新人戦決勝が行われている。
組み合わせは、深沢体育大学×慶徳義塾大学となっていた。
準決勝第1試合、優勝候補に名を挙げられたライバル大学名稜大を16点差の圧勝劇で下し、
堂々の決勝進出を果たした深体大。
準決勝第2試合、壮絶なシーソーゲームを制し、ラスト3分で脅威の底力を見せ、
6点差で白金学院を破り、初めて決勝戦に進出した慶徳義塾。
現在、試合終了まで、1分を過ぎ、深体大応援団は、カウントダウンを始めていた。
「50秒!!!」
ボールは、MVP確実の河田がキープしている。
対峙するのは、C赤木。
(河田・・・。)
「随分、成長したな。」にっ。
「・・・。」
睨みをきかす赤木。
「だが、それはインサイドだけの話だ。」
「!!!」
『ダム!』
3Pラインのわずか内。
サイドにワンドリをすると、鮮やかなジャンプシュートを放つ。
そのスピードに赤木はついていけない。
『シュパ!!』
「うぉぉぉーーー!!いいぞ!河田!!!!」
「ナーーーイッシュ!!!」
「ぐっ。」
拳を握り締める赤木。
この試合、河田はアウトサイド主体でオフェンスを展開。
ジャンプシュートから、確実にネットを揺らしていた。
『パン!』
「赤木、まだ諦めんな!!」
尻を叩くのは、藤真。
「当たり前だ!!」
(くそう。河田!)
悔しさを表に出す赤木。
ボールは、素早く藤真に投げ入れられた。
『ダム!』
ハーフラインを越えたところで、深津が並走する。
「簡単に抜かせないピョン。」
『チッ!』
深津の指先が、わずかにボールに触れた。
「!!!」
「ナイススティール!!」
「深津!!ナイスディフェンス!!」
「残り40秒!!!」
体勢を崩しながらも、まだ藤真がボールをキープしていた。
「藤真!こっちだ!!」
『ビィ!!』
ボールは、諸星へ。
その諸星をマークするのは、SF徳永。
高校3年生時、選抜準決勝以来の対戦である。
身長はもちろん、体格で優位に立つ徳永、そして、スピードにおいても、諸星と同等の力をつけていた。
慶徳義塾が、思うように得点を奪えないでいたのは、この徳永が諸星を抑えていた功績が大きい。
『キュ!!』
「そう何度も止められてたまるかよ!!」
「何度でも止めちゃうよ!」にや。
『キュッ!!!』
『ダッダム!!』
『ダムダムッ!!』
「!!!」
(ぬ!!)
「もらったーー!!」
諸星は、徳永をかろうじて抜き去った。
瞬発力では、わずかに諸星。
深体大インサイドを切り裂くように、ゴールを狙った。
「黒星!こい!!」
河田が笑いながら、諸星のコースに入った。
「諸星だっつってんだろ!!」
『ダン!』
凄まじい跳躍を見せる諸星。
「ビッグスターーシューーーート!!」
「面白い!」にかっ。
河田も諸星目掛けて跳んだ。
「なんてな。かかったな。河田ーー!!」にやっ。
『シュ!』
諸星は、一瞬にしてボールを背中に送り、バックビハインドパスを放った。
「赤木!!受け取れ!!」
「甘いぜ!!白星!!」
『バチ!!』
「!!!!」
「!!!」
「なっにーー!!」
河田の右手がボールを止めた。
「うわぁぁーーー!!さすが河田!!!」
「あのパスを止めやがった!!!」
「すげーーー!!!」
「ゴール下の守護神だーーー!!!」
「まだだ。」
「ボールは生きている。」
牧と仙道がつぶやく。
弾かれたボールを、慶徳のSF真下が拾い上げる。
『バッ!!』
「打たせませんよ。真下君。」
目の前には、深体大SG牧瀬。
真下は、背筋を伸ばし、藤真に眼をやる。
(リターンパスですか。)
その瞬間。
『クル!』
「!!!」
「!!!!」
「巧い!!!」
「絶妙!!!」
真下は、牧瀬の予想の逆を突き、鋭い回転から抜き去ると再び深体大ゴールを狙った。
「あぁいうところ、ついてくるんですよね、真下さんは。」
と神がつぶやく。
「試合終盤、真下にようやられおったからな。」にこ。
土屋が答える。
「それをいわれるとつらいですね。」
「真下とお前、よう似てるで。嫌なところをついてくるところとかな。」にこ。
「んっ、褒め言葉と受け取っておきます。」にこり。
『キュッ!』
「まだまだ!!」
インサイドの要、河田が真下の前に。
慶徳義塾のオフェンスを幾度となく、止めにかかる。
「・・・。」
『ビィ!!』
だが、真下は、河田との距離を冷静に測り、ゴール下にボールを供給。
「!!!」
『パン!!』
ボールを受け取ったのは、もちろん、この男。
「赤木いけーーーー!!!」
「決めろーーーー!!!」
「うぉぉーーーー!!!!」
だが。
「打たせるもんかよ!!!」
後ろから徳永が、ブロックに跳んで来た。
そして、前からは河田が立ちふさがる。
(決めてやるぞ!ゴール下では、誰にも負けん!!!)
「ウホォォォーーー!!ウホッ!!!」
「!!!!」
「!!!」
「!!!」
続く。
組み合わせは、深沢体育大学×慶徳義塾大学となっていた。
準決勝第1試合、優勝候補に名を挙げられたライバル大学名稜大を16点差の圧勝劇で下し、
堂々の決勝進出を果たした深体大。
準決勝第2試合、壮絶なシーソーゲームを制し、ラスト3分で脅威の底力を見せ、
6点差で白金学院を破り、初めて決勝戦に進出した慶徳義塾。
現在、試合終了まで、1分を過ぎ、深体大応援団は、カウントダウンを始めていた。
「50秒!!!」
ボールは、MVP確実の河田がキープしている。
対峙するのは、C赤木。
(河田・・・。)
「随分、成長したな。」にっ。
「・・・。」
睨みをきかす赤木。
「だが、それはインサイドだけの話だ。」
「!!!」
『ダム!』
3Pラインのわずか内。
サイドにワンドリをすると、鮮やかなジャンプシュートを放つ。
そのスピードに赤木はついていけない。
『シュパ!!』
「うぉぉぉーーー!!いいぞ!河田!!!!」
「ナーーーイッシュ!!!」
「ぐっ。」
拳を握り締める赤木。
この試合、河田はアウトサイド主体でオフェンスを展開。
ジャンプシュートから、確実にネットを揺らしていた。
『パン!』
「赤木、まだ諦めんな!!」
尻を叩くのは、藤真。
「当たり前だ!!」
(くそう。河田!)
悔しさを表に出す赤木。
ボールは、素早く藤真に投げ入れられた。
『ダム!』
ハーフラインを越えたところで、深津が並走する。
「簡単に抜かせないピョン。」
『チッ!』
深津の指先が、わずかにボールに触れた。
「!!!」
「ナイススティール!!」
「深津!!ナイスディフェンス!!」
「残り40秒!!!」
体勢を崩しながらも、まだ藤真がボールをキープしていた。
「藤真!こっちだ!!」
『ビィ!!』
ボールは、諸星へ。
その諸星をマークするのは、SF徳永。
高校3年生時、選抜準決勝以来の対戦である。
身長はもちろん、体格で優位に立つ徳永、そして、スピードにおいても、諸星と同等の力をつけていた。
慶徳義塾が、思うように得点を奪えないでいたのは、この徳永が諸星を抑えていた功績が大きい。
『キュ!!』
「そう何度も止められてたまるかよ!!」
「何度でも止めちゃうよ!」にや。
『キュッ!!!』
『ダッダム!!』
『ダムダムッ!!』
「!!!」
(ぬ!!)
「もらったーー!!」
諸星は、徳永をかろうじて抜き去った。
瞬発力では、わずかに諸星。
深体大インサイドを切り裂くように、ゴールを狙った。
「黒星!こい!!」
河田が笑いながら、諸星のコースに入った。
「諸星だっつってんだろ!!」
『ダン!』
凄まじい跳躍を見せる諸星。
「ビッグスターーシューーーート!!」
「面白い!」にかっ。
河田も諸星目掛けて跳んだ。
「なんてな。かかったな。河田ーー!!」にやっ。
『シュ!』
諸星は、一瞬にしてボールを背中に送り、バックビハインドパスを放った。
「赤木!!受け取れ!!」
「甘いぜ!!白星!!」
『バチ!!』
「!!!!」
「!!!」
「なっにーー!!」
河田の右手がボールを止めた。
「うわぁぁーーー!!さすが河田!!!」
「あのパスを止めやがった!!!」
「すげーーー!!!」
「ゴール下の守護神だーーー!!!」
「まだだ。」
「ボールは生きている。」
牧と仙道がつぶやく。
弾かれたボールを、慶徳のSF真下が拾い上げる。
『バッ!!』
「打たせませんよ。真下君。」
目の前には、深体大SG牧瀬。
真下は、背筋を伸ばし、藤真に眼をやる。
(リターンパスですか。)
その瞬間。
『クル!』
「!!!」
「!!!!」
「巧い!!!」
「絶妙!!!」
真下は、牧瀬の予想の逆を突き、鋭い回転から抜き去ると再び深体大ゴールを狙った。
「あぁいうところ、ついてくるんですよね、真下さんは。」
と神がつぶやく。
「試合終盤、真下にようやられおったからな。」にこ。
土屋が答える。
「それをいわれるとつらいですね。」
「真下とお前、よう似てるで。嫌なところをついてくるところとかな。」にこ。
「んっ、褒め言葉と受け取っておきます。」にこり。
『キュッ!』
「まだまだ!!」
インサイドの要、河田が真下の前に。
慶徳義塾のオフェンスを幾度となく、止めにかかる。
「・・・。」
『ビィ!!』
だが、真下は、河田との距離を冷静に測り、ゴール下にボールを供給。
「!!!」
『パン!!』
ボールを受け取ったのは、もちろん、この男。
「赤木いけーーーー!!!」
「決めろーーーー!!!」
「うぉぉーーーー!!!!」
だが。
「打たせるもんかよ!!!」
後ろから徳永が、ブロックに跳んで来た。
そして、前からは河田が立ちふさがる。
(決めてやるぞ!ゴール下では、誰にも負けん!!!)
「ウホォォォーーー!!ウホッ!!!」
「!!!!」
「!!!」
「!!!」
続く。