新・空と鷹と鉄の間に

ヒコーキ、ホークス、鉄道好きのブログです。

横浜市電保存館

2019-10-17 19:27:25 | 鉄道


横浜市磯子区滝頭の横浜市交通局滝頭車庫の敷地内に、かつて横浜市内を走っていた路面電車が保存される施設があります。
横浜市電はかつて横浜の街を走っていた路面電車で、最盛期には横浜の中心街を主体に13系統もの電車が運行されていました。しかし御多分に洩れず車社会の波に飲まれ、1972年に全廃されて市営バスや市営地下鉄にその任を譲りました。廃止から1年後の1973年に市電の滝頭車両工場だった市バス滝頭営業所の構内に開設されました。以来リニューアルを繰り返しながら横浜市電の歴史を伝え続けています。
保存されている車両は7両。

500型523号。1928年製の単車です。


1000型1007号車。1928年製で、市電初のボギー車です。

1100型1104号車。1936年製の電車で、登場当初はクロスシート車でした。ワンマンカーに改造された末期の姿で保存されています。

1300型1311号車。1947年製で市電で最後まで車掌が乗務していた電車でした。馬力があるため坂道の多い路線に投入されることが多かったようです。

1600型1601号車。1957年に滝頭車両工場で製造された電車で、当地生まれの生粋の浜っ子です。車内も蛍光灯が使用されていて近代的な印象ですが、扉配置から車掌には嫌われていたようで、ワンマンカーに改造されることなくわずか13年で廃車になってしまいました。

1500型1510号車。1951年製で戦後に各都市で採用された和製PCCカーの一種ですが、駆動方式は従来の釣り掛け駆動式となっている電車です。ワンマンカーに改造されて市電廃止まで活躍していました。

無蓋貨車10号。かつては山手のキリンビール工場からのビールを輸送していたこともある電車ですが、花電車としての利用が多かったようで、市電全廃時の花電車に使用された車両です。現在は博物館の方の手によりオリジナルの花電車になっており、時折その装飾も変えられているようです。

電車の側面には系統番号と運行経路を記したサボも取り付けられており、横浜市民ならなんとなくわかる表示ではないかと思われます。この路線は現在市営バス101系統(保土ヶ谷車庫前ー桜木町駅前ー根岸駅前)が代替系統として走っています。

車体には広告枠もあり、ほとんどの枠にキリンビールの広告看板が入っていますが、中にはこのように懐かしい企業名の入った広告も。今はどの銀行だかわかりますか。
横浜市電保存館へはJR根岸線根岸駅から市営バス21系統市電保存館ゆき、78系統磯子駅行き、133系統上大岡駅行きで市電保存館前停留所すぐですが、市営バス21系統市電保存館行きに始発のJR桜木町駅から乗車するのをお勧めします。このバスは桜木町駅から馬車道駅、県庁・日本大通り駅、横浜スタジアム前、元町、山元町1丁目、根岸森林公園、根岸駅を経由して走っており、横浜の中心街からトンネルを抜けて台地の上に駆け上がり、本邦初の洋式競馬場、横浜競馬場跡地の根岸森林公園の脇を通ったりするので、観光バス気分で車窓を楽しめます。途中の山手トンネルは市電唯一の遺構で、市電保存館ゆきのバスは必ず市電のトンネルをくぐってゆきます。
入館料は大人300円、こども100円ですが、交通系ICカードで市営バスによる来館、または市営バス一日乗車券利用の場合には大人200円、こども50円に割引されるので、訪れる際には市営バスに乗って行ってみてはいかかがでしょうか。 


令和初の鉄道の日

2019-10-15 20:16:44 | 旅行
1872年、旧暦の9月12日、現在の10月14日に新橋(汐留)ー横浜(桜木町)間に鉄道が開業、翌日より正式営業を開始してから147年。令和になって初めての鉄道の日を昨日迎えました。
台風19号の襲来により予定されていた鉄道の日イベントは軒並み中止を余儀なくされましたが、147年前も当初の開業予定日だった旧暦9月9日(10月11日)が暴風雨に見舞われて延期されているので、歴史は繰り返すといったところでしょうか。

開業当時の新橋ー横浜間の運賃は上等1円12銭5厘、中等75銭、下等37銭5厘と当時としては高額な運賃でしたが、令和の新橋ー横浜間は480円です。
新橋駅には碑が立っているだけですが、汐留シオサイトには旧新橋停車場と鉄道歴史展示室があり往時をしのぶことができます。また桜木町駅には改札外に高架駅の柱を利用した、鉄道の歴史を紹介するミニコーナーがあります。