うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#395 【決勝戦の行方】

2010-12-06 | #12 大学 新人戦編
『ダムダム!』



『キュッ!』



『キュ!』



『パシ!』



『ダム!』




「ディーフェンス!ディーフェンス!ディーフェンス!」

「オッオッオフェンス!オッオッオフェンス!オッオッオフェンス!」

「ディーフェンス!ディーフェンス!ディーフェンス!」

「オッオッオフェンス!オッオッオフェンス!オッオッオフェンス!」




東京代々木第二体育館に、埋め尽くされた観客席。


そして、両大学を応援する大応援団。


全ての人の視線が、体育館の中央に位置する28m×15mのバスケットコートに注がれていた。



本日は、第50回 関東大学バスケットボール新人戦の決勝戦当日。


午前中に、第3位決定戦が行われ、現在、午後2時過ぎ。


決勝戦の第4Qを迎えていた。


一般観衆、応援団とは、雰囲気の違う一団が、腰をかける観客席があった。



真剣な眼差し。


そこには、決勝の舞台に辿り着けなかった各大学の選手らが座っていた。




『ザシュ!!』



「ぶし!!!」




「ナーイシュ!カワタ!ナーイシュ!カ・ワ・タ!」




河田が、力瘤を見せ、チームメイト、応援団を盛り上げる。


アシストを決めた深津がクールに手をあげる。




観客席の最後方。


「河田をどう見る?」

ある男が仙道に問いかけた。


「・・・。コート、いやこの体育館にあの人を超えられる人はいない。
間違いなく、河田さんがこの世代のNo.1でしょうね。」

「あぁ、そうだな。そして、深津。その河田の力を余すことなく、発揮させるゲームメイクと・・・、これだ。」




『パシ!!』




「スティーーーール!!」

「さすが深津!いいぞ!!」




「一瞬の隙もないディフェンス能力。」




『シュパ!!』




「きっ決めやがった!!」

「速攻からのジャンプシュート!!」


「ナーイシュ!フカツ!ナーイシュ!フ・カ・ツ!」




「シュートの安定性。」

「トータルバランスを考えると、紛れもなく深津さんが、現No.1PG。」

と仙道。

「そうなるかもしれないな。」

苦笑いする男。




『バチィン!!』


リバウンドをむしり取る深体大#24の選手。




「控えCにしては、いいプレーヤーですね。」

と織田。


「辻・・・。」

横学大のC品川が、名前をつぶやいた。

「あの#24、知ってるのか?」

横学大SG三井が問う。


「岡山県代表桃倉工業出身の辻崇。
高校当時は、決していい選手とは呼べなかったが、深体大に入学し、化けたようだ。」

「唐沢監督という名指導者、そして、河田を初めとする最高峰のプレーヤーが相手、化けても不思議はない。」

拓緑大SF大和が付け足す。

「体格を活かしたリバウンドと、あの高身長。深体大はまたひとつ高見に上ったな。」

と同じく拓緑大PF花形。




深体大はこの日、1年生SGの加藤をシックスマンに使い、スタートには、206cmのC辻崇を投入していた。




試合終了まで残り3分。



まもなくして、新人戦優勝大学が決定する。




「保のパワードライブは、さらにキレが増した。
どんな練習したら、あぁなるのか、全く恐れ入るな、深体大。」

と元チームメイトの神体大PF新庄。

「牧瀬さんの3Pは威力絶大。シックスマン加藤さんの得点力も脅威。この深体大に穴はない。」

と拓緑大PG織田。



「正しく最強のチームだな。」

三井が締めた。




だが。



コート上で、鼓舞する#14の選手。



『パンパン!!』


「いくぞ!まだいけるぞ!!!」


それに応える各選手。


「おう!!」

「あぁ、やってやるぜ!!」



パスを回し、フリーマンを探す。



トップから45°、45°からインサイド。



再び、45°へリターンパス。



シュートフェイクでディフェンスを引き寄せると、ノールックでトップへ。



(任せたぜ。)

と#15。



(外してもかまわん。リバウンドは絶対に俺が獲る!!)

と#20のインサイドプレーヤー。



(このパスは、必ず決める。)



『シュ!!』



綺麗な放物線を描いたボールが、会場の視線を集める。



『パサ!』



伸びる左腕。



仲間の想いに応えるように、鮮やかにネットを揺らすシュートを決めた。



電光掲示板の数字が変わる。


60

61

62

63 



「よし!!」

強く拳を握り、叫ぶ。


「もう1本!!引き続き、オールコートだーー!!!」

「おう!!」

「あぁ!!」



「最後まで俺たちの力を出し切るぞ!!」


「おう!!!」




その光景を見つめる観客席の一番後ろの男がつぶやいた。




「藤真・・・。ナイスシュート。」

「さすが、藤真さん。いいところで決めてきますね。」

「あぁ。あいつは、俺が認めた唯一無二のPGだ。」にこ。



そこには、準決勝、慶徳義塾に敗れた白金学院の牧の姿があった。








続く。