルで止めたーーーー!!!」




森重の一瞬の隙をついた黒川が、シュートの体勢に入る前に、森重を押した。




「#8!ファイブファウルです。」


オフィシャルから黒川の退場を告げる声。

自身の退場と引き換えに、2点を止めた。



「黒川・・・。」

「黒坊主・・・。」

「ナイスファウルだ。」

「あとは任せておけ。」

「頼みますよ。先輩。」


先輩たちから称えられ、見送られる黒川。




「よくやった!!」

「ナイスファウル!!」

ベンチも黒川を温かく迎え入れる。


「いい判断でした。」

「ありがとうございます。」

(できれば、最後までコートに立っていたかった・・・。)


「黒川君。」

「はい。」

「君は神奈川を背負える選手になる。期待していますよ。」

「えっ。はっはい。」


安西の微笑みに、黒川も笑顔で答えた。




だが、決して安心できたものではない。


24秒はリセットされ、ボールは愛知ボール。


絶体絶命の危機であることは、違いない。




試合残り時間 37秒

愛知  92
神奈川 89







続く。

#431 【繋ぐ】

2011-07-21 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 57秒

愛知  92
神奈川 87




1分を切り、5点差。


ボールは森重がキープ。


絶体絶命のピンチを迎えている神奈川。




「いけーーーー!!愛知!!」

「守れーーー!!神奈川!!!」




会場の声援は真っ二つに割れ、コートに注がれる。



「寛!!一度戻せ!!」


天野がボールをもらいに動く。


「ん。」


『サッ!!』


森重は半回転し、天野へパス。



「!!!」

「!!」

「なに!!」



「清田!!」


森重と天野の間に割って入った清田。

森重の動きに素早く反応していた。



だが。



「フェイク!!」


味方をも騙す森重のパスフェイント。




「・・・。」にこ。

森重はあざ笑う。




「うわぁぁーーー!!」

「なっなんて冷静なんだーーーー!!!」

「すげーーぞ!森重!!!」




森重は、清田の動きを咄嗟に察知。


パスを避けた。


そして。



『クル!』


体をゴールにむけ、リングを狙う構えを取った。



「来るぞ!!!」

「守れ!!!!」




「仕方ねぇな。打つからには、入れろよ。」

冨名腰は、勝利を決定付けたかのように余裕の表情を浮かべていた。




『ダム!!』


力強いワンドリで黒川を弾き飛ばす。



「チャージング!!」


審判は笛を吹かない。



そして、力任せにゴール下のシュートを放った。



『ダン!!』



森重の耳の入るコートを力強く踏み込む音。



「どけーーー!!!」



黒川の肩を使い、高く飛び上がる大きな影。



「!!!!」


「!!!」


「!!!!」



(赤坊・・・。)




「桜木くーーーーん!!!!」

思わず立ち上がる晴子。




『バチーーン!!!!』



そして。




『ガタ!!』

安西もまた立ち上がっていた。




会場にいる全ての視線が、森重のシュートを叩き落す男へと向けられる。




「うぉぉぉーーー!!」

「ブローーーック!!!」

「桜木が叩き落したーーー!!!」

「桜木ーーーー!!!」




行く宛を失ったボールは・・・。



『パシ!』


山岡の下へ。




「ラッキーだーー!!!」

「キターーーーーー!!」

「いける!いけるぞ!!!」

神奈川ベンチが一気に沸く。


「残り時間は?」

「53秒!!!」

田岡に答える彦一。




「任せます!!」


「いくぜ!ついてこい!!」


「へい!」




「よっしゃーー!!」

「いけーー!!お兄ちゃん!!!」




「戻れ!!!」

「止めろ!!」

「ファウルしろ!!」




清田の速く力強いドリブル。


『ダムダムダム!!』



天野が並走。


清田のスピードを奪いにかかる。



「止められてたまるか!!!」



『ダムダム!!』


なおも加速するドリブル。



「!!」

「!!!」

(まだあんな脚力を残していたのか!!)



『ダムッ!!』


天野を振り切った。



(この背中の4番にかけて!!!)

「ぜってーーー!!決める!!!」


清田の眼の間には、1本のウィニングロード。



「うりゃーーー!!!!」



『パサ。』




「よっしゃーー!!!」

「いいぞ!清田!!」




「ナイッシュ!清田さん!!」

「フン!庶民シュートなど決めてトーゼン!!
この天才のブロックがあってこそだ!!」

「そうだ!赤毛猿!!てめーのブロックのおかげだ!!」

「おっ、素直だな!」

「ぜってー勝つぞ!!」

「ったりめーだ!!」


再び、清田の速攻が炸裂。

神奈川の3年が繋いだボールは、愛知のネットへと送られた。



残り49秒。

3点差に詰め寄った。




「可能性は残した・・・。だけど、神奈川が勝てる見込みは限りなくゼロに近い。
キセキでも起きない限り。」

弥生は静かにペンを置いた。




試合残り時間 49秒

愛知  92
神奈川 89







続く。

#430 【リバウンド争い】

2011-07-20 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 1分24秒

愛知  92
神奈川 87



河本のシュートを許した直後、3秒で2点を返した神奈川。

逆転への可能性を残した。




「うちが、逆転するためには3回のシュートを決めないとあかんから、
愛知が24秒を3回使おうとして、残り12秒。あかーーん!!!」

「ここで愛知が決めたら、本当に厳しくなるぞ。今の速攻ももう通用しない。
ここは何としても守りきらねば!」




『パシ!!』


『パシ!』


『ダムダム。』



愛知のオフェンスが始まる。


トップでゆっくりとドリブルをつく天野。


冨名腰の指示通り、時間を使い、様子を伺う。



(・・・。天野にプレッシャーをかけることは簡単だが、もし抜かれちまったら、得点を許すかもしれねぇ!)


(ここは我慢のしどころっすよ!清田さん。)



2-3、前列の清田と山岡の見解は同じ。



『コク。』


眼の合う両者がうなずく。



(ここはしっかり守るぞ!)


(了解!)



『パシ!』


『パシ!!』



パスを回し、24秒も残り5秒。



『パシ!』


先ほどと同じように、ボールは天野の下へ戻った。



「来るぞ!!」


清田、山岡はペネトレイトに備え、深めに守る。



『ガツ!!』


「ぐっ!」


黒川が森重を懸命に抑える。



だが。



『クル!』


森重は前に出ようとする黒川を逆手に取り、回転して裏を取った。



「しまった!!」



『ビュン!』


そこに投げ込む天野。


阿吽の呼吸。


ペネトレイトに備えていた清田、山岡は簡単にパスを通してしまった。



「やばい!!」


振り向く山岡の眼に飛び込む光景。



『バチン!!!』



「!!!」


「!!!」


「あっ赤毛猿!!」


「桜木!!!」



同じく、清田の眼に映ったのは、天野から森重へのパスを弾く桜木の姿だった。


ボールの軌道はずれ、サイドに流れた。



「奪え!!野猿!!!」


「!!」


弾かれるボールに飛び込む金田。


そして、清田。




「お兄ちゃん!!!」




「金田!!」




『パシ!!』



ボールを奪ったのは・・・。



金田。



だが、24秒は継続。



残り1秒。



『シュ!!』



苦し紛れのシュートを放つ。



同時に。



『ピィーーー!!』



24秒を知らせる。

審判は試合を続行。

残り試合時間1分をきった。




「リバウンドだーーー!!」

「何が何でも獲れーーーー!!!」

「桜木さん!!!」




「ヒロシ!!」




戦場と化した神奈川ゴール下。


白田と青木のポジション争い。


黒川は森重に抑え込まれている。


桜木は後方からの参戦となってしまった。


明らかに森重有利のリバウンド争い。




「もし、森重君に奪われるようなことがあれば、神奈川の勝利は完全になくなるわ。」




『ガン!』


金田のシュートは予想通りはずれた。




「桜木君!!獲って!!!」

晴子が叫ぶ。

「ここの勝負が勝敗をわける!!」

と高頭。




『ダン!』


『ダン!』



「デブ坊主には触らせん!!」


「!!」


「!!!!」



『バチーーン!!!』



5つの巨体が交錯するゴール下。


ボールを叩き取る音とともに、一瞬の静寂が訪れる。



「!!!!」


「!!!」


「あっ!!」


「なっ!!」


「もっ!!」




「森重だーーーー!!!」

「森重が奪ったーーーーー!!!」

「神奈川万事休す!!!」




オフェンスリバウンドをもぎ取った森重。



「・・・。」




『チラ!』

電光掲示板を確認する冨名腰。

「勝った。」にや。


「よくやったぞ!寛!!」

「いいぞ!森重!!」




「守れ!!」

「ディフェンス!!」

「守りきれ!!!」




神奈川の願いを断ち切った森重のリバウンド。


その破壊力は、リバウンド王桜木を超えた。



「・・・。」

(おっおのれ!!)




試合残り時間 57秒

愛知  92
神奈川 87







続く。

#429 【視野】

2011-07-01 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 1分51秒


愛知  90
神奈川 85




まずは、田岡の指示通り、12秒で1本を奪った。



「さぁ、戻って、しっかり守るぞ!!」

「おう!」

「はい!!」




「ん!!」

「オールコートプレスをやめた!!!」

「ハーフで守る気だーーー!!!」

「ゾーンだ!!ゾーンだぞ!!!」




「オールコートのリスクを回避し、安全策を取ってきたか。
だが、果たして、それでヒロシを止められるかな。」にや。

どっしり構える冨名腰。




『ダムダム・・・。』


天野の静かなドリブル。


時間を使う。


(この場面でゾーンとは・・・。自分らの首を自分らで絞める気か。)



『パシ!』


『パシ!』



バックコート陣でボールを回し、攻める様子もない。




「やはり、時間を使ってきましたで!」

「問題ない。予想通りだ。」

(しかし、得点は決して奪われてはならないぞ!!)




24秒、残り5秒。



『ダム!!』



ボールを保持していたトップの天野が、力強くドリブルをした。



「来る!!!」

清田、山岡の前列が、中央に寄せられる。



『ビィ!!』


素早くサイドの金田に流す。



『キュ!!』


白田がプレッシャーをかける。



『ダン!!』


森重が動く。



金田は、バウンドパスでボールを中に入れた。



『パシ!』


受け取ったのは、逆サイドからきれてきた河本。


森重を囮に使い、神奈川の死角から狙う。


そして、フリーの状態から、ジャンプシュートを放つ。


24秒、残り2秒の絶妙なタイミング。


安定したジャンプシュートが、神奈川ゴールを襲った。




「外れて!!」

晴子が叫ぶ。




「これが決まれば、神奈川の勝利は一気に遠のく!!」

と弥生。




「外れろーーーー!!!」

神奈川ベンチが叫ぶ。




「リバウンドだーーー!!!!」

桜木が叫ぶ。



『キュ!!』


『ガシッ!!』


『ガツ!!!』



桜木、白田、黒川が、完璧なスクリーンアウト。


神奈川のリング下を守る。




「よし!これでリバウンドはもらった!!!」

田岡も叫ぶ。




河本のシュートは・・・。



『シュパ!!!』



鮮やかに決まった。




「決まったーーーーー!!!!」

「いいぞ!!河本ーーーー!!!」

「再び7点差ーーーーー!!!」

「厳しい!!!!」




「フッ。」

冨名腰も喜びの表情をした。


「よく決めたぜ!!」

「いいぞ!河本!!」


『グッ!!』

『ガッ!!』

愛知の控え選手もガッツポーズをする。




反対に神奈川ベンチは、意気消沈する。

「あぁ・・・。」

「本当に厳しいぞ・・・。」

「どうすれば・・・。」




試合残り時間 1分27秒


愛知  92
神奈川 85




成功した河本のシュートで歓喜に沸く愛知ベンチ。


敗北の文字が脳裏に浮かぶ神奈川ベンチ。


試合終盤、異様な盛り上がりを見せる会場の観客たち。


その中心で繰り広げられる激闘の中。



『ブン!!!!』



「!!!!!」



「!!!」



「!!!!」



エンドラインから、思いっきりボールを投げつける桜木の姿があった。



「!!!」



「!!!!!」



『バチン!!!!』



「やばい!!」


「しっしまった!!!」



そして。


愛知ゴールへ駆け上がり、ボールを受け取る清田の姿があった。



「!!!」


「!!!!」



『シュパ。』



清田のレイアップがネットを揺らす。


実に河本のシュートが決まってから、3秒後のことであった。




『グッ。』

拳を力いっぱい握る安西。




「でかした!!」

「よっしゃーーーー!!!!」

「さすが!!清田先輩!!!」

「いいぞ!お兄ちゃん!!!」

「ナイスパスだーーーー!!!!」

今まで消沈していた神奈川ベンチが一瞬に狂喜乱舞の舞。




「ハッハッハ!どうだ!!天才のパスは!!!!」



「かっかっか!どうだ!!No.1PGの速攻は!!!!」



「おそれいりやした。」にこ。

山岡は、微笑んだ。



「・・・。」

無言で顔を見合す白田と黒川。


『バチン!』


手を叩く。




「うわぁぁぁーーーー!!!」

「速攻で返したーーーー!!!」

「すげーーーー!!!」

「神奈川まだ諦めてない!!!」




河本がシュートを打った瞬間、清田は走った。


シュートが入ろうが入らないが関係ない。



(俺は走るしかねぇんだ!!!)



味方のリバウンド、味方のパスを信じて。


そして、駆け出した姿を桜木は、またしてもわずかに捉えていた。


気がついたときには、エンドラインから清田に向かってボールを放っていた。


脅威的な適応力を見せる森重の影で、脅威的な視野の広さを見せる桜木。


試合の勝敗は、まだわからない。




試合残り時間 1分24秒

愛知  92
神奈川 87







続く。

#428 【F桜木】

2011-06-30 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 2分03秒


愛知  90
神奈川 83




『ピィーーーー!!』




「ん!!!」

「わぁぁーー!!」

「なにーー!!!」

「なんだとーーー!!」

「どうなってんだーーー!!!」

「勝つための作戦だ!ハッハッハ!!」



-----------------------------------------------

 C…#6 大泉 大丸 191cm/3年/海南大附属

 C…#8 黒川 大蔵 193cm/2年/陵南

-----------------------------------------------


-----------------------------------------------

SF…#7 天沼 健一 182cm/3年/翔陽

PF…#14 白田 豊 195cm/2年/湘北

-----------------------------------------------



「なんと!インサイドが3人!!森重君を止める大胆な作戦ですね!!
でも、Fはどうするんだ!!」

先ほどまでと打って変わって、興奮を隠せない中村。


「白田君、いや桜木君!!」

(苦肉の策・・・。やはり、流川君がいないのが大きい・・・。)




「安西先生、田岡先輩、奇抜な作戦を・・・。」

「桜木君・・・。どうか、神奈川を勝たせて・・・。」

祈る晴子。




神奈川のオフェンスから始まる。


森重を睨みながら、エンドラインに立つ桜木。


(見てやがれ!デブ坊主!!)



そして、視線を天井に向ける。


(キツネ!センドー!見てろよ!)


「おい!速くボールを出せ!」




「この作戦は、愛知のディフェンスに大きく左右される。
出来れば、マンツー。桜木には森重をつけてほしいところだが。」

と高頭。




「小賢しいの・・・。天野!マークマン変更だ!ヒロシは#8、金田は赤いのにつけ!」




「・・・。」

残念がる森重。




「ふむ。桜木には金田か・・・。これで分は悪くなった。」

と高頭。




老将冨名腰が、神奈川の可能性を潰す。


「てめーにFが務まるのか!?」

と金田。

「トーゼン!俺のポジションは、天才だからな!ハッハッハ!!」

「バカか?流川がいたら、もう少しいい試合ができていたのにな。」

「フン!バカは貴様だ!!いいことを教えてやろう。
流川は俺に負けて、アメリカにいったのだ!!」

「ん!そんなこと信じられるか!!」

「今、ここで証明してやるぜ!!」にや。



ボールは、清田から山岡へ渡り、清田に戻る。


(12秒以内に1本。インサイドから確実に攻めるのが妥当か。)



『パシ!』


『パシ。』



愛知のディフェンスの前に攻め倦み、パスだけが回る。




「まずい攻めなければ!!!」

「時間がなくなる!!」

「清田さん!!」




(わかってるよ!!)


『パシ!』


ボールは、45°の桜木に渡った。



「戻せ!!」

叫ぶ清田。



「さぁ、来い!お手並み拝・・・!!」

と金田がいい終わる前に。



『ズバッ!!』


『ダムッ!!』



(はっ速い!!!)



桜木はボールをもらうや否や、一瞬にして、金田を置き去りにした。




「あの桜木がーーーー!!!!」

「おぉぉぉーー!!!」

「なっなんて鋭いドライブだーーー!!!」

「速すぎる!!!!」

「流川並だーーーーー!!!」




「天才ドライブや!!!!」

絶叫する彦一。


「成功率はまだまだ低いけど、キレ味は流川さん並。
この大事な局面で決めてくるとは、さすがっすね。」

解説する柳。




『ダム!!』


ボールは、桜木の手に吸い寄せられる。


しっかりとキープしている。


(よし!成功だ!!)




「すっ凄いで!!!」

「桜木!!いけーーー!!!」

「桜木さん!!!」




だが。



目の前に、待ち構える怪物森重。



「てめーを倒すのは、やっぱり俺だーー!!」


「来い。」



桜木のドリブルは、更に鋭く速度を増す。



『ダン!!』



力強く踏み込む。



助走が長い分、桜木の跳躍は今までの比ではなかった。




「いくらなんでも高すぎる!!!」

「なっなにーーー!!!」

「ありえない!!!」




「アンビリーバブル!!!」




「センセーーーーション!!」




「くらえ!!デブ坊主!!!!」



森重は、的確にコースを塞ぎ、桜木のボールの軌道を狙う。



「寛!そのままだ!チャージングを狙え!!」

天野が叫ぶ。



だが。



『ザッ!!』



森重は、振りかぶった。



対して、桜木は、この試合一番の凄まじい跳躍を見せ、リングを狙った。



「これで5点差だーー!!!」



「させない!」



『ギラ!』



今までにない集中力を見せる森重。



森重の全神経が、桜木へと注がれた。



その瞬間。



『ビュン!』



「!!!!」


「!!!」



ボールは、森重の顔の横を通り過ぎた。


(ん!?)




「それだ!」

『ガタ!』

安西が思わず立ち上がる。




桜木もまた森重に100%の勝負を挑んでいた。


森重の上からダンクをぶちかますつもりであった。


だが、わずかに黒川の姿が視界に入る。


その瞬間、気持ちではなく、体が反応する。


そして、気がつくと、己の勝負よりもチームの勝利を選ぶパスを放っていた。



『バチン!!!』


(っつう!)


会場に響き渡るほど、ボールは勢い良く、黒川に渡った。



「ファウルの借りを返せ!!」


「ありがとうございます!!」



ゴール下において、俊敏な動きを見せていた森重もこのパスには、反応できなかった。


白田は、青木をしっかりと封じている。


森重の裏でポジションを取っていたフリーの黒川。



『ダン!!』



ゴール下、力強く踏み込み、渾身の力を込めて、ボースダンクを叩き込む。



『ガッシャン!!!!』




「うぉぉぉーーーーー!!!」

「#8のダーーーンク!!!」

「桜木のパスがすげーーーー!!!」

「あのタイミングでパスが出せるのかーー!!」




「ジャスト12秒や!」




桜木が見せた天才ドライブ。


そして、最高速、最高跳躍から見せたアシスト。


誰もが予想だにしていなかった桜木のプレーとともに、神奈川の逆転劇へのシナリオが加速していく。




試合残り時間 1分51秒


愛知  90
神奈川 85







続く。

#427 【神奈川の作戦】

2011-06-27 | #13 神奈川 国体編
「ディーフェンス!!ディーフェンス!!ディーフェンス!!」

「オッオッオフェンス!!オッオッオフェンス!!オッオッオフェンス!!」

「ディーフェンス!!ディーフェンス!!ディーフェンス!!」

「オッオッオフェンス!!オッオッオフェンス!!オッオッオフェンス!!」




試合時間も残りわずかとなり、会場も異様な盛り上がりを見せている。



観客席に座る晴子は、両手を固く握り、祈るようにコートに視線を注ぐ。


隣の高頭もまた、扇子を仰ぐ余裕などなく、ただただ戦況を見つめていた。



記者席の中村は言葉を失い、弥生は試合の行方を予測しながら、ペンを走らせる。



愛知冨名腰監督は、ベンチに深く座り、静かに試合を見守っていた。




神奈川ベンチ。


汗を流す田岡の表情は曇っていて、隣の彦一の言葉も少なかった。



『ガタ。』


「タイムアウトをお願いします。」


安西は、最後の作戦を伝えるべくタイムアウトを要求した。




『ザシュ!!』




「また森重だーーー!!!!」

「もう怪物は止まらない!!!!」

「愛知決勝点だーーー!!」




力強さと上手さを兼ね備えた森重のポストプレーが、桜木を飲み込もうとしていた。


スロースターターではないが、試合が経過するにつれて、森重は存在感を増す。


それは、桜木を越える適応力・対応力が備わっていたためであった。


試合中に相手の動きを観察し、受け入れ、跳ね返す。


今、桜木を、神奈川を、跳ね返そうとしていた。



『ビィーーー!!』


「タイムアウト!白!!」




「はぁはぁはぁ。」

「ぜぇぜぇ。」


ここまで、オールコートであたり続けている清田らの呼吸は荒い。




だが、それは愛知も同様であった。


「ハァハァ。」

「なんて脚力してんだ・・・。」


「なんだ、もう音をあげたのか、河本、金田?」

冨名腰が挑発するように尋ねた。


「いや、別にあげてねぇし!」

「まだまだ!」


「秋田、いや山王のほうがもっと走るぞ!」

「・・・。そうすっね。こんなところで、弱音を吐くわけにはいなかいっすね。」

「とはいえ、お前らも40分近くよく走ってるよ。天野、こんな状態だ。時間を使って攻めろ。
何だったら、24秒になっちまってもかまわんぞ。
とにかく時間を使うんだ。決して早撃ちはするなよ!」

「了解しました。最後まで逃げ切ってやりますよ。」


「はぁはぁ。」

森重も激しい息遣いをしてながら、膝をさすっている。

「寛、大丈夫か。」

「問題ない。」




「このタイムがどう響くか。」

「どういうことですか。」

高頭に尋ねる晴子。


「冨名腰監督は、このタイムアウトで、時間を使って逃げ切る作戦を指示してくるだろう。
これでうちが望む速い展開はなくなったに等しい。残り時間も少ないこの状況、俄然厳しくなった。」

「でも、安西先生はそれでも勝てる作戦があるから、タイムアウトを取ったんですよね。」

「あぁ、そうだ。そうであってほしい。」




「天沼君、大泉君に代わり、白田君、黒川君、行きます。」

「!!!」

「!!!」

「はい。」


「安西先生!これではインサイドが3人に!!!」


「今の森重君はこれくらいでないと止められない。」


「・・・。」


「ディフェンスは、2-3。桜木君、白田君、黒川君、全力で森重君を止めてください。」


「はい!!」


「くそう!こうなったら、負けるよりマシだ!ハクタス!黒坊主!!
あのやろうにもう1点もやらねぇぞ!」


「はい!!」




「あっ、白田君と黒川君が準備している。
桜木君と大泉君を交代させて最後まで走りきるつもりですね!」

「本当にそうかしら。安西先生が、この場面で桜木君を交代するとは考えにくいわ。」




「安西先生!いくら森重を止めるからといって、後手に回ってはいけませぬぞ!
これでは、得点が獲れない!Fがいませんぞ!」


「大丈夫です。桜木君がいます。」


「!!!」


「えっ!!!」


「!!」


「なに!!」



『ピクッ。』



「もうワンランク上を目指すんですから。」


「わかったぜ、オヤジ!この勝負は、俺にかかっているというわけだな。」にや。


(どこまで桜木を信頼しているのですか・・・。
しかし・・・、こうなったら、仕方ない。)



『チラ。』


電光掲示板を見て、得点差、残り時間を確認する田岡。


「よぉし!安西先生の仰られるとおり、ディフェンスは2-3。
ハーフでしっかり守るんだ!」


「ハーフ!!」

「時間がねぇんだ!!」

「早くボールを奪わなきゃなんねぇんだぞ!!」


「残り時間2分、7点差。愛知が毎回オフェンスで24秒を使い切ると考えると、
少なくとも愛知は3回、うちには4回のオフェンスが回ってくる。
つまり、愛知のオフェンスを3回に押さえ全て封じる、
対してうちは4回のオフェンス全て得点に結びつけることができれば、逆転可能だ。
但し、うちに許された時間は、1回のオフェンスにつき12秒。12秒で、リングに沈めるんだ。」


「全て封じる・・・。」

「12秒のオフェンス・・・。」


「ただ、これは机上での計算だ。そう上手くいくとは思っていない。
清田、タイムコントロールは、お前に任せたぞ。」

「へっ、責任重大!大いに結構!かっかっか!」


「わかったぜ!じじい!全て止めて、全て決めればいいだけのことだな。簡単な話だ!」


「さっ桜木さん!!そんな簡単なことでは!!」

「そうやで!!」


「フン!貴様ら庶民とは、根本的な考え方が違う!!俺は勝つことしか考えねぇ!!」


「ふっ、その通りっすね。」

「やる前から負けていたら、そこで終わりだ。」

「よし!勝ったらこの天才のおかげ!!負けたらじじいの作戦ミス!!それでいいな!!」


「なっ!!!」

「OK!!」

「異存はないっす!!」

「責任は田岡監督ってことで。」


「なぬ!!
・・・・・・。わかった!責任は全て俺が負う!!だから、勝つんだ!!」


「おう!!!」


「安西先生、よろしかったでしょうか。」

「はい。素晴らしい作戦です。私にも勝利しか見えていません。」




愛知、神奈川の最後の戦いが始まった。




試合残り時間 2分03秒

愛知  90
神奈川 83







続く。

#426 【プレス危うし】

2011-06-07 | #13 神奈川 国体編
愛知  84
神奈川 76




「凄いぞ!凄いぞ!」

「神奈川のプレスが凄い!!」




桜木は森重をピッタリとマーク。


天沼、大泉で河本、金田、青木へのパスコースを塞ぐ。



『キュッキュ!!』


『ダン!』


『キュ!』



「どうした!?天野?」


(こいつら!)




「3!!」

神奈川のベンチが叫ぶ。




「くそ!」


「天野!!」


「こっちだーー!!」


「パスさせるかよ!」




「2!!」




「!!」


「!!!」


「!!」



『ピィーーー!!』



「よっしゃーー!!」


「うっし!」




「うわぁーーー!!」

「オーバータイムだ!!!」

「守り切ったぞーーー!!」

「2連続のターンオーバーは痛い!!」




『タラ。』


天野の額から大粒の汗が流れ落ちた。


「天野・・・。」

心配そうに河本が声をかける。

「すまん。」

「気にするな。まだ勝っている。」

「ああ。」



森重が天野に近づく。


「俺に任せろ。」

「寛・・・。」



「ここも獲るぞ!」

「おう!!」



一気に流れを持ってきた神奈川。


今まさにチームは一丸となっていた。




「神奈川!!神奈川!!神奈川!!」

会場も味方につけた。




(今がチャンスだ!)


『キュッ!』


『ダムダム!』



(ぐっ、強引に来た!)



再び、対峙する河本相手に強引なペネトレイトを発動した清田。



「行かすか!」


『ダム!』




「あれは!!」

「牧先輩の!!」

「キラークロスオーバー!!」




河本を一瞬で抜き去る。




「愛知は足にキテいる!!」

「いけるぞ!神奈川!!」

「誰にパスする!!!」




『キュッ!』


「ん。」


「む。」


桜木は、一足早く森重をスクリーンアウトで抑え込む。



「打て、野猿!!外してもかまわん!!」


「誰が外すかよ!!」



『フワー。』



空中に浮かぶが如く、優しく跳んだ清田。


オーバーハンドレイアップシュートを放つ。


緩やかな回転。


森重の頭上を超える。



『シュパ!』


ネットを優しく通過。




愛知  84
神奈川 78




「キタキタキタ!!!」

「6点差!!!」

「神奈川の勢いは止まらない!!」

「逆転への秒読み!!!」




「よっしゃーー!!あたれーー!!走りまくるぞ!!!」


最高のテンションを迎えている清田が喝を入れた。



だが。



「!!!!」


「!!」


「!!!」


エンドラインでボールを持つ森重の姿。




「森重がパサーだと!」

と田岡。




「かまわねぇ!桜木!山岡!天野を抑えろ!!」




「これは危険だ。」

と安西がつぶやいた。




森重は、天野へボールを入れた。


清田の指示通り、山岡と桜木のダブルチームで天野を囲む。




「よし!捕らえたーー!!!」

「もう1本!!」




『キュ!』


『キュッ!』




「桜木君もナイスディフェンスです!!」

「いや、これでは森重君が空いてしまうわ。
かといって、桜木君が森重君を追えば、ダブルチームが消える。」




「しまった!!赤毛猿は森重につけーー!!やつにやられる!!」


「いや!こいつに抜かれなきゃ問題はねぇ!!」



だが。



「寛。」



『シュ。』



天野は森重にリターンパス。



「!!」


「!!」



「このラインで森重にパスだと!」

「どういうつもりだ!」



神奈川メンバーが意表をつかれた瞬間、山岡、桜木の間を、天野がきれた。



「こっちだ!」



『パン!』



天野、森重の名朋コンビの鮮やかなパス&ラン。


一瞬にしてアウトナンバーを作り出す。




「抜いたーー!!!」

「山岡と桜木が置き去りにしたーーー!!」




「しっしまった!!」


「やべ!!」



『パシ!』


『パシ。』



ボールは、確実にフリーマンに渡り、そして。



『シュパ。』



ノーマークの青木が、ゴール下であっさりリングに沈めた。




「神奈川のプレスを突破したぞ!!」

「まだわからない!!」




「・・・。」にこ。


(おのれ、デブ坊主!!)



森重がプレス突破の起点となり、神奈川の勢いを断ち切った。

試合の行方はまだわからない。




愛知  86
神奈川 78







続く。

#425 【追い上げ開始】

2011-05-26 | #13 神奈川 国体編
愛知  84
神奈川 74




どうだといわんばかりの表情を浮かべる森重。


ディフェンスリバウンドを奪い、手にはボールを持っている。



「おのれ!!」


「・・・。」にこ。



「森重!」


「ん。」



『パシ!!』


「!!!」


「!!」



「ガラ空きだ。」にか。



「おっ!見たか、天才による猿回しリバウンド!
そのためにあえててめーにリバウンドを獲らせたのだ!ハッハッハ!!」


「そうなのか!?」


「んなわけねぇだろ!!」



森重の死角から現れた清田。


見事に桜木と睨みあう森重の手の中から、ボールを奪い取った。


そして。



「くらえーー!!」



ゴール下のシュートを繰り出す。



だが。



「打たすか!」



横から天野。


完璧なタイミングで清田のシュートを狙った。



「天野!!」


「もらった!!」


「!!!」にか。


「!!」


清田は柔軟に体をくねらせ、ボールを後ろへ放った。


それはシュートではなく、パス。


そこには、ノーマークの山岡。



「ナイスパスっす!」


(ここで決めるのが、炎の男ですよね。三井さん。)



三井に憧れていた山岡。

3年生となり、陵南キャプテンを任させ、いつしか自分の夢を追い求める姿は次第に薄れていった。

だが、三井のそのプレーを眼に焼きついていた。

幾度となく、3Pを決めてきた三井の姿がプレーバックした。



『パシ!!』




「打てーー!!」

「山岡先輩!!」




『シュ!』



指先に集中し、ボールに力を伝え、回転を与える。



『クルクル。』



綺麗に回転するボール。




「3Pーーーーー!!」

「入れーーーー!!」




「!!!」にっ。


「んっ!!」


山岡は桜木に視線を送った。



『キュッ!!!』



『ダン!!』




「ん!!」

「なにーー!!」

「まっまさか!!」

「えーー!!!」




『パシ!!』



「おりゃーーー!!!」



「決めろ!!桜木ーーー!!!」



『ドガァ!!!!』




「あぁーーーーー!!!」

「パッパスだーーーー!!!」

「またアリウーーーーープ!!」

「桜木がすげーーーー!!!」




会場が爆発する。




「なっなんてことだーー!!!」

「パスだったとは!!!」

「8点差!!!!」




愛知  84
神奈川 76




山岡は3Pではなく、桜木へのパスを選んだ。


(俺は三井さんみたいになれなくても十分。チームの主役は俺じゃない。)




「よくやった!ナイスパスだ!!」

「アンビリーバブルやーー!!」

「凄い!!!」




「いい判断だ。勢いに任せず、より確実な方法を判断し、咄嗟に変えた。
そして、それに応えた桜木。素晴らしいコンビプレーだ。」

と高頭。

「山岡君!!凄い!!」




「どうですか!!ハルコさん!この天才桜木の活躍は!」




「完璧だよ!!」




「ハルコさん・・・。」ほわーー。


してやったりの顔をする桜木。


「山猿にしてはジョーデキだったぜ。」

「桜木こそな。もう1本いくよ!」

「おうよ!!」




「あたれーーーー!!!」

「もう1本だーーー!!」

「いけーー!!お兄ちゃん!!!」




「ちっ。面倒なやつらを乗せちまったかな・・・。こっちだ、青木!」


『パシ!』


ボールは、素早くエンドの青木から天野へ。


ここで、神奈川は勝負に出た。



『キュッ!!』


『キュッキュキュ!!』



「止めるぞ!」

「はいよ!!」



清田、山岡のGコンビが天野を襲った。




「ダブルチームだーーー!!!」

「勢いづいてきたぞ!!!」

「ノッてきたーーー!!!」




「ハーフラインは超えさせねぇ。」

「らしいっすよ。」にこ。


「上等だ。」にや。



『キュッキュ!!!』


『キュ!』


『ダムダムッダム!!』



パスはおろか、一歩も進ませない鬼気迫るディフェンス。




「すごいプレスだーーー!!」

「あれでは、天野は攻められない!!!」




「当たり前だ。清田はもちろん、他のやつらにも海南伝統のプレスを叩き込んだのだ。
そう簡単に抜かれてもらっては困る。」

と高頭。




試合残り時間7分を切った。


更に得点を詰めるべく、仕掛けた神奈川。


果たして、追いつけることができるのか。




愛知  84
神奈川 76 








続く。

#424 【残り時間】

2011-05-24 | #13 神奈川 国体編
愛知  84
神奈川 74




桜木のアリウープダンクが炸裂。


再び10点差。



「はっはっは。面白い。」



森重の笑い声が、会場に響き渡る。




「ヒロシのやつ、あんな楽しそうにしてやがる。」




「森重君が笑っている・・・。なんか不気味・・・。」

「ようやく見つけた好敵手ってとこらかしら。」




「赤坊主。勝つのは俺だ。」


「フン!俺だ!」



「桜木!ディフェンスだ!」



「もうてめーには1本もやらねぇ!!」


「俺は止まらない。」




再び、神奈川のオールコートマンツーマンプレス。



「走れ!!」



『キュッ!!』


『キュッキュ!!』



「パスが入れられない!!」

「すっ凄いディフェンスだ!!!」




「2!!」


「1!!」



『ビィ!』



金田の苦し紛れのパス。



『パシ!』



運よく天野へと渡った。


「桜木も清田さんも頑張っているんだ。俺も頑張らないわけにはいかないよね。」

「お前はやられ役のほうがお似合いだ。」


『キュッ!!』


『ダムダムッ!』



「!!!」


「!!」




「回り込んだーーー!!」

「ナイスディフェンスだ!!」




「ええで!拓真!!」

「山岡!!止めろ!!!」




『ダム!』


レッグスルーで方向転換。


『キュ!!』


バックロールで交わしにかかるが、山岡のディフェンスは崩れない。



(しつこいやつだ。)



「前だ!!時間がない!!」



『キュッ!』



「パスだ!!」



『ダムダム!!』



かまわず強引なドリブルを続行する天野。


8秒ギリギリところでハーフラインを越えた。




「おしい!!」

「あと少し!!」




完璧に近いディフェンスを見せた山岡。


(こいつ・・・。)

と厳しい表情を浮かべた天野。


「やりますな。」

と笑った山岡。



その他のマッチアップも素晴らしいディフェンスを見せている。




「休ませたおかげで、愛知よりも動けている!」

と表情の明るい田岡。




「ナイスディフェンス!!」

と晴子も声援を送る。


「だが、点差は縮まっていない。厳しい状況に変わりはない。」

田岡とは反対に険しい表情の高頭。




記者席の弥生も同じ見解であった。

「ディフェンスだけじゃ勝てないわよ。神奈川の厳しさは変わらないわ。」




「走りまくれ!!!」

「パスさせるな!!」

「抜かれるな!!!」


神奈川の5人は声を掛け合い、必死に守る。


想いの強さは、強固なチームワークを生んだ。


結果。



『ピィーーー!!』


「オーバータイム!!」




「うわぁぁーーー!!守りきった!!!」

「ナイスディフェンスだ!!!!」

「いいぞ!!神奈川!!!」




「止まっちまったな、デブ坊主。」


「・・・。」



(まぁ、しょうがねぇな。)

と密かに思う天野。




「いいぞ!先輩!!」

「ナイディ!!ナイディ!!」




神奈川ベンチも大いに沸きあがる。




「追加点を許さなかったのは大きい。
でも、24秒使われたことはもっと大きいかもしれない。」

と柳。

「無理なオフェンスよりも、時間を使うことを優先したとも取れる。
少なくても天野さんはそういう人だ。」

空斗も続けた。




残り時間8分。


刻一刻と迫る試合終了時間。




「えーと、10点差だから1分に1本ずつ返したいところだけど、
まだ時間もあるし、この勢いならいけるはず!!」

「神奈川の終盤の底力、粘り強さは他のチームにはないものがある。
でも、それは愛知、いや森重君も同じ。
どう考えても、この時間で10点差は厳しいわ。そして、何より・・・。」

何かを懸念する弥生。




『シュ!』




「この早撃ちだ。」にや。

笑う冨名腰。




「そのつもりなどなくても、時間帯、得点差、勢い、あらゆる要素が合わさり、早撃ちになってしまう。
そして、その状況で打ったシュートは入らない。」

と冷静な弥生の分析。


「まっまさか。」




『ガン!!』




「ほらね。」




天沼のシュートが外れた。


「リバウンドーーー!!!」



『ガツ!!』


森重の完璧なスクリーンアウト。


桜木は、封じられた。



(やべ!!)



『バチン!!』




「森重だーーー!!」

「強いぞ!森重!!!」

「ナイスリバウンドだーー!!」




「やはり、この全国大会、この終盤の緊張感は県大会とは違う。
天沼には少し荷が重いかもしれぬな。」

と高頭。


(流川君がいてくれたら・・・。)

晴子は心から思うのであった。




愛知  84
神奈川 74







続く。